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【2026年7月号】上場来高値レビュー|7月に上場来高値を更新した242銘柄をデータで振り返る

実践ガイド

当ブログの上場来高値観測データベース(上場来高値DB)をもとに、2026年7月に上場来高値(ATH)を更新した銘柄を月次で振り返る定点観測シリーズです。観測期間・集計日は各号に明記します。数値は観測時点のものであり、更新後の値動きはその月の最終営業日の終値で締めています(実現リターンではない)点にご注意ください。

この記事は月次シリーズの第2号です。この号で振り返るのは2026年7月の上場来高値の更新で、更新件数・セクター・昇格銘柄・観測記録はすべて7月単月の集計です。ただし「間近リストからの昇格率」など一部の恒常指標だけは、7月単月ではなく観測開始(2026年1月30日)からの通期の数値である点を、その都度明記します。また、更新後の値動きはすべて「その月の最終営業日(2026年7月31日)の終値」で締めています。記事を書いた日の株価で締めると号ごとに基準がずれて比較できなくなるため、各号は対象月の中で完結させる方針です。

前月分は 【2026年6月号】上場来高値レビュー にまとめています。


2026年7月のサマリー(数字で振り返る)

  • 上場来高値の更新(延べ):926件(前月845件)
  • 上場来高値を更新したユニーク銘柄数:242銘柄(前月229銘柄)
  • 観測営業日数:22日/1営業日あたり平均:42.1件(前月38.4件)

7月でいちばん押さえておきたいのは、日経平均が下げた月なのに、上場来高値の更新はむしろ増えたという点です。日経平均は6月末の70,062円から7月末は64,362円(月間 −8.1%)、月内では終値ベースで初日の7月1日(70,475円)が最高値で、7月29日の61,434円まで−12.8%下げました。それでも上場来高値の更新は前月の845件から926件へ増えています。

指数が下がるなかで高値更新が増えたのは、指数を動かす大型株と、高値を更新している銘柄群が別だったからだと考えられます。実際、後述するようにこの月は牽引セクターが入れ替わりました。

もっとも、日ごとに見れば更新件数は地合いに素直に反応しています。日経平均が前日比 −4.03% と急落した7月17日は14件まで細って月内最少、逆に7月27日は79件で最多でした。上場来高値の更新件数が「相場の体温計」として機能することは、この月も変わりません。

上場来高値を「毎日の相場の体温計」として読む意味は 上場来高値を毎日チェックする意味 に、地合いの強弱の判断は 相場の強弱を判断する方法 にまとめています。


2026年7月に上場来高値の更新が多かったセクター TOP10

順位セクター上場来高値の更新件数(延べ)
1銀行業308
2卸売業89
3小売業73
4サービス業67
5情報・通信業61
6機械38
7食料品36
8その他金融業34
9パルプ・紙29
9保険業29

銀行業が308件と突出し、7月の高値更新の3分の1(33.3%)を1セクターで占めました。銀行業で上場来高値を更新したのは50銘柄なので、1銘柄あたり平均6.2回、つまり同じ顔ぶれが月内に何度も高値を更新し続けた格好です。更新回数が多かったのは阿波銀行(12回)、第四北越フィナンシャルグループ・宮崎銀行(各11回)、百十四銀行・群馬銀行・大分銀行・東邦銀行・三十三フィナンシャルグループ(各10回)と、地方銀行が並びます。その他金融業(34件)・保険業(29件)も上位に入り、金融セクター全体が7月の高値更新の中心でした。

前月からの入れ替わり:電気機器から銀行業へ

創刊号(6月号)で「電気機器(166件)が突出」と書いたばかりですが、7月はその電気機器が24件まで減り、TOP10圏外(12位)に落ちました。前月との差を並べると、主役の交代がはっきり見えます。

セクター6月(延べ)7月(延べ)増減
銀行業90308+218
卸売業4089+49
情報・通信業1761+44
サービス業3367+34
その他金融業634+28
精密機器424−38
ガラス・土石製品421−41
機械10238−64
化学8316−67
電気機器16624−142

半導体・AI関連を多く含む電気機器と、機械・化学といった景気敏感セクターが揃って減り、代わりに銀行・その他金融・保険が増えました。指数が下げるなかでも高値更新の総数が減らなかったのは、この入れ替わりがあったからと見るのが自然でしょう。1ヶ月という短い期間でも、高値を更新している場所がここまで動くことは記録しておく価値があります。

セクターの偏りは 上場来高値DB の「分析タブ>セクター分析」でいつでも確認できます。


「間近リスト」から上場来高値へ昇格した銘柄

当ブログは上場来高値の手前で張り付いた「間近」銘柄も観測しています。2026年7月に間近リストから上場来高値へ「昇格」したのは 69件、間近入りから上場来高値到達までの暦日は中央値22日でした。

ここは7月の地合いがはっきり出た数字です。観測開始からの通期では昇格までの暦日は中央値7日なので、7月は高値の一歩手前で足踏みした期間が通期の3倍あったことになります。指数が下げていた月に、高値更新の手前で時間がかかるのは自然な結果と言えます。

