本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は65銘柄でした。
前日の小幅安から一転、本日の東京市場は大型株主導で大きく水準を切り上げました。日経平均は前日比1,636円高の66,329円と4日ぶりに最高値を更新し、終値ベースで初めて6万6000円台に乗せています。ザラ場では一時66,505円まで上げ幅を広げる場面もありました。引き金は外部環境の好転です。米国とイランの停戦観測が広がるなか、前日の米国市場で主要3指数が揃って最高値を更新し、リスク選好の流れがそのまま東京市場へ波及しました。海外勢とみられる株価指数先物への買いが、寄り付きから指数を押し上げています。
ただし、指数の派手さほど中身は一様ではありません。TOPIXが+1.41%と日経平均に追随した一方、グロース250は-1.64%と逆行安に沈みました。ファーストリテイリングやソフトバンクグループといった値嵩株の寄与が大きく、資金は大型・主力に偏ったと言えます。中心にあったのはAIデータセンター向け需要を映す積層セラミックコンデンサー、いわゆるMLCC関連で、村田製作所が一時ストップ高となるなど、このテーマが相場全体を牽引しました。
もっとも、裾野が狭かったわけではありません。東証プライムの騰落は値上がり938に対して値下がり585と、値上がりが明確に優勢でした。指数の大幅高と騰落の方向感はおおむね一致しており、グロース250だけが取り残された格好です。前日は中小型・グロースに買い戻しが入る場面でしたが、本日は再び大型・テーマ株へ資金が回帰し、循環の振り子が逆へ振れたと整理できます。
売買代金は東証プライムで約16.3兆円と、ここ数日の11兆円前後から一段と膨らみました。商いの急増は、停戦観測とMLCC物色を口実に、見送られていた資金が一気に動いたことを物語ります。総じて本日は、外部好転を背景にした指数主導のリスクオンに、MLCCという明確なテーマ物色が重なった一日でした。グロース株の弱さという課題を残しつつも、参加者の積極性そのものは旺盛で、底堅さの目立つ地合いだったと言えそうです。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
京セラ(6971)
約26年ぶりの大台3,500円抜けです。京セラが実に2000年1月以来となる上場来高値を更新しました。本日はギャップアップで始まると上値を伸ばし、ザラ場で3,547円まで買い進まれて、ITバブル期につけた高値の壁をようやく突き抜けています。終値は高値からやや押した3,483円、前日比では+6.48%でした。けん引役は本日の相場全体を動かしたMLCC関連というテーマで、セラミックコンデンサーやセラミックパッケージに強みを持つ同社にも、AIデータセンター需要を見越した資金が向かいました。時価総額4兆円超の巨艦が、出来高25日平均比3倍超の商いを伴って一段高した点に、テーマの勢いの強さが表れています。
ココに注目!:移動平均線はパーフェクトオーダーを保ち、一目均衡表も三役好転と雲の上での高値更新で、トレンドの土台は強固です。注目したいのはボリンジャーバンドで、5月25日からの鋭角な上昇に伴って帯域は拡張に転じ、ザラ場では高値が+3σを上抜く強さを見せました。一方で25日線乖離率は20%超まで広がり、RSI14も80を超えて過熱を示しています。大型株だけに平均値幅率は3%程度と値動きは比較的落ち着いていますが、上場来高値更新で上方に目立った抵抗がない以上、過熱の解消は下方向の調整で進みやすい状態です。エントリーを考えるなら、本日空けた窓の下限となる3,280円前後や5日線の3,200円台前半まで乗せた水準がひとまずの押し目候補として意識されます。本日の窓下限を数営業日にわたって終値で割り込むようだと、短期の上昇トレンドはいったん見直しが必要になります。
フィックスターズ(3687)
市場の主役は半導体だけではありませんでした。本日のフィックスターズは、量子コンピューター関連という別のテーマを背負って急騰しました。グループ会社のFixstars Amplifyがドイツの量子スタートアップ、QUDORA Technologiesと日本で初めてのパートナーシップを結んだと発表。さらに前日には米IBMが今後5年で量子分野へ大型投資を行う計画を打ち出しており、国内の量子関連株に一斉に物色が向かった流れに乗りました。自社の具体策と海外の巨額投資という二つの追い風が重なり、株価は寄り付き直後から制限値幅の上限である2,717円まで買われ、終値も2,704円と高値圏で引けています。前日比は+21.97%に達しました。
