本日の相場概況
米国市場が7日のレイバーデーで休場となり、海外からの手掛かりを欠いたまま始まった一日でした。日経平均は前日終値を556円下回る65,843円で寄り付いたあと、いったん66,791円まで買い戻される場面がありましたが、そこからは戻り売りに押され続け、終値は1,130円安の65,269円、-1.70%と3日ぶりの反落です。安値引けで、日中の値幅は1,522円ありました。TOPIXも75.47ポイント安の4,050.33、-1.83%と安値引けとなっています。指数を押し下げたのは東京エレクトロンとアドバンテストで、この2銘柄だけで約349円分の下押し要因になりました。前日は半導体株を中心に指数が1,378円上げたばかりで、その巻き戻しが一日で出た形です。もうひとつの重しは為替でした。外国為替市場で円相場が一時1ドル=152円台まで買われ、業種別では輸送用機器、電気機器、ガラス・土石製品が下落しています。上げたのは情報・通信業、石油・石炭製品、鉱業です。円高で採算が削られる輸出関連が売られ、原材料を輸入に頼る資源・エネルギーが買われるという、為替に素直な入れ替わりが起きました。
中身は指数の見た目以上に重いものです。東証プライムの値上がりは362銘柄にとどまり、値下がりは1,158銘柄と全体の74%を占めました。前日は値上がり633・値下がり885でしたから、下げの広がりは一段と増しています。売買代金は8兆4,774億円で、前日の8兆377億円から4,400億円ほど増えました。商いが膨らみながら安値引けで終えたのは、戻り待ちの売りが引けまで途切れなかったためです。その一方でグロース250は4.55ポイント安の787.06、-0.57%と下げ渋りました。日中の高値798.34から押し戻されたとはいえ、終値787.06は安値785.55より上にあり、日経平均やTOPIXのような安値引けにはなっていません。売られたのは指数を構成する大型株が中心で、中小型株の一角には資金が残っています。もっとも値下がり銘柄は7割を超えており、資金の移動と同時に下げの裾野も広がりました。この日の東京市場は、外部から新しい材料が持ち込まれたわけではなく、前日に買われた値がさ株が売り直され、その裏で為替に反応した資金が業種をまたいで移った一日でした。
上場来高値を更新した銘柄は14に減りました。前日は28銘柄です。最も多かったのは銀行業の3銘柄で、プロクレアホールディングス、八十二銀行、福井銀行が並びます。次いで卸売業と電気機器が2銘柄ずつ。時価総額1兆円を超えたのは伊藤忠商事の15.92兆円と八十二銀行の1.24兆円の2社だけで、残りはすべて中小型です。上昇率の首位はオンコリスバイオファーマの+10.10%、次いで萩原工業の+5.10%、大伸化学の+5.04%でした。目を引くのは、14銘柄のうち9銘柄が前日比マイナスで引けたことです。前日は28銘柄中4銘柄にとどまっていました。日本タングステンの-6.55%、ミナトホールディングスの-6.05%と、ザラ場でつけた高値から大きく崩れたものも出ています。高値を更新した側でも引けまで買いが続かなくなり、地合いの重さは物色の先端まで及びました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
萩原工業(7856)
7日の取引終了後に、材料が3つ重なって出ました。第3四半期累計決算は大幅な増益で着地し、通期計画に対する進捗も順調です。あわせて、2026年10月期を最後に廃止する予定だった株主優待について、方針を変更して継続すると発表しました。さらに16時には、日本政策投資銀行との資本業務提携と、同行を割当先とする第三者割当による自己株式の処分を開示しています。翌営業日の本日は寄り付きから買いが集中し、前日終値を170円上回る2,071円で始まると、そのまま2,110円まで駆け上がりました。2017年12月20日につけた2,099円をわずかに上回り、8年8か月ぶりの上場来高値更新です。もっとも高値をつけたのは寄り付き直後の時間帯で、その後は1,950円まで押し戻され、終値は97円高の1,998円。始値を下回る陰線で引けています。出来高は25日平均の8倍を超え、普段の商いとは桁が違いました。
ここに注目!: 終値1,998円は、ボリンジャーバンドの+2σにあたる1,970円付近を上回る水準です。ザラ場では+3σの2,020円付近をも超え、押し戻された場面では+2σを一時下回りましたが、終値では帯の外側に踏みとどまりました。上放れそのものは確定しています。帯の位置は5日前比で1%台の切り上がり、±1σ幅もほぼ横ばいですが、これは直前の5営業日が1,870〜1,910円という狭いレンジだったためで、帯が本日の急伸をまだ織り込んでいないだけです。勢いの裏付けは出来高のほうにあり、25日平均の8倍を超える商いは、8年8か月ぶりの更新に十分すぎる厚みでした。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立し、株価は雲の上にあります。土台の形は決算前からすでに整っていました。
直近1年の上場来高値更新はこれが1回目です。更新を重ねてきた常連ではなく、長く上値を抑えてきた水準をようやく上回ったばかりですから、更新を続けられるかどうかの実績はこれから積むことになります。25日線乖離率は+7%台、RSI14は71台と数値そのものは伸びていますが、平均値幅率は2%台で値動きが荒いわけではありません。信用需給も貸借倍率が1倍台、買残は出来高25日平均の0.9日分と軽い水準です。一方で、日本政策投資銀行を割当先とする第三者割当による自己株式の処分もあわせて開示されており、同行が主要株主に加わる形になっています。継続の判断軸は、終値でボリンジャーバンドの+2σにあたる1,970円付近を保てるかどうかです。ここを保てているあいだは、本日の上放れは生きているとみられます。割り込んだ場合に控えるのが、本日開けた窓の下限と5日線が重なる1,900〜1,910円のゾーンです。終値でここを下回るようだと、決算と提携をきっかけとした上げは仕切り直しとなります。さらに25日線の1,870円付近まで沈む場合は、8年8か月ぶりの更新が一時的な飛び出しにとどまったことになります。
