本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は109銘柄でした。
週明けの東京市場は、日経平均とTOPIXが真逆の方向を向くという、ここ最近では見慣れた構図を再び見せました。日経平均は前日比295円安の62,417円と小幅に反落した一方、TOPIXは前日比+0.30%、グロース250は+1.73%と揃って上昇しています。東証プライムでは値上り870銘柄・値下り650銘柄と全体の57%超が値を上げており、日経平均の数字だけを見ると「弱い相場」と映りますが、その実態は多くの銘柄が値を上げる選別的なリスクオンの一日でした。売買代金は10.4兆円と高水準を維持しており、市場参加者の売買意欲は衰えていません。
前週末の米国市場ではNASDAQ100が前日比+2.35%、S&P500が+0.84%と強く引けており、週明けの東京市場ではこの余韻を受けた半導体・AI関連・電子部材株への資金集中が目立ちました。本日の上場来高値更新銘柄には半導体周辺素材や電子部品の大手がそろっており、テーマ性の強い銘柄への資金選別が継続していることが確認できます。一方で日経平均の弱さは指数構成の値嵩株の一部が伸び悩んだためとみられ、広範な銘柄が下落するリスクオフとは性格が異なります。
相場全体の地合いとしては「指数主導の全面高」ではなく、「テーマ・個別材料主導の循環物色」が続いている状態です。グロース250の+1.73%という上昇幅がその象徴で、中小型の成長株に資金が積極的に流れています。地方銀行株が静かに高値を更新する動きも散見され、セクター間で資金が回る循環物色の性格が強い一日でした。グロース株・バリュー株・テーマ株と幅広い層で個別の強い銘柄が存在しており、「指数ではなく銘柄を選ぶ」環境が引き続き続いているといえるでしょう。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
山王(3441)
時価総額100億円台の小型株ながら、静かに、しかし非常に力強く上場来高値を更新してきました。3月18日以来の上場来高値更新で、終値は2730円と前日比では小幅高にとどまったものの、すでに数日続いている急騰局面の中で高値圏を維持できたこと自体に意味があります。直近での材料は特にないようですが、3月の連続ストップ高による急上昇に対する利益確定売りがようやく収まりつつあることと、同社の電子部品向け表面処理や精密めっき技術が半導体関連や次世代実装分野への期待が買いを集めているようです。週足・月足では長く続いたレンジを抜け、数年単位の新しい評価レンジに移行しようとしているように見えます。
ココに注目!: ボリンジャーバンド+3σに近いところに位置し、帯域自体がこの数日でほぼ倍に広がっています。典型的なトレンド加速局面ですが、RSIはすでに過熱圏に入っており、短期的には一度冷却が入っても不思議ではありません。一方で一目均衡表は三役好転が成立し、価格は雲から大きく上放れています。移動平均線もきれいなパーフェクトオーダーでいずれも上向いてきており、中期トレンドは非常に強い状態ですが、平均値幅率はやや高く、日々の上下は大きくなりやすい点には注意が必要です。押し目を待つならボリンジャーバンドの+1σ付近までの調整を確認してからの方が入りやすく、25日線を明確に割り込むようなら、いったん短期上昇の勢いは一服したと考えるのが自然です。
マクニカホールディングス(3132)
本日ザラ場で発表された好決算が起爆剤となり一気に値を飛ばし、そのまま2024年2月15日以来となる上場来高値更新を果たしました。およそ1年3ヶ月ぶりの高値更新という事実は、長期間にわたって上値として重しとなってきた含み損の解消と、売り圧力が剥落した真空地帯への突入を意味します。終値は3,070円と前日比+11.03%の大幅高で、出来高は25日平均の3.85倍まで膨らみました。月足で見ると2024年2月を起点とするカップウィズハンドルを形成したように見えます。
ココに注目!: RSI14が81.47と本日のリストの中でも突出した過熱水準にあり、ボリンジャーバンド+3σを大きく超過し、±1σ幅は5日前比2.1倍と急拡張しています。一方で移動平均線の並びは25日線が75日線を下回る混在状態で、1年以上の下落過程で生じたねじれが完全には解消されていません。一目均衡表は三役好転・雲上と中期の強気構造は確認できますが、足元の過熱は否定できません。5月1日に開けた下方の窓が今後の調整局面での下値目安として意識されます。1年以上ぶりの高値更新で上部に売り圧力が薄い分、モメンタムは続きやすい構造ですが、過熱度が相当に高く高値圏でのエントリーには慎重さが求められます。2月時点の年初来高値であり、ボリンジャーバンド+2σ前後でもある水準まで価格が落ち着いてきた場面で改めて状況を確認するのが合理的な構えといえます。
