本日の相場概況
前日の米国市場は方向がそろいませんでした。NYダウは+0.22%の53,463.05ドル、S&P500は+0.21%の7,707.98と小幅に上げた一方、NASDAQ100は-0.22%の29,426.02と下げています。指数の値幅そのものは小さいのですが、この日の主役は株式ではなく債券でした。米財務省が市場の流動性を支えるために長期国債の買い戻しを増額する方針を示し、前日まで19年ぶりの高さにあった米長期金利が急低下しています。
東京市場はこれを全面的に好感しました。日経平均は65,732円で寄り付き、安値は65,652円までにとどめて66,325円まで上げ幅を広げ、終値は890円高の66,216円、+1.36%で3日ぶりの反発です。19日に割り込んだ66,000円を1日で回復し、25日線の上へも戻しました。国内でも超長期ゾーンを中心に金利が大幅に低下しており、18日から19日にかけて株式を売らせた材料が、そのまま買い戻しの理由に変わっています。
上げは指数の一部にとどまりませんでした。TOPIXは47.42ポイント高の4,059.73で+1.18%、グロース250は34.70ポイント高の776.98で+4.67%の高値引けです。金利低下の恩恵が最も大きい新興市場が、指数のなかで突出して戻しました。東証プライムの値上がりは1,320銘柄、値下がりは204銘柄で全体の13.1%にとどまり、19日に74.2%が下げた日とは正反対の広がりです。ただし売買代金は8兆6,034億円と前日から1兆5,000億円あまり減り、17日以来の9兆円割れとなりました。売り込まれた分を買い戻す動きが主体で、新しい資金が積極的に入った日ではなさそうです。
上場来高値を更新したのは21銘柄で、前日の22銘柄とほとんど変わりません。値上がり銘柄が全体の8割を超えた全面高の日に、高値を更新した銘柄の数だけは前日並みにとどまりました。指数の戻りと新高値の広がりは別物です。中身も前日からの流れをそのまま引き継いでいます。最も多いのは食料品と小売業でそれぞれ4銘柄、あわせて全体の4割近くを占めました。昭和産業、日本甜菜製糖、やまみ、理研ビタミンと食品が並び、小売では大戸屋ホールディングス、サーラコーポレーション、ありがとうサービスが顔を出しています。金利低下でグロース株が買われた日にも、高値を更新する顔ぶれは内需寄りのままでした。次いでサービス業が3銘柄、パルプ・紙と機械、卸売業が各2銘柄と続きます。
規模はさらに小さくなりました。時価総額1兆円を超える銘柄は1社もありません。前日は3社、18日は11社あったのが、高値更新の主役は完全に中小型へ移っています。最大でもMTGの3,398億円で、次いでレイズネクストの1,682億円、ハピネットの1,628億円という並びです。上昇率では共和コーポレーションの+13.11%が最も高く、MTGの+9.37%、ハピネットの+8.05%、ノースサンドの+5.01%と、上位は個別の材料や需給で動いた銘柄が占めました。21銘柄のうち前日比マイナスで引けたのはサイプレス・ホールディングスとサーラコーポレーションの2銘柄だけです。前日は22銘柄中10銘柄でしたから、ザラ場でつけた上値を引けまで持ち帰れるかどうかは、一日で様変わりしました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
共和コーポレーション(6570)
出来高が25日平均の5倍に膨らみ、株価は460円高の3,970円、+13.11%で引けました。アミューズメント施設の運営とゲーム機器の販売を手掛ける東証スタンダードの銘柄で、時価総額は237億円ほどです。本日の安値3,460円は前日の高値3,540円を下回る水準でしたが、そこから切り返すと前場のうちに3,945円まで駆け上がり、後場に3,800円まで押したあとも大引けにかけて再び買われ、3,985円の上場来高値をつけています。8月10日に発表した第1四半期決算が大幅増収増益で着地し、同じ日に創立40周年の記念株主優待も発表されて以降、株価は8月7日の終値2,102円から2倍近い水準まで駆け上がりました。本日は新しい材料が出たわけではなく、その流れがさらに加速した一日です。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの帯は5日前比で+13%台の切り上がり、±1σ幅も5日前の1.9倍へ広がりました。株価が跳ねただけでなく、価格帯そのものが日ごとに持ち上がっている状態です。