とはいえ、間近入りからわずか1日で上場来高値へ到達した銘柄もありました。

銘柄コード間近入り→上場来高値(暦日)
朝日工業社19751日
あいちフィナンシャルグループ73891日
トーホー81421日
JBCCホールディングス98891日
メディパルホールディングス74592日

「間近リストは本当に上場来高値を更新するのか?」——観測開始からの通期の昇格率(69%台)と昇格日数の分布は、フラッグシップの検証記事 上場来高値”間近”リストは本当に更新するのか にまとめています(数値は観測期間で変動します)。


2026年7月の観測記録:出来高・規模で目立った上場来高値の更新

⚠ 以下は観測記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。あくまで「7月にどんな上場来高値更新があったか」の事実の記録です。投資判断はご自身の責任で行ってください。

📅 数値の時点について:下表の「出来高25日平均比」「25日線乖離」「時価総額」は、いずれもその銘柄が2026年7月に上場来高値を更新した日時点の値です。いっぽう後半の「更新後の値動き」は、更新日の終値と2026年7月31日(7月の最終営業日)の終値を比べたものです。

出来高が急増していた更新 TOP5(特殊要因〔TOB・自社株の立会外買付等〕を除く/出来高25日平均比・25日線乖離はいずれも更新日時点。同じ銘柄を何度も載せないため、順位は各銘柄が「7月に初めて上場来高値を更新した日」の値で付けています

銘柄コードセクター出来高25日比25日線乖離更新日
丸八倉庫9313倉庫・運輸関連業20.49倍−0.8%7/10
MIRAINIホールディングス546A卸売業16.16倍23.7%7/1
ありがとうサービス3177小売業15.79倍16.4%7/14
令和アカウンティング・ホールディングス296Aサービス業13.93倍18.4%7/21
小田原機器7314輸送用機器10.64倍26.4%7/9

※ 実需以外の要因で出来高・株価が急変した銘柄は上表から除外しています。7月の主な該当例:ストレージ王〔2997〕=TOB(エリアリンクによる公開買付け・買付価格1,340円が2026年7月8日に公表され、株価はほぼ買付価格に貼り付いた=出来高25日平均比23.29倍は成長期待によるブレイクではない)、日本プロセス〔9651〕=自社株の立会外買付(ToSTNeT-3)(2026年7月7日の決算発表・増配と同時に発表され、翌8日に取得完了。出来高12.54倍には自社株買いの約定が機械的に含まれる)。

5社とも材料の出どころがはっきりしています。丸八倉庫は7月10日に業績の上方修正と増配、ありがとうサービスは7月14日に第1四半期の大幅増益、令和アカウンティング・ホールディングスは7月21日に第1四半期の増益と業務提携、小田原機器は7月9日にバスの「手ぶら決済」に関する協業と、いずれも開示の当日に出来高が跳ねました。MIRAINIホールディングスだけは、6月29日に発表された通期の上方修正への反応が翌々営業日の7月1日に出た形です。

なかでも丸八倉庫は「出来高20倍でも25日線乖離が−0.8%」という珍しい形でした。場中に上場来高値を付けたあと、終値は25日移動平均線とほぼ同じ水準まで押し戻され、前日比では−3.6%で引けています。出来高だけでは「本物のブレイク」と「その日のうちに売られた更新」を区別できないことを示す実例と言えるでしょう。出来高を伴うかどうかの読み方は 株の出来高の読み方株のベース・保ち合いからのブレイク を参照してください。25日線乖離が大きい銘柄(当DBの観測では20%超が全体の約2割、上位10%は28%前後)は短期的な過熱の可能性があり、利確タイミングの考え方 が判断材料になります。

時価総額が大きかった上場来高値の更新 TOP5(大型株の高値更新は地合いの強さの目安・時価総額は7月の更新日時点/「更新日」はその銘柄が7月に最初に上場来高値を更新した日

銘柄コードセクター時価総額更新日
三菱UFJフィナンシャル・グループ8306銀行業38兆8,600億円7/7
東京エレクトロン8035電気機器35兆8,400億円7/1
ファーストリテイリング9983小売業26兆6,700億円7/6
三井住友フィナンシャルグループ8316銀行業25兆9,200億円7/6
リクルートホールディングス6098サービス業16兆500億円7/1

5社とも初回の更新は7月第1週(7/1〜7/7)でした。ただし「第1週だけの更新だったか」は銘柄で大きく分かれます。7月中に上場来高値を更新した日数を数えると、東京エレクトロンは7月1日の1日だけだった一方、リクルートホールディングスは10日(7/1〜7/30)、三井住友フィナンシャルグループは7日、三菱UFJフィナンシャル・グループは6日(いずれも7月27日まで)と、指数が下げ続けた月の後半にも更新を重ねています。セクターの入れ替わりは、大型株の中でも起きていたことになります。