東京応化工業(4186)
半導体フォトレジスト関連への資金流入が一段と加速しています。5月7日に331円幅の上窓を開けたのに続き、本日も32円幅の上窓でスタートし、終値11,190円と前日比+15.50%で上場来高値を更新しました。200日移動平均線からの乖離率が+76%を超えており、長期的なトレンド転換から現在に至る上昇幅の大きさを数字が物語っています。材料については確認できていませんが、前週末のNASDAQ100の大幅高を受けた半導体テーマ全般への追い風が主な要因とみられます。出来高25日平均比は3.62倍と商いも伴っており、短期だけでなく中期資金の流入も確認できる水準です。
ココに注目!: ボリンジャーバンド+3σの過熱圏に位置しており、RSI14も73.6と調整警戒ゾーンに達しています。一目均衡表は三役好転・雲上、移動平均線もパーフェクトオーダーと中期トレンドの骨格は揃っています。本日と5月7日の上窓がそれぞれ調整局面での下値節目として機能するかが当面の焦点で、特に5月7日の窓下限が崩れた場合は一段の調整が深まる可能性があります。貸借倍率9.74倍・買残539,700株と需給面でやや重さが出始めており、高値更新が続く局面での追加エントリーを検討するなら、先週の窓水準前後まで価格が戻ってくる場面があればエントリの一つの目安となるかもしれません。
気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
東京エネシス(1945)
1月に記録した上場来高値2,074円まで残りわずか33円という水準まで迫っています。終値2,038円と前日比+1.75%で、急騰ではなく着実に高値を削ってきた印象です。建設・エネルギーインフラ関連企業として、国内のインフラ投資需要を背景にした資金流入が続いており、出来高25日平均は2.49倍と小型株としては活発な商いが継続しています。
ココに注目!: ボリンジャーバンド+3σの過熱圏に位置しており、±1σ幅が5日前比2.3倍と急拡張しているのは短期的な過熱を示唆します。一方、一目均衡表では転換線と基準線がともに1,874円付近で並んでおり、三役好転の条件は未達です。移動平均線の並びも混在状態で、上場来高値更新銘柄と比べるとトレンドの完成度は一段低い段階といえます。RSI14が72.51と過熱圏に差しかかっており、上場来高値到達のタイミングで達成感からの反落が入るリスクも意識が必要です。信用倍率6.87倍・買残317,000株と需給面での重さは中程度です。上場来高値を終値で明確に更新し、突破後に押した際の25日線が最初の下値支持帯として機能するかが注目点です。
南都銀行(8367)
地味ながら着実に高値を更新し続けている奈良の地方銀行です。終値1,644円と前日比+1.54%で、本日の終値がそのまま52週高値となっています。5月8日こそザラ場で発表された好決算で急騰しましたが、本来はそうした急騰型ではなく押しを挟みながら高値を切り上げる安定した上昇が続いており、長期金利の上昇基調を背景とした利鞘改善期待と株主還元強化への評価が下支えとなっているとみられます。出来高25日平均は2倍と地方銀行としては活発で、継続的な資金流入が確認できます。
ココに注目!: 移動平均線はパーフェクトオーダーが完成しており、一目均衡表も三役好転・雲上と強気の配置が整っています。ボリンジャーバンドは+2σを超えるの過熱圏にありますが、±1σ幅の拡大は5日前比1.2倍と横ばいに近く、価格帯がじわじわと上方にスライドしている健全な上昇形状です。RSI14は65台とまだ過熱警戒の余地があり、上値追いの余力は残されています。一方で信用倍率15.12倍・買残130万株超という数字は将来的な売り圧力として意識されます。地方銀行として日々の出来高水準が限られるため、信用残の絶対量と流動性のバランスで需給を判断することが重要です。上昇が継続するためには日銀の政策方針と長期金利の動向が引き続き重要なテーマで、マクロ環境の変化に敏感な点は留意が必要です。押し目があれば25日線前後がエントリーを検討できる水準でしょう。


