本日の相場概況
前日の米国市場は3指数がそろって下落しました。NYダウは-0.51%の53,459.78ドル、S&P500は-0.52%の7,745.06、NASDAQ100は-0.17%の29,995.38です。東京市場はこの下げを何倍にも膨らませました。日経平均は68,847円で寄り付いて69,093円まで買われる場面もありましたが、そこから崩れて67,368円まで売られ、終値は1,759円安の67,460円、-2.54%で6日ぶりの反落です。
売りの引き金は二つ重なりました。一つは中東情勢で、米国はイランとの覚書の延長を求めていないとトランプ大統領が述べたと伝わり、17日の米原油先物が上昇しています。和平協議の行き詰まりが改めて意識されました。もう一つは国内の長期金利で、一時2.945%と30年ぶりの高さまで上昇しました。金利の上昇は株式の相対的な割高感につながり、なかでも半導体関連が売られています。アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで、日経平均を836円ほど押し下げました。
もっとも、市場全体が同じ方向を向いたわけではありません。TOPIXは43.89ポイント安の4,140.22で-1.05%、グロース250は5.27ポイント安の758.19で-0.69%と、下げ幅は日経平均に及びません。東証プライムの値上がりは722銘柄、値下がりは783銘柄で全体の50.3%と、ほぼ半々です。売買代金は10兆1,564億円と前日から1兆2,000億円あまり増えました。指数の下げ幅の大きさに比べて、下げた銘柄の広がりはずいぶん限られています。
上場来高値を更新したのは78銘柄で、前日の62銘柄から16銘柄増えました。中身は銀行業への一極集中です。38銘柄と全体の半分近くを占め、前日の10銘柄から一気に膨らみました。13日から14日にかけての集中買いが17日にいったん途切れていたところへ、長期金利の上昇が改めて資金を呼び戻した形です。佐賀銀行が+4.81%、名古屋銀行が+4.12%、愛媛銀行が+4.08%と、地方銀行が上昇率でも上位に食い込みました。
次に多いのは卸売業の12銘柄で、7月31日から続く商社系・電子部品商社への物色も残っています。三谷商事が+6.35%、神鋼商事が+3.31%と上げた一方、トーメンデバイスは-5.68%、シンデン・ハイテックスは-3.46%と、こちらは銘柄ごとの強弱がはっきり分かれました。規模の面では時価総額1兆円を超える銘柄が11社あり、うち8社が銀行です。残るは原油高を追い風にした日本郵船の+4.53%と川崎汽船の+2.25%、それに前日の決算評価で急伸した朝日インテックが-0.07%とほぼ横ばいで並びました。業種別でも海運業・鉱業・石油石炭製品が上昇し、電気機器が下落しています。
78銘柄のうち前日比マイナスで引けたのは13銘柄、およそ6銘柄に1銘柄です。前日は62銘柄中21銘柄でしたから、割合はむしろ軽くなりました。日経平均が1,700円を超えて下げた日に、高値を更新した銘柄の大半が上昇したまま終えたことになります。金利上昇と原油高という同じ二つの材料が、値嵩のハイテク株を売り、銀行と海運を買う向きに働いた一日でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
サンコール(5985)
昨日の記事で、3月12日につけた2,415円まであと2%あまりと書いたばかりでした。本日はその水準を寄り付き後まもなく上回り、いったん値を消す場面を挟んで後場に買い直されると、13時30分からの30分で2,482円まで伸ばして上場来高値を更新しています。3月12日以来、およそ5ヶ月ぶりの更新です。終値は76円高の2,434円、+3.22%。業種別で金属製品が下落した日に、逆を向いて上げました。8月7日の取引終了後に2027年3月期の業績予想を減益から増益へ引き上げ、配当の増額もあわせて開示して以降、10日のストップ高から続く上昇はまだ途切れていません。出来高は25日平均の1.75倍です。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの帯は5日前比で+10%の切り上がり、±1σ幅も5日前の2.5倍まで広がりました。株価が飛んだだけでなく、価格帯そのものが日を追って持ち上がっています。