ココに注目!:まず警戒すべきはボラティリティの大きさです。平均値幅率は7%超と荒く、ボリンジャーバンドは2倍超の急拡張で、ザラ場高値はちょうど+3σに張り付きました。25日線乖離率は70%超、RSI14も80を大きく超えており、過熱という言葉でも足りないほどの伸びです。一目均衡表は三役好転で雲の上にありますが、25日線・75日線が200日線をまだ下回るなど、長期の移動平均はようやく追いつき始めた段階で、足元の急騰は短期資金が主導している色彩が濃いと見ておくのが無難です。これだけ乖離が開いた後では、本日の窓の下限である2,230円前後を割っても短期トレンドの一時的な見直しにすぎず、健全な押し目はむしろボリンジャーバンドの+1σから+2σが通る1,950円から2,330円台への乖離縮小を待つ展開になりそうです。値動きが荒い銘柄だけに、高値掴みには相応の覚悟が要ります。
ニッタ(5186)
地味ながら、ニッタは高値追いの歩みを止めていません。本日もザラ場で6060円まで買われて上場来高値を更新し、直近の最高値更新は二桁を数えるまでになりました。もっとも、本日の値動きには変化の兆しも見えます。高値6060円から上ヒゲを残して5870円で引けており、前日比こそ+1.56%とプラスを確保したものの、高値圏では利益確定の売りも出始めた格好です。出来高は25日平均の1.6倍程度と、急騰銘柄に比べれば膨らみは限定的で、派手さのない需給で水準を切り上げてきた銘柄らしい一日でした。本日は特段の新規材料は見当たらず、大型・電機に資金が向かった地合いのなか、伝動ベルトや半導体製造装置向け製品を手がける同社にも買いが続いた流れと見るのが自然です。
ココに注目!:注目したいのは過熱感の度合いです。25日線乖離率は14%超にとどまり、過熱感は限定的です。ボリンジャーバンドの帯域は横ばいで、価格は+1σから+2σの強気圏に収まっています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と、トレンドの強さは保たれたままで、過熱を冷ましながらの上昇という穏当な姿と見えます。本日の上ヒゲが目先の上値の重さを示した以上、まずは5日線が通る5,780円付近で支えられるかが当面の見どころで、ここを保てば押し目買いが入りやすい状態が続きます。仮に調整が深まる場合は、25日線の5,150円付近が中期的な拾い場の目安になります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
堺化学工業(4078)
本日のテーマの中心に、堺化学工業が位置していました。MLCCの主要材料であるチタン酸バリウムで国内有数の存在である同社は、AIデータセンター向け需要の拡大期待が相場を覆うなか、関連銘柄の中核として資金を集めました。寄り付きから買い優勢で、後場にかけて一段と水準を切り上げると、安値も高値も切り上げる大陽線で高値の4,940円に張り付いたまま引けています。前日比は+16.51%です。注目すべきは到達した位置で、2007年に記録した上場来高値である4,965円まで残り0.5%程度と、上場来高値更新がいよいよ目前に迫りました。出来高25日平均比は4倍超に膨らみ、節目突破をうかがう勢いです。
ココに注目!:チャートはすでに相当な過熱を映しています。ボリンジャーバンドは+3σを上抜く極度の過熱で、帯域も拡張中、25日線乖離率は30%超まで開きました。平均値幅率も6%超と荒く、板状況次第では日々の振れが大きくなりやすい点は頭に入れておきたいところです。一目均衡表は雲の上にあるものの三役好転はまだ成立していませんが、転換線が基準線と同値のため成立目前といった段階です。上場来高値を終値で明確に上抜ければ、その上は戻り待ちの売りが乏しい真空地帯となり、値が軽くなる展開が期待できます。逆に過熱の反動が出る場合、+3σ超えが長続きしにくいことを踏まえると、+2σが通る4,500円台への回帰を伴う調整も想定されます。本日の窓下限を終値で割り込めば、短期の勢いはいったん途切れたと見るべきでしょう。
KOA(6999)
KOAの一日は、上場来高値の壁の重さを映すものでした。固定抵抗器で世界トップ級のシェアを持つ電子部品メーカーで、本日はAIインフラ需要を背景にした電子部品物色の輪が広がるなか、寄り付き後に買いを集めて急伸しました。ザラ場高値は2,938円まで届き、過去の最高値である2,950円まで残り0.4%と、上場来高値にあと一歩まで肉薄しています。ところがそこで上値は重く、長い上ヒゲを残して2,770円まで水準を切り下げて引けました。前日比は+8.46%と高いものの、終値で見れば上場来高