本日の相場概況
30日の米国市場は、NYダウが443.87ドル安の50,906.05ドルで-0.86%、S&P500が19.30ポイント安の7,651.54で-0.25%と下げ、NASDAQ100だけが69.17ポイント高の30,408.50で+0.23%と小幅に上げました。流れを変えたのは、米国市場の取引終了後に発表された米マイクロン・テクノロジーの決算です。6〜8月期は売上高・利益とも市場予想を上回り、9〜11月期の見通しも予想を超えたことで、東京市場では朝から半導体関連に買いが集まりました。日経平均は67,106円で寄り付いたあと上げ幅を広げ続け、終値は2,203円高の68,956円、+3.30%です。高値68,995円との差はわずかで、高値引けに近い一日でした。アドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループ、ファーストリテイリング、イビデンの5銘柄だけで、日経平均を1,600円あまり押し上げています。
ところが指数の外側は様子が違います。TOPIXは朝方マイナス圏で推移し、後場にプラスへ転じたものの、終値は23.33ポイント高の4,131.98、+0.57%にとどまりました。東証プライムの値上がりは750銘柄、値下がりは747銘柄とほぼ半々です。業種別では石油・石炭製品、銀行業、保険業、電気・ガス業、鉱業が下げており、前日まで上場来高値更新の軸だった金融株からは資金が抜けました。売買代金は8兆7,228億円と、前日の9兆1,212億円から4,000億円ほど減っています。グロース250も2.13ポイント高の802.34、+0.27%と小幅高にとどまりました。日経平均の3%を超える上げは、半導体の値がさ株に資金が集中した指数主導の上昇で、市場全体に買いが広がったわけではありません。
上場来高値を更新したのは15銘柄と、前日の23銘柄から減りました。前日に8行が並んだ銀行業は、業績予想の上方修正と増配を発表したスルガ銀行の1行だけです。最も多いのは卸売業の4銘柄で、スズデン、泉州電業、エスケイジャパンに、前日から続けて更新したオーウイルが加わりました。上げ幅ではスバル興業が+16.79%、テクニスコが+12.13%、noteが+10.22%と続き、スバル興業とnoteは前日に続く更新です。指数を押し上げた半導体関連では、前日は小幅安で引けたアドテック プラズマ テクノロジーが+9.31%と上げました。電気機器ではほかに菊水ホールディングスも+4.11%で更新しています。時価総額1,000億円を超えるのは住友ベークライト、スルガ銀行、フルヤ金属など7銘柄、残る8銘柄は1,000億円未満で、下げて引けたのはノースサンド、東計電算、オーウイルの3銘柄です。日経平均の大幅高とは裏腹に、上場来高値まで買われた銘柄は少なく、業種も分散していました。資金は半導体の大型株へ集まり、そこから外れた銘柄では個別の材料を持つものだけが選ばれる、選別色の強い相場でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
テクニスコ(2962)
24日に上場来高値を更新したあと、25日から29日にかけて3営業日続けて下げ、29日には1,950円まで売られていました。前日の30日に192円高と切り返した株価は、本日さらに上値を追います。前場から買いが続き、昼休み明けの30分間に1日で最も商いが膨らむと、13時台に2,599円まで上値を伸ばしました。24日につけた上場来高値2,406円を、1週間で8%上回ったことになります。その後は押し返される場面を挟みましたが、終値は270円高の2,495円、+12.13%で、上ヒゲの短い大陽線です。出来高は25日平均の2倍に増えました。連休前の18日に開示したデータセンター向け高機能ヒートシンク部品の大口受注を手掛かりに上げてきた銘柄で、29日までの下げをわずか2日で取り戻しています。
ここに注目!: 24日に取り上げた際は、終値でボリンジャーバンドの+2σを保てるかを上昇継続の目安とし、+2σと24日の安値が重なる2,100〜2,150円のゾーンを終値で割り込めば受注開示後の上げはいったん仕切り直し、と書いていました。実際には28日に終値で2,091円とこのゾーンを割り込み、条件はいったん崩れています。一方で、29日の安値1,950円は、受注を材料にした上昇そのものを見直す水準として挙げた1,850〜1,900円には届かず、そこから切り返しました。仕切り直しを2日で終え、本日は再び+2σの上で引けています。
