今週の相場概況と振り返り
今週の日経平均は、月曜日に一時3,000円近くも下げるなど、緊迫する中東情勢に大きく振り回された一週間でした。54,000円前後で踏みとどまってはいるものの、積極的に買い上がる手がかりに乏しく、リスクオフの空気がしばらく続くことを覚悟すべき情勢です。
グロース市場は相対的な強さを見せているものの、主力市場が弱含んでいる以上、3/9の安値を再度試しに行くシナリオも想定し、慎重な戦略が求められます。
ヨドコウ(5451)
3/2に取り上げた銘柄です(下記のチャートの白い矢印がご紹介した日です)。
2/26に窓を開けて急騰しましたが、その後は勢いが続かず、ずるずると下値を切り下げる展開となっています。

目下、25日移動平均線がサポートとして機能せずそれを割り込んでおり、2/26に開けた「窓」を埋めに行く可能性が高い状況です。仮に窓埋めとなっても、前回の上場来高値である1,469円(上記チャートのオレンジの線)付近で下げ渋り、反発できるかが鍵。1/29安値の1,379円(上記チャートの青い線)を明確に割るようだと、200日線や52週線を目指す深い調整を警戒する必要があります。
santec Holdings(6777)
3/3に取り上げた銘柄です(下記のチャートの白い矢印がご紹介した日です)。
わずか一ヶ月で株価倍増を演じた銘柄。今週の悪地合いでもボラティリティ高く乱高下しましたが、高値圏を維持しており、上昇トレンド自体は崩れていません。

下値では着実に押し目買いが入っている動きです。ただし、25日線がサポートに失敗し、2/27安値の18,000円台半ば(上記チャートのオレンジの線)を割り込むと、その下は出来高が薄いため、75日線や2/2の窓埋めを試す急落リスクもあり得る点には注意が必要です。
日本マクドナルドホールディングス(2702)
3/4に取り上げた銘柄です(下記のチャートの白い矢印がご紹介した日です)。
この逆風下で、ボリンジャーバンド+1σを一度も割ることなく推移。週足6連続陽線かつ高値引けという、驚異的な「ディフェンシブ・モメンタム」を見せつけています。

現時点では崩れる気配すらありません。もし調整局面に入ったとしても、まずは25日線、そして2024年の上場来高値である7,000円台前半(上記チャートのオレンジの線)が強力な下値支持として意識されるでしょう。6,000円台までの深押しは、現状の需給の強さからは想定しづらい盤石のチャートです。
サンコール(5985)
3/5に取り上げた銘柄です(下記のチャートの白い矢印がご紹介した日です)。
取り上げてからわずか6営業日で50%近くも急騰。3/13には流石に息切れ感も見られましたが、強烈なトレンドの渦中にあります。

直近の急騰で2,300円〜2,400円付近に厚い出来高帯が形成されました。ここで値固めをして再発進できるか、あるいは押し目を作るかの分岐点です。25日線とは大きく乖離しているため、深押しした場合は2025年高値の1,400円半ば(上記チャートのオレンジの線)まで意識される可能性もあり、ハイリスク・ハイリターンな局面が続いています。
ブロードリーフ(3673)
3/6に取り上げた銘柄です(下記のチャートの白い矢印がご紹介した日です)。
1月のSaaS下げから復活し、新高値を突き抜けた後も連日で高値を更新。非常に強い意志を感じる上昇が続いています。