押し安値の切り上がりも続いており、12日の1,830円から13日、14日、17日と一段ずつ高くなって、本日の2,335円がその一番上に並びました。上場来高値の更新はこの1年で12回目ですが、直前の更新は3月です。毎日のように高値を塗り替える常連ではなく、5ヶ月かけて上値の重さを跳ね返したばかりの段階と見るのが正確でしょう。土台の若さもそこに表れています。一目均衡表は雲の上で三役好転が成立している一方、移動平均線の並びは混在で、25日線がなお75日線を下回ったままです。25日線乖離率は+61%台、RSI14は79台と数字は際立ちますが、帯が切り上がり、押し安値も切り上がっているうちは崩れの兆しとは言えません。需給に重さもなく、貸借倍率は5倍台、信用買残は出来高25日平均の1.4日分にとどまります。継続の目安は、終値で2,270円付近の+2σを保ちながら押し安値を切り上げ続けられるかどうかです。17日の安値2,102円を終値で割り込むようだと、10日から続いてきた切り上がりはいったん止まります。ただし平均値幅率は7%台に達しており、一日で7%前後動くことが前提の値動きである点は忘れられません。12日に開けた窓の下限1,750円は現値から28%も下にあり、ここまで戻る展開は押し目ではなく、上方修正を評価した買いそのものが巻き戻される場面です。
セイノーホールディングス(9076)
2,800円手前で頭を抑えられる日が4営業日続いていましたが、本日はその上限を終値で抜けました。日経平均が1,700円を超えて下げるなか、2,799円で寄り付いてから少し下げることはありましたが、その後は一貫して水準を切り上げ、2,827円で高値引けとなりました。前日比は28円高の+1.00%で、前日に続いて2営業日連続の上場来高値更新です。持ち合いの起点は8月6日の取引終了後に開示された上期の業績予想の引き上げで、最高益の見通しを上乗せした翌7日に大きく水準を切り上げて以降、上値が揃っていました。5月27日にこの銘柄を取り上げたときは25日線が75日線を上抜ければより強い形になると書きましたが、その並びはすでに実現し、本日は5日線から200日線まで上から順に並んでいます。
ここに注目!: 終値2,827円は、2,830円付近の+2σにあと一歩まで届く位置です。高値で引けたことで、株価は帯の上端を押し上げる格好で一日を終えました。ただし出来高は25日平均の0.84倍にとどまっており、持ち合いを抜けた日としては商いの裏付けが薄い点は差し引いて見る必要があります。上昇の速度そのものも派手ではありません。±1σ幅は5日前の1.5倍へ広がった一方、帯の位置は5日前からわずかに切り上がる程度です。むしろこの銘柄の強みは構造の側にあります。移動平均線はパーフェクトオーダーを保ち、押し安値も14日の2,753円、17日の2,772.5円、本日の2,785.5円と一段ずつ高くなりました。一目均衡表は雲の上にありながら、転換線と基準線が2,684円台で並んだままで三役好転は成立していません。ここが入れ替われば土台はひと段階整います。25日線乖離率は+4%台、RSI14は66前後と、上場来高値を更新した銘柄としては過熱感の乏しい水準です。平均値幅率も2%台と落ち着いており、信用買残は出来高25日平均の0.3日分と極めて軽く、上値を抑える需給要因は見当たりません。上昇が続いているとみられる状態は、パーフェクトオーダーの並びが崩れないことに加えて、2,684円台で並んだままの転換線と基準線が上下入れ替わってくるかどうかで測れます。ここが動けば三役好転が成立し、本日抜けた持ち合いの意味も一段はっきりします。反対に14日の安値2,753円を終値で割り込むと押し安値の切り上がりは止まり、2,700円付近の25日線まで戻す展開になれば、8月6日の上方修正を評価した上昇はいったん仕切り直しです。
日本郵船(9101)