勢いは帯の動きに表れています。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+6%台の切り上がり、±1σ幅は5日前の1.4倍に広がり、株価は帯を押し広げながら上がっています。直近1年の上場来高値の更新は本日で7回目です。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しています。25日線乖離率は36%台、RSI14は72前後と過熱の数字は高いものの、本日は大陽線で引けており、崩れの兆しは見えていません。信用買残は出来高25日平均の1日分に満たず、需給の重さにはなっていません。ただし平均値幅率は8%台と大きく、28日から30日のように1日で100円を超える振れが出ることを前提に見る必要があります。
終値で+2σを保ち、本日上抜けた24日の高値の上で推移しているうちは、上昇の流れは有効とみられます。+2σと24日の高値2,406円が重なる2,380〜2,410円のゾーンは、それまでの上場来高値が支えに変わるかを試す価格帯で、ここを終値で割り込めば本日の上抜けはいったん取り消しです。さらに29日の安値1,950円を割り込む展開になれば、受注開示後の上げを支えてきた押し安値を失うことになり、上昇の流れそのものを見直す必要があります。
スルガ銀行(8358)
30日の取引終了後、上期と通期の業績予想の上方修正と、配当予想の増額を発表しました。上期は最高益の見通しで、増配とあわせて好感され、本日は3,005円で寄り付いています。高値をつけたのは寄り付き直後の時間帯で、8月18日の上場来高値3,015円を上回る3,030円まで買われ、1か月半ぶりに上場来高値を更新しました。ただ買いは続かず、10時台に2,924円まで押したあと持ち直し、終値は34円高の2,974円、+1.16%です。始値を下回って引けた、下ヒゲの長い陰線になりました。出来高は25日平均の3倍近くに膨らんでいます。本日は業種別で銀行業が下落率上位に並び、前日に上場来高値を更新した8行もこの日は1行も続きませんでした。そのなかで上げて引けた点に、決算の材料の強さが出ています。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値の更新は本日で4回目です。本日の高値は8月の高値をわずかに上回っただけで、上値の重さを一気に跳ね返したというより、1か月半ぶりに同じ水準まで戻ってきた段階です。押し戻された程度をボリンジャーバンドで見ると、高値3,030円は+2σの3,030円付近とほぼ同じで、終値は+1σの2,970円付近のすぐ上まで戻りました。帯の中心線は5日前からほとんど動いておらず、±1σ幅もほぼ横ばいで、25日線もほぼ水平です。帯の形は上昇トレンドというより、レンジの上端を試している状態に近く、本日の高値は+2σに届いたところで押し戻されており、価格帯そのものはまだ切り上がっていません。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、上昇の土台は整っています。RSI14は59前後と過熱感は無く、貸借倍率は5倍台と買残に偏るものの、信用買残は出来高25日平均の1日分に満たない軽さです。平均値幅率は2%台で、値動きは落ち着いています。
上昇トレンドへの移行を語れるのは、8月の高値と本日の高値が並ぶ3,015〜3,030円の価格帯を、出来高を伴って終値で上抜けた場合です。そうなれば、決算を材料にした更新が終値でも確定したことになります。下値では、本日の安値2,924円と5日線、25日線、一目均衡表の転換線が集まる2,900〜2,930円のゾーンが支えになるかが目先の見どころです。18日と24日の安値と雲の上端が重なる2,770〜2,800円まで下げる展開になれば、決算発表前の水準をも下回ることになり、上場来高値をうかがう見立ては見直しが必要です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
日産化学(4021)
9月18日から25日にかけて8,340〜8,370円の価格帯で繰り返し上値を抑えられ、28日と29日は8,089円まで押していました。本日は30日に続いて上げ、終値はその上値を抑えられてきた価格帯を上回りました。当日の値動きは安値8,288円、高値8,519円で、安値をつけたのは寄り付き直後の時間帯です。その後は時間を追うごとに水準を切り上げ、高値は大引けにかけての時間帯につけています。終値は118円高の8,454円、+1.42%で、下ヒゲの長い陽線です。出来高は25日平均を2割ほど上回る程度で、商いの増加は控えめでした。7月3日に記録した上場来高値8,707円まで、終値であと3%弱です。
