本日の相場概況
前日の米国市場は3指数がそろって続落しました。NYダウは316.56ドル安の52,064.10ドルで-0.60%、S&P500は44.66ポイント安の7,591.70で-0.58%、NASDAQ100は318.04ポイント安の29,103.51で-1.08%です。サウジアラビアの8月の原油生産が大きく落ち込んだと伝わって原油価格が続伸し、生産者物価指数の伸びの加速も重なって長期金利が一段と上昇しました。
東京市場にはさらに中東の緊迫が加わりました。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海に面した要衝モカを制圧したと伝わり、ニューヨーク原油先物は日本時間11日朝に一時1バレル104ドル台半ばと、5月中旬以来の高値をつけています。国内の長期金利も節目の3%まで上昇する場面がありました。日経平均は前日終値を994円下回る64,276円で寄り付くと、値がさの半導体株を中心に売られ、前場には2,062円安の63,208円まで下げ幅を広げています。後場は下げ幅を縮めたものの戻りは鈍く、終値は1,259円安の64,011円、-1.93%の反落で、8月4日以来およそ1か月ぶりの安値水準です。押し下げ要因の首位はアドバンテストの約531円分で、ソフトバンクグループと合わせた2銘柄で約748円分と、下げ幅の6割近くを占めました。
TOPIXは26.28ポイント安の4,028.30、-0.65%にとどまり、始値の3,998.58から切り返して高値に近い水準で引けています。ただし裾野も崩れています。東証プライムの値上がりは509銘柄、値下がりは986銘柄で全体の63%を占め、前日の723・783から値下がりが大きく増えました。売買代金は8兆7,129億円で、前日から3,300億円ほど増えています。上げたのは保険業、海運業、輸送用機器、下げたのは非鉄金属、電気機器、石油・石炭製品です。指数の押し上げ要因には京セラ、コナミグループ、KDDI、東京海上ホールディングスが並びました。グロース250は14.31ポイント安の767.93、-1.83%と、日経平均に近い下げ率です。原油高と金利高を嫌った売りが、半導体を軸に指数を押し下げたリスクオフの一日でした。
上場来高値を更新した銘柄は15に増えました。前日は13銘柄です。うち7銘柄を銀行業が占め、秋田銀行、山形銀行、岩手銀行、北日本銀行の4行は前日に続いての顔ぶれで、そこへ富山第一銀行、福井銀行、プロクレアホールディングスが加わりました。上昇率の首位も福井銀行の+4.92%、次いで富山第一銀行の+3.59%です。国内の長期金利が3%に届いた日に、地方銀行の上場来高値更新は東北から北陸へと広がりました。残る8銘柄は、卸売業のトーメンデバイス、アイスコ、サンワテクノス、食料品の昭和産業と日清オイリオグループ、情報・通信業のソフトバンクと沖縄セルラー電話、倉庫・運輸関連業の安田倉庫です。時価総額1兆円を超えたのはソフトバンクの11.81兆円だけで、残りは中小型でした。15銘柄のうち前日比マイナスで引けたのはトーメンデバイスの1銘柄だけです。指数が2,000円を超える下げ幅を記録した日にも、高値を更新した側では金利上昇の恩恵を受けやすい銀行と、景気の振れに左右されにくい食料品・通信に買いが残りました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
日清オイリオグループ(2602)
日経平均が1,259円下げた日に、前日比+0.87%の2,097円で引け、上場来高値を2,109円へ塗り替えました。前日終値を下回って始まったものの、前場は時間を追うごとに水準を切り上げ、後場に入った時間帯に高値をつけています。その後はやや伸び悩みましたが、実体の厚い陽線で、出来高は25日平均の1.73倍に膨らみました。同じ食料品では昭和産業も上場来高値を更新しており、半導体株を中心に売られた地合いのなかで、内需の食品株へ資金が向かったとみられます。7月21日に更新間近として取り上げたときは、3月につけた上場来高値2,070円まで5%程度の距離があり、この節目を明確に上抜けるには出来高を伴う一段の買いが必要と書いていました。その2,070円はすでに上抜け、本日は商いの膨らみを伴って記録を更新しています。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値更新は本日で17回目と、更新を重ねてきた常連です。本日の高値は9月3日につけた前回の上場来高値をわずかに上回った水準で、重い節目を跳ね返したというより、途切れずに記録を塗り替えていくテンポのほうにこの銘柄の強さがあります。9月3日の更新のあとは8日に2,021円まで押しましたが、その後は8日の安値を下回ることなく持ち直し、6営業日で再び上場来高値に届いています。
ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+2%台の切り上がりを続ける一方、±1σ幅は5日前の6割ほどに縮んでいます。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表は三役好転が成立しており、並びの整った銘柄の帯の収縮は、方向感を失ったのではなく上昇途中の小休止と読めます。30分ごとの商いは、高値をつけた後場寄りの時間帯がこの日で最も多く、上場来高値の更新そのものに売買が集まりました。終値は+1σの2,085円付近を上回り、+2σの2,135円付近の手前にあります。7月の取り上げ時に70台前半だったRSI14は、本日は64前後です。25日線乖離率も+2%台、平均値幅率は1%台と、過熱の数字に頼らない穏やかな上げ方で上場来高値を更新しました。信用買残は出来高25日平均の0.3日分と軽く、貸借倍率は7倍台です。
上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+1σの2,085円付近を保てるかどうかです。その下には5日線と25日線、9月8日の安値が2,020〜2,070円のゾーンに集まっており、ここを終値で割り込めば9月に入ってからの価格帯の切り上がりはいったん途切れます。7月に下値の目安として挙げた1,900〜1,920円には、いまは75日線と一目均衡表の雲の上端が重なっています。そこまで沈む展開は、上昇の流れそのものの見直しを意味します。
ソフトバンク(9434)
昨年8月19日以来、およそ1年ぶりの上場来高値更新です。高値は248.1円。指数の押し下げ要因の2位に親会社のソフトバンクグループが入った日に、通信子会社の株価は前日比+1.52%の246.9円で引けました。前場は小動きでしたが、後場に入った時間帯に商いが膨らんで一段高となり、その後に高値をつけています。30分ごとの商いも、後場寄りの時間帯が前場の寄り付き直後に並ぶ規模に膨らみました。引けにかけてやや押したものの実体の厚い陽線で、出来高は25日平均の1.58倍でした。同じ通信ではKDDIが指数の押し上げ要因に名を連ね、沖縄セルラー電話も上場来高値を更新しており、半導体株が売られた日に通信株へ資金が向かった流れのなかにありました。
ここに注目!: 8月18日に更新間近として取り上げたときは、上場来高値まで6%ほどの距離があり、238円台にあった+2σを終値で上抜けられるかを分かれ目に挙げていました。出来高も25日平均の0.79倍で、買い上がる商いは入っていない状態でした。本日は終値で245円台半ばの+2σを上回り、商いも平均の1.5倍を超えています。前回の分かれ目と、そのとき欠けていた商いの裏付けが、上場来高値の更新とそろって整った形です。継続の目安とした231〜233円台の支持帯も、直近10営業日の範囲では安値が236円台までにとどまり、割り込んでいません。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+1%台の切り上がりを続け、±1σ幅はほぼ横ばいです。株価は本日、終値で+2σを上回り、+2σと+3σのあいだで引けました。直近は+2σの内側で引けていた終値が、本日はその外側へ出た形です。25日線乖離率は+4%台、RSI14は68前後、平均値幅率は1%台と、数字の上では過熱と呼ぶ段階ではありません。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しています。
1年の空白をはさんだ更新で、常連の更新とは意味が違います。上値の重さを跳ね返したばかりで、更新を続けられるかの実績はこれからです。実際、終値246.9円は1年前につけた前回の上場来高値をわずかに下回る位置にあり、ザラ場での更新を終値で確定するところまでは届いていません。信用買残は2,700万株を超えますが、出来高25日平均の0.4日分と日々の商いで回る量で、貸借倍率は8倍台です。
上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+2σ付近を保てるかどうかです。前回の上場来高値を終値で上回って引ければ、今回の更新が確定します。下値の支持帯は、5日線と+1σ、一目均衡表の転換線が並ぶ241〜242円から、9月8日の押し安値と25日線、基準線が重なる236円台までのゾーンです。ここを終値で下に抜けると、本日の上放れはいったん途切れます。75日線と雲の上端が並ぶ223〜225円のゾーンまで沈むようだと、8月に入ってからの水準の切り上がりそのものを見直す場面です。
信用取引は格安手数料の楽天証券
松井証券の魅力、まずはお試しください。
![]()
気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
豊和工業(6203)