押し安値も8月14日の2,970円から17日、18日、19日と一段ずつ高くなり、本日の3,460円がその一番上に並びました。上場来高値の更新はこの1年で18回目、前日に続いて2営業日連続の更新で、テンポも落ちていません。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しており、この並びが崩れないかぎり上昇の土台は有効です。RSI14は90台、25日線乖離率は+63%台と数字は際立ちますが、帯が切り上がり、押し安値も切り上がっているうちは崩れの兆しとは言えません。信用買残は出来高25日平均の3日分あまりで、貸借倍率は3倍台と買い方に傾いています。上へ行こうとする力が続いているかどうかは、3,600円付近の+2σを終値で保てるかで測れます。本日は3,460円まで売られる場面から3,985円まで買い直されており、当日の下値はこの水準で止まりました。ここを終値で割り込むと、14日から続いてきた押し安値の切り上がりが止まります。平均値幅率は5%を超え、25日平均の出来高そのものは数万株規模です。板の薄さから値が飛びやすく、一方向に動き出すと戻りも急になりやすい点は頭に入れておきたいところです。
ハピネット(7552)
14日に取り上げたときの焦点は、8月10日につけた3,530円を終値で上抜けられるかどうかにありました。18日の終値3,545円でこれを片付けると、19日にいったん3,455円まで押したあと、本日は3,605円に窓を開けて始まり、3,600円を割り込まないまま3,785円まで買われています。終値は280円高の3,760円、+8.05%とほぼ高値引けで、昨年9月26日以来11か月ぶりに上場来高値を塗り替えました。動いたのは後場です。12時台の後半に、SBI証券が特定の商材に注目して目標株価を引き上げるレポートを出したと伝わりました。13時台には商いを膨らませながら本日の高値まで上値を伸ばしています。玩具や映像ソフトの卸を手掛ける立ち位置が、消費関連への物色と重なった格好です。
ここに注目!: 上場来高値の更新はこの1年で9回を数えますが、直前の更新は昨年9月で、そこから11か月は上値に届かない時間が続いていました。更新を積み重ねてきた常連ではなく、長く抑えられてきた水準をようやく跳ね返したところであり、更新を続けられるかどうかの実績はこれからです。勢いの裏付けは帯の動きに出ています。±1σ幅は5日前の1.4倍へ広がり、帯の中心も+2%台の切り上がりです。終値3,760円は+2σの3,650円付近を上回り、帯の上端に沿って歩く位置に入りました。出来高も25日平均の1.6倍と、更新に商いが伴っています。25日線乖離率は+14%台、RSI14は70前後で、上値を追う余力はまだ残っている水準です。需給も軽く、貸借倍率は1倍台とほぼ均衡、信用買残は出来高25日平均の1日分にも届きません。更新が続いていると判断できるのは、本日と同じ商いの厚みを保ったまま高値を切り上げているあいだです。出来高が細るなかで上値だけが伸びる形になれば、11か月ぶりの更新に集まった買いは一巡したことになります。下値では本日開けた窓の下限と5日線が3,550円付近で重なり、ここが最初の支えです。窓の幅は1%あまりあり、支持帯として意味を持つ大きさがあります。ここを終値で割り込むと、18日から続いてきた上値追いはいったん仕切り直しです。3,300円付近の25日線まで戻る展開になれば、本日の高値更新そのものが売り直されたことになります。平均値幅率は4%台で、日々の値幅は小さくありません。
MTG(7806)
8,000円で寄り付いてから一度も寄り値を下回らず、後場に入って上げ足を速め、そのまま8,640円の上場来高値で引けました。740円高の+9.37%、始値がそのまま当日の安値という一本調子の上昇です。美容ローラーや健康機器を手掛けるグロース市場の銘柄で、17日につけた8,400円を3営業日ぶりに塗り替えたことになります。7月3日に取り上げたときは、高値をつけたあとに失速して始値を下回る陰線で引け、上場来高値圏での上値の重さが顔をのぞかせていました。本日はその形がそっくり裏返り、高値引けです。8月4日の取引終了後に通期の営業利益予想を上方修正し、期末配当の増額もあわせて発表して以降は、8,400円をうかがっては押し戻される展開が続いていましたが、本日はその上値をあっさり抜けました。個別の新規材料は見当たらず、長期金利の低下でグロース市場全体が大きく買い戻された地合いに乗った面はありそうです。