2月頭までの下落期間があったため、現在は25日線との乖離を広げながら走っている状態です。いずれ25日線の接近を待つ「スピード調整」が入ると思われますが、その際は2018年高値の833円(上記チャートのオレンジの線)がロールリバーサル(抵抗線から支持線への転換)として意識されるか注目です。
【上場来高値ウォッチ】週次パフォーマンス
今週からスタートする新コーナーです。私がピックアップした銘柄が、その後どのような軌跡を辿ったのかを数値化して振り返ります。
※同一銘柄を複数回取り上げた場合は、最初の紹介日を基準としています。
※ピックアップした銘柄のパフォーマンスを事後検証するものであり、売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。
週次パフォーマンス表(3/2〜3/6 紹介分)
| 銘柄コード | 銘柄名 | 紹介日 | 紹介翌日始値 | 3/13終値 | 騰落率 | 損益額 | 3/13までの 最高値 |
騰落率 | 3/13までの 最安値 |
騰落率 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 5451.T | ヨドコウ | 3/2 | 1,640 | 1,535 | -6.40% | -105 | 1,660 | +1.22% | 1,527 | -6.89% |
| 1605.T | INPEX | 3/2 | 4,000 | 4,383 | +9.57% | 383 | 4,435 | +10.87% | 3,737 | -6.57% |
| 5817.T | JMACS | 3/2 | 2,401 | 1,590 | -33.78% | -811 | 2,577 | +7.33% | 1,521 | -36.65% |
| 6777.T | santec Holdings | 3/3 | 21,750 | 22,820 | +4.92% | 1,070 | 25,660 | +17.98% | 20,070 | -7.72% |
| 2702.T | 日本マクドナルドホールディングス | 3/3 | 7,580 | 7,820 | +3.17% | 240 | 7,930 | +4.62% | 7,480 | -1.32% |
| 5016.T | JX金属 | 3/3 | 4,094 | 4,050 | -1.07% | -44 | 4,335 | +5.89% | 3,481 | -14.97% |
| 6085.T | アーキテクツ・スタジオ・ジャパン | 3/4 | 1,991 | 4,060 | +103.92% | 2,069 | 4,150 | +108.44% | 1,508 | -24.26% |
| 5985.T | サンコール | 3/5 | 1,441 | 2,118 | +46.98% | 677 | 2,415 | +67.59% | 1,351 | -6.25% |
| 1860.T | 戸田建設 | 3/5 | 1,589 | 1,512 | -4.81% | -76 | 1,596 | +0.44% | 1,450 | -8.75% |
| 2831.T | はごろもフーズ | 3/5 | 3,480 | 3,565 | +2.44% | 85 | 3,655 | +5.03% | 3,430 | -1.44% |
| 5844.T | 京都フィナンシャルグループ | 3/6 | 3,889 | 4,468 | +14.89% | 579 | 4,490 | +15.45% | 3,853 | -0.93% |
| – | 合計 | – | 53,855 | 57,922 | +7.55% | 4,066 | – | – | – | – |
振り返りと考察
モメンタムの爆発と「テーマ」の強さ
驚異的なのは アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(+103.9%) と サンコール(+47.0%) です。これらは数年ぶりの上場来高値更新、あるいは初更新といった「青天井」銘柄であり、上値に「しこり」がない状態でAI関連等の強力な材料が投下されたことで爆発的な急騰を見せました。 また、INPEX や 京都フィナンシャルグループ のように、連続して高値を更新し続けている銘柄も、原油高や資産再評価という明確な裏付けがあることで、激動の地合いでも着実にプラス圏を守り抜いています。
「ピックアップ銘柄」では、数ヶ月〜数年ぶりに節目を抜けた「初動」なのか、あるいは勢いに乗って「連続更新」している最中なのかを区別して取り上げているわけではありません。その時々のリストから目に留まったものを紹介していますが、こうした銘柄の「鮮度」の違いがその後のパフォーマンスに大きな影響を与える可能性は大いにあると考えています。
「期間最安値」から見る相場の厳しさと特性
今週のデータで興味深いのは、全銘柄において期間最安値がマイナス(紹介翌日の始値を一度は下回る)となっている点です。
今週は「中東情勢の緊迫化」という特殊な外部要因があったためとも考えられますが、「上場来高値更新銘柄といえど、必ずどこかで調整や押し目を作る」 という宿命を示しているのかもしれません。これが地合いによる一時的なものか、それとも銘柄の特性(エントリーのタイミングに依存するもの)なのかは、今後も継続してデータを蓄積し、探っていきたいと思います。
リスク管理の重要性:爆益と急落の分岐点
JMACS(-33.8%) のように、一度はプラス圏(最高値+7.3%)に浮上しながら一気に崩れた銘柄がある一方で、アーキテクツ・スタジオ・ジャパンのように一度-24%まで掘ってから倍増するケースもありました。 エントリーを狙って紹介しているわけではないからこそ、この「期間最安値」の数字は、「いつ、どのタイミングで入ったとしても、逆指値やマイルールによる出口戦略がいかに生存率を分けるか」 という教訓を如実に物語っています。
まとめ
今週の結果から言えることは、「地合いが悪くても、新高値を更新するエネルギーがある銘柄には強い資金が集まりやすい」 という事実です。
ただし、銘柄ごとの更新頻度や過去のチャート背景によって、その後の挙動は千差万別です。今後もこのウォッチを通じて、上場来高値更新という事象の裏側にある「強さ」と「危うさ」を冷静に分析していきたいと思います。