この5営業日で、株価は1,512円から2,844円へ9割近く上昇しました。発端は7日の11時に開示した、産業用ドローンを手掛けるプロドローン(名古屋市)との連携強化です。同社の第三者割当増資を引き受け、豊和工業の敷地内にプロドローンの量産工場を設けるもので、迎撃用ドローンの共同開発も進めます。自衛隊が採用する小銃を製造する同社の株価は、この日ストップ高で引けました。本日は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海の要衝モカを制圧したと伝わるなど中東情勢の緊迫を背景に、中小型の防衛関連株へ短期資金が向かい、同社も再びストップ高です。10時台の時間帯に制限値幅の上限2,844円へ達し、後場に一時2,769円まで押す場面を挟みながら、その値段で引けました。大陽線の高値引けで、出来高は25日平均の4.41倍です。
ここに注目!: 本日のストップ高の値段2,844円は、2017年10月につけた上場来高値2,876円まであと1%あまり、わずか32円手前でした。制限値幅の上限が節目の手前にあったため、本日の値動きでは届かない位置でした。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の6.7倍に広がり、中心線も5日前比で+11%台と、価格帯そのものが1週間で大きく持ち上がっています。株価は+3σの2,700円付近をも上回りました。25日線乖離率は+71%台、RSI14は90前後と、数字はいずれも極端な水準です。ただ崩れの兆しはまだ見えません。9日には2,594円まで買われたあと2,140円まで押し戻される長い上ヒゲを残しましたが、本日はその高値を大きく上回って引けています。日々の安値も8日の1,973円から、9日の2,007円、10日の2,224円、本日の2,235円と4営業日続けて切り上がり、押しても買われる位置が高くなっています。一方で平均値幅率は6%台、1日の平均値幅は200円近くと、値動きの荒さは際立っています。短期資金が集まった銘柄は、手掛かりが途切れたときの値下がりも速くなりがちで、9日の上ヒゲはその振れ幅を示す一例です。
上昇が続くと見るうえでの目安は、本日上抜けた9日の高値2,594円の上で推移し、押し安値の切り上がりが続くかどうかです。5日線と10日・本日の安値が集まる2,220〜2,280円のゾーンを終値で割り込むと、今回の急騰はいったん仕切り直しとなります。さらに8日と9日の安値が並ぶ1,970〜2,010円のゾーンまで下げる場合は、急騰そのものの見直しが必要になる水準です。
アクシアル リテイリング(8255)
値下がり銘柄が6割を超えた日に、新潟県と群馬県を中心にスーパーマーケットを展開する同社は+3.06%の1,312円で引けました。前場は小動きでしたが、後場に入った時間帯に商いが前場の数倍に膨らみ、一気に1,310円台へ水準を上げています。その後も後場は30分ごとに前場を上回る商いが続き、1日の売買の大半が後場に集中しました。高値は1,315円。実体の厚い陽線で、出来高は25日平均の1.62倍でした。2021年1月12日につけた上場来高値1,335円まで、終値で2%弱の距離です。
ここに注目!: 8月31日以降の株価は、安値1,256円、高値1,311円の範囲を行き来し、終値は1,268〜1,292円に収まっていました。本日の終値はこの範囲の上限をわずかに上回っており、後場の商いの膨らみを伴って箱の外へ出た形です。ボリンジャーバンドの±1σ幅はほぼ横ばいで、中心線は5日前比で+1%程度の切り上がりです。帯が細いまま少しずつ持ち上がる、ゆるやかな上昇の形が続いています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表は三役好転が成立しており、上昇の土台は整っています。25日線乖離率は+4%台、RSI14は65前後、平均値幅率は1%台と、どの数字にも無理がありません。上昇の勢いを裏付けているのは、節目を前にした本日の商いの膨らみです。
2021年1月に記録した1,335円が5年8か月にわたって上値の節目として残ってきました。そこへ向かう場面で需給は売り長です。貸借倍率が1倍を割り込み、売残が買残を上回っています。ただ売残も出来高25日平均の1日分に満たない量で、買残は0.1日分とごくわずかです。売り方の買い戻しが出ても量は限られ、信用の需給は上値の重しにも追い風にもなりにくい状態です。
上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+1σの1,290円付近を保ち、本日抜けた箱の上限より上で推移できるかどうかです。5日線と一目均衡表の転換線もその近くにあります。反対に、25日線と箱の下限が重なる1,255〜1,265円のゾーンを終値で割り込むようだと、8月31日以降の値幅を下に抜け、帯が細いまま切り上がってきた流れはいったん途切れます。さらに1,170円台に並ぶ75日線と200日線まで沈むようだと、ゆるやかな上昇の土台そのものを見直す場面です。
個別投資をプロに任せる!投資信託で資産形成 ひふみ投信【PR】
![]()
預金でも株でもない、安定資産という新しい選択肢 安心の三井物産グループ運営【PR】
![]()