ここに注目!: 同社が最後に上場来高値を更新したのは7月3日です。直近1年では9回の更新を重ねてきた常連で、そこから3か月、8,707円が上値の節目として残っています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、上昇の土台は整っています。終値はボリンジャーバンドの+2σの8,460円付近のすぐ下で、+1σとのあいだにあります。ただし帯の中心線の切り上がりは5日前比でごくわずかで、±1σ幅もほぼ横ばいです。帯の形からは、勢いよく上値を追っている状態というより、上昇の土台の上で緩やかに水準を上げている状態と読めます。本日の安値8,288円は、+1σと一目均衡表の転換線にほぼ重なる水準でした。RSI14は62前後で過熱感は無く、信用買残は出来高25日平均の0.1日分とごく軽く、貸借倍率は1倍台とほぼ均衡しています。平均値幅率は2%台で、値動きは落ち着いています。
上場来高値へ向かう動きが続くとみられるのは、9月中旬から上値を抑えてきた8,340〜8,370円の価格帯の上で終値を保てる場合です。本日はその上で引けましたが、出来高の伴わない上抜けなので、明日以降もこの水準を守れるかが確認点です。中心線の切り上がりが速まり、出来高が増えてくれば、上場来高値への接近に勢いが加わったと見てよさそうです。下値では、29日の安値8,089円と25日線、一目均衡表の基準線が並ぶ8,090〜8,110円のゾーンが目安です。ここを終値で割り込めば、9月中旬からの上昇の土台を失い、上場来高値をうかがう見立ては仕切り直しとなります。
丸文(7537)
電子部品・半導体の商社で、2006年1月に記録した上場来高値1,949円へ、20年8か月ぶりに迫っています。28日には1,931円まで上値を伸ばしたあと1,814円まで売られて押し返され、29日と30日は1,870円台で足踏みしていました。本日は1,851円の安値から水準を切り上げ、後場に入って昼休み明けの30分間に商いが集中すると、14時台に1,930円まで買われています。終値は43円高の1,918円、+2.29%と、10営業日のなかで最も高い終値で、実体のしっかりした陽線です。出来高は25日平均の1.5倍でした。上場来高値までは終値であと2%弱です。
ここに注目!: 本日の高値1,930円は、28日の高値1,931円とわずか1円違いで止まりました。その先には上場来高値1,949円が控えており、1,930〜1,949円の価格帯に2つの高値が並んでいます。28日はこの価格帯に届いたあと1,814円まで売られて長い下ヒゲを残しており、ここを抜けられるかが目先の焦点です。
上昇の土台は整っています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しています。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+1%台の切り上がり、±1σ幅はほぼ横ばいで、帯は同じ幅を保ったまま緩やかに水準を上げています。終値は+1σと+2σのあいだにあります。安値は15日の1,738円から本日の1,851円まで水準を上げてきましたが、28日に大きく下げた日を挟んでおり、一本調子の切り上がりではありません。RSI14は61前後と過熱感は無く、信用買残は出来高25日平均の1日分程度、貸借倍率は2倍台です。平均値幅率も2%台と値動きは落ち着いています。ただ1日の出来高が10万株前後の銘柄で、少ない商いで値が飛びやすい点は頭に置いておきたいところです。
上場来高値へ向かう動きが続くとみられるのは、28日の高値1,931円を終値で上抜け、帯の中心線の切り上がりが続く場合です。そのうえで上場来高値1,949円を更新すれば、2006年以来の節目を越えたことになります。下値では、5日線と+1σが並ぶ1,890円付近を終値で保てるかが目先の見どころです。28日の安値1,814円と25日線が重なる1,810〜1,840円のゾーンまで下げる展開になれば、9月中旬からの上げの支えを失い、上場来高値をうかがう見立ては仕切り直しとなります。
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