4月に取り上げたときは、中東の停戦合意で運賃上昇の思惑が消え、材料出尽くしから6,000円を割り込む場面もありました。本日は同じ材料が正反対の向きに働きました。米国がイランとの覚書の延長を求めていないと伝わって原油先物が上昇し、業種別でも海運業や石油石炭製品に買いが向かっています。運賃上昇の思惑が改めて意識されたとみられます。直接の手掛かりとなったのは国内証券の評価で、投資判断と目標株価をそろって引き上げ、米国向けのコンテナ荷動きが下期も底堅く推移するとの見方を示しました。北欧の海運大手が前週に好決算を発表して以降、海運株全体に資金が向かう流れも続いていました。株価は6,797円まで買われて上場来高値を更新し、前日に続いて2営業日連続の更新です。終値は294円高の6,784円、+4.53%とほぼ高値引けで、出来高は25日平均の1.58倍まで膨らみました。
ここに注目!: ±1σ幅は5日前とほぼ変わらず横ばいですが、帯の位置は5日前比で+3%台の切り上がりです。ボラティリティを高めずに価格帯だけが上がっている状態で、急騰というより持ち上げに近い上げ方といえます。この形は続きやすく、押し安値も12日の6,111円から17日の6,401円、本日の6,495円まで日を追って高くなりました。上場来高値の更新はこの1年で15回目と、更新を重ねてきた実績もあります。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しており、この並びと三役好転が崩れないかぎり上昇の土台は有効です。25日線乖離率は+13%台、RSI14は77台と過熱を示す水準ですが、平均値幅率は2%台と値動き自体は荒くなく、数字だけで腰折れを見込む段階ではありません。需給も軽く、貸借倍率は1倍台とほぼ均衡し、信用買残は出来高25日平均の0.4日分です。当面の見どころは、終値で6,630円付近の+2σを保てるかどうか。下値では6,400円付近に5日線と17日の安値が重なっており、ここを終値で割り込むと切り上がりの流れはいったん止まります。もう一つ、値動きよりも材料そのものに注意が要ります。4月がそうだったように、この銘柄を動かしている中東情勢は一夜で先行きが変わりえます。和平協議の進展が伝わる場面では、原油と運賃の思惑が同時に外れる形になりやすい点は念頭に置いておきたいところです。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ソフトバンク(9434)
日経平均が1,759円下げた日に、下げ幅は0.38%でした。寄り付きは231.5円と前日終値から1%あまり下に開き、230.9円まで売られています。そこからは買い戻しが優勢となり、後場寄りの30分で236.2円まで上げると、234.0円で引けました。前日比は-0.38%。金利上昇で半導体関連が総崩れとなる一方、指数の押し上げ寄与で上位に立ったのはKDDIで、医薬品や商社とともにディフェンシブ色の強い銘柄に資金が向かっています。この銘柄もその流れのなかにあったとみられます。昨年8月19日に記録した上場来高値247.9円まで、6%ほどの距離です。8月4日に開示した第1四半期決算が市場予想を上回り、翌5日にクラウドとAI分野の高い成長見通しが示されたことも、8月に入ってからの水準切り上げを支えています。
ここに注目!: 移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しており、上昇の土台は整っています。帯の位置は5日前比で+1%台の切り上がりを続ける一方、±1σ幅はわずかに縮みました。中心線が切り上がり、並びも整った銘柄の帯の収縮は、方向感の定まらないコイルではなく上昇途中の小休止です。238円台の+2σを終値で上抜けられるかどうかが、上場来高値へ向かう動きが本格化するかの分かれ目になります。もっとも本日の出来高は25日平均の0.79倍で、指数が大きく崩れた日に売り込まれなかったという事実はあっても、買い上がる商いが入ったわけではありません。25日線乖離率は+3%台、RSI14は61台と、この上げ方に無理はまだ見当たらない水準です。信用買残は2,800万株を超えますが、出来高25日平均の0.3日分にすぎず、日々の商いのなかで回っています。貸借倍率は8倍台です。継続の目安は、231円手前から233円台にかけての支持帯を終値で維持できているかどうか。下限は13日と本日につけた安値、上限は233.3円の5日線で、その間にボリンジャーバンドの+1σが挟まります。226円付近の25日線まで戻す展開になれば、8月に入ってからの水準切り上げは仕切り直しとなります。
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