ここに注目!: 高値更新に商いが伴った点がまず目を引きます。出来高は25日平均の1.9倍で、12時30分すぎからの一段高に売買が集中しました。一方でボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前とほぼ同じ、帯の中心の切り上がりも+1%台にとどまります。帯そのものはまだ動き出しておらず、本日の上昇は帯の上端を一気に突き抜けた形です。終値8,640円は+2σの8,480円付近を上回る位置にあります。上場来高値の更新はこの1年で3回しかなく、更新を積み重ねてきた銘柄ではありません。18日と19日は安値を7,880円、7,700円と切り下げており、押し安値の切り上がりも本日から数え直しになります。25日線乖離率は+10%台、RSI14も62前後にとどまり、上げ幅のわりに数字そのものは落ち着いています。日足の移動平均線は5日線から200日線まで上から順に並び、一目均衡表でも雲の上で三役好転が続いています。この上放れが本物かどうかは、これから±1σ幅が広がりながら中心線が追いついてくるかで確かめられます。逆に帯が広がらないまま株価だけが上端から離れていく形なら、本日の上昇は帯の外へはみ出した一日で終わった可能性が残ります。下値で最初に意識されるのは、5日線と+1σが重なる8,150円付近です。終値でこの水準を割り込むと、18日から19日にかけての下げに逆戻りする形になります。7,800円付近の25日線まで戻る展開は、8月上旬の上方修正を評価した買いそのものが巻き戻される場面です。平均値幅率は5%を超えており、時価総額3,000億円を上回る規模ながら日々の値幅は大きい部類に入ります。
信用取引は格安手数料の楽天証券
松井証券の魅力、まずはお試しください。
![]()
気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
シンプレクス・ホールディングス(4373)
信用売残が買残の5倍を超え、貸借倍率は1倍を大きく割り込んでいます。売残の株数は出来高25日平均の2日分あまりに達しており、株価が上がるほど買い戻しを迫られる株数が積み上がった状態です。本日は1,150円で寄り付いたあと一度も寄り値を下回らず、大引け間際に1,187円まで買われて58円高の1,183円、+5.16%で引けました。金融機関向けのシステム開発とコンサルティングを手掛ける銘柄で、昨年8月22日につけた上場来高値1,225円まであと3%あまりに迫っています。本日は個別の材料が確認できませんが、長期金利の低下で情報・通信をはじめとするグロース色の強い銘柄が買われた地合いのなか、売り方の買い戻しが上げ幅を膨らませた可能性があります。8月に入ってからは、複数の証券会社が相次いで目標株価を引き上げるレポートを出しました。
ここに注目!: 目を引くのは上値の重なり方です。+2σが1,200円付近にあり、上場来高値のすぐ手前に位置しています。帯の上端と過去の高値が近い距離に並ぶ以上、ここは一息に通過できる水準ではなさそうです。一方、勢いの裏付けは十分とは言えません。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前とほぼ同じ、帯の中心の切り上がりも+1%台で、出来高も25日平均並みにとどまりました。高値に近づくほど売買が細るようだと、上放れの裏付けとしては物足りません。強さが出ているのは安値のほうです。18日の1,093円から19日の1,117円、本日の1,150円と、押し安値が一段ずつ切り上がっています。移動平均線は上から短期・中期・長期の順を保ち、一目均衡表も雲の上で三役好転が続いています。この並びと押し安値の切り上がりが揃っているかぎり、上昇の土台は有効です。25日線乖離率は+6%台、RSI14は63前後、平均値幅率も3%台で、数字のうえで無理をしている様子は見当たりません。売り方の動きも見どころで、厚い売残は上値を抜けた場面で上げ足を速める要因にも、戻りを待つ売り圧力にもなりえます。下値では+1σが1,150円付近に位置し、本日の始値とちょうど重なります。終値で割り込むと、18日から続いてきた押し安値の切り上がりが止まります。1,110円付近の25日線まで戻る展開は、8月中旬からの上げそのものが仕切り直しになる水準です。
個別投資をプロに任せる!投資信託で資産形成 ひふみ投信【PR】
![]()
預金でも株でもない、安定資産という新しい選択肢 安心の三井物産グループ運営【PR】
![]()