伊藤忠商事(8001)
3日に取り上げたときの継続条件は、終値でボリンジャーバンドの+2σにあたる2,200円付近を保てるかどうかでした。その後の3営業日、終値は一度も2,200円を下回らず、本日は高値2,296.5円まで買われて上場来高値を更新しています。2月27日につけた2,286.5円以来、およそ半年ぶりの更新です。日経平均が1,130円安と大きく崩れた日に、前日比+0.55%で引けた点は相対的な強さを示します。高値をつけたのは後場に入った直後の時間帯で、この日の商いもその時間帯に最も膨らみました。終値は高値から20円ほど下の水準にあり、上ヒゲの短い陽線です。出来高は25日平均の1倍台で、更新に伴う商いとしては控えめでした。
ここに注目!: 前回、土台の未完成な部分として挙げた移動平均線の並びは、本日も混在のままです。75日線は200日線をなお下回っており、長期のトレンド転換が確認しきれた状態ではありません。ここは3日から変わっていません。動いたのはボリンジャーバンドのほうで、±1σ幅は5日前の1.5倍まで拡張しました。3日時点ではやや広がった程度でしたから、上場来高値の更新に向けて帯そのものが広がりながら株価を押し上げた形です。帯の位置も5日前比で2%の切り上がりが続き、押し安値は8月末の2,090円台から本日の2,220円台まで水準を上げてきました。
直近1年の上場来高値更新は25回を数え、更新を重ねてきた常連です。前回更新したのは2月27日で、そこからおよそ半年の空白を経て本日その水準を上回りました。25日線乖離率は+8%台、RSI14は75台まで上昇していますが、株価が+2σの外側を歩いているあいだは、この数値だけで腰折れを見込む段階ではありません。平均値幅率も2%台で、時価総額15兆円規模の銘柄らしく日々の値幅は落ち着いています。需給は貸借倍率が4倍台。買残は出来高25日平均の0.3日分しかなく、上値で戻り待ちの売りが待ち構える形にはなっていません。継続の判断軸は、前回と同じく終値で+2σを保てるかどうかです。その+2σは3日時点の2,200円付近から本日は2,270円付近まで切り上がっており、条件そのものが株価に追随して上がってきました。ここを保てているあいだは、更新後も上昇は続いているとみられます。崩れの目安になるのは、5日線と本日の安値が重なる2,220円付近です。終値でここを下回るようだと、9月に入ってからの上げ足は一区切り。25日線の2,100円付近まで沈む場合は、上場来高値を更新した水準を維持できなかったことになります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
エクセディ(7278)
上場来高値6,290円に並んだのは9月1日でした。そこから水準を切り下げ、本日は始値6,070円がそのまま当日の高値、終値5,910円がそのまま当日の安値という、ヒゲのない大陰線です。終値は180円安の5,910円、-2.96%。9月2日から4日にかけて三度支えとなった6,120円は前日にすでに割り込んでおり、本日は一目均衡表の雲の上端6,000円付近も下抜けました。引けにかけても下値は切り下がっています。外国為替市場で円相場が1ドル=152円台まで買われ、業種別で輸送用機器が下落上位に並んだ日で、地合いの逆風をそのまま受けた格好です。出来高は25日平均の1倍台と平時を上回り、下げに商いが伴いました。
ここに注目!: 株価はボリンジャーバンドの-1σと-2σのあいだまで沈み、25日線乖離率は-3%台です。5日線・25日線・75日線をすべて下回り、まだ上回っているのは200日線だけという並びになりました。ただし帯の幅は5日前とほぼ変わらず、中心線の位置も横ばいです。帯が広がりながら下げているのではなく、25日線がほぼ水平のまま株価だけが帯の下側へ寄った形で、下降トレンドというより6,100円を中心としたレンジの下限を試している状態と見るのが自然です。RSI14は37台まで低下しました。平均値幅率は1%台で、日々の値幅そのものは大きくありません。
このカテゴリの主役である上場来高値6,290円までは、終値ベースで6%台の距離が残っています。直近1年で29回の更新を重ねてきた常連で、最後に更新したのは5月29日。そこから3か月あまり、この水準に届かない状態が続いています。9月1日に6,290円へ並んだところが、その空白のなかで最も近づいた場面でした。更新の頻度から見れば戻りの力を持っている銘柄ですが、いまはその力が確認できる位置まで戻していません。
まず見るべきは下げ止まりの水準です。直近10営業日のなかに本日の安値より下の押し安値がないため、目安になるのはボリンジャーバンドの-2σにあたる5,880円付近と、200日線の5,830円付近が重なる5,830〜5,880円のゾーンになります。現値からは1%あまり下で、下げが続けばすぐに試される距離です。ここで下げ止まれば、9月1日からの下押しは25日線を挟んだレンジ内の調整にとどまります。終値でこのゾーンを下回ると、200日線という長期の支えを失うことになり、上場来高値を意識できる位置まで戻すには相応の時間が必要になります。
上を向くための確認点は、まず一目均衡表の雲の上端6,000円付近を終値で回復できるかどうかです。ここを取り戻せているあいだは、レンジ内の押しという読み方が保てます。回復できなければ、25日線の6,110円付近はさらに遠くなります。信用需給は貸借倍率が2倍台、買残は出来高25日平均の0.5日分と軽く、戻りを妨げる重さは見当たりません。自己株式の取得も継続中で、株数が減る方向の動きが並行して進んでいます。
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