上場来高値を更新しても、その後は上がるとは限らない

上場来高値の更新は「強さ」のサインですが、更新したからといって、その後も上がり続けるとは限りません。7月に上場来高値を更新した242銘柄について、更新した日の終値と7月31日(7月の最終営業日)の終値を比べると、130銘柄(53.7%)が更新日の終値を下回って7月を終えました(騰落の中央値 −0.4%)。同じ基準で6月分を測ると44.5%(中央値 +0.3%)なので、7月に高値を更新した銘柄のほうが、その月のうちに押し戻された割合が高かったことになります。

とくに厳しいのが、日経平均が天井を打った7月1日に上場来高値を更新した大型株です。

銘柄コードセクター更新日終値→7/31
太陽誘電6976電気機器−54.9%
イビデン4062電気機器−35.4%
SCREENホールディングス7735電気機器−35.4%
KOKUSAI ELECTRIC6525電気機器−35.0%
東京エレクトロン8035電気機器−29.6%

7月に上場来高値を更新した銘柄のなかで時価総額2位の東京エレクトロンでさえ、更新日の終値から3割近いマイナスで月を終えました。「上場来高値を更新した」という事実だけでは、買った価格が高すぎたかどうかは判別できません

セクター単位で見ると、明暗はさらにはっきりします。7月に上場来高値を更新した電気機器16銘柄の月末までの騰落は中央値 −17.8%(プラスで終えたのは2銘柄のみ)だったのに対し、銀行業50銘柄は中央値 ±0.0%(50銘柄中25銘柄がプラス)でした。同じ「7月の上場来高値更新」でも、どのセクターで更新したかで結末がまるで違ったことになります。前半で見たセクターの入れ替わりは、更新後の値動きにもそのまま表れていました。

だからこそ、上場来高値を更新した銘柄をそのまま持ち続けるのではなく、利確タイミングの考え方 や損切りルールをあらかじめ決めておくことが重要になります。当ブログの通期観測(2026年1月30日〜8月4日)でも、初回の上場来高値更新時の終値から見た現在値は中央値 −2.2%/マイナス率 54.9%と、マイナス圏に沈みがちです。高値を更新した銘柄がその後どうなったかを長期で追った実例は、大化け株カルテ:SUBARU(7270) のような個別の検証記事にまとめています。


この観測記録の読み方(毎月共通)

  • 上場来高値の更新件数は「相場の体温計」。件数が膨らむ日は地合いが強く、しぼむ日は物色が細っています(7月は7/17=14件、7/27=79件がその好例)。
  • ただし月単位では、指数と更新件数は必ずしも同じ方向を向かない。7月は日経平均が月間 −8.1% でも更新件数は前月比で増えました。どこが更新しているか(セクター)まで見て初めて意味が読めるということです。
  • 「間近→上場来高値」の昇格率は通期で69%台(観測期間で変動)。ただし昇格までの日数は地合いで伸び縮みします(通期の中央値7日に対し、7月に昇格した分は中央値22日)。
  • 上場来高値の更新時の25日線乖離は中央値11.0%(観測期間で変動)。上位10%はおおむね28%前後で、この水準は短期の過熱ゾーンの目安です。
  • 更新=天井づかみを避ける仕組みが要る。7月の更新242銘柄のうち53.7%が、その月の最終営業日には更新日の終値を下回っていました(6月分は44.5%)。利確・損切りのルールをあらかじめ持っておく意味があると言えそうです。
  • 更新後の値動きは「その月の最終営業日の終値」で締めます。記事を書いた日の株価で締めると号ごとに基準がずれるためで、各号は対象月の中で完結させています。したがって数字はその銘柄を月末まで持っていた場合の値動きであり、実現リターンでも、月末以降の値動きを示すものでもありません。

上場来高値を自分で追うには

7月の更新銘柄は 上場来高値DB の「一覧タブ」で、出来高比・ベース乖離・PER/PBRなど多軸で絞り込めます。スクリーニングの手順は 上場来高値スクリーニング方法 に、証券会社ごとの操作は 松井証券のスクリーニング機能 の解説にまとめました。

新高値投資をこれから始める方は、まず全体像を 新高値投資とは?初心者向け入門新高値投資の5ステップロードマップ で押さえてください。証券会社・ツール選びは 新高値投資におすすめの証券会社 が参考になります。


まとめ

2026年7月は上場来高値の更新が延べ926件(ユニーク242銘柄)と、日経平均が月間 −8.1% と下げたにもかかわらず前月(845件)を上回りました。牽引役は前月まで突出していた電気機器(166→24件)から銀行業(90→308件)へ交代し、地方銀行が月内に何度も高値を更新し続けたのが7月の姿です。いっぽうで、指数が天井を打った7月1日に高値を更新した電気機器の大型株は月末までに3〜5割のマイナスに沈み、更新242銘柄の53.7%が月末には更新日の終値を下回っていました(電気機器16銘柄の中央値 −17.8% に対し、銀行業50銘柄は ±0.0%)。「上場来高値の更新が増えている=相場が強い」とは限らず、どこが更新しているかまで見る必要がある——それがこの月の記録です。来月号も同じ視点で振り返ります。

過去の月次レビューと検証記事もあわせてどうぞ:

本記事は当ブログの観測データにもとづく情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。株価データは外部サービスから取得した公開データを用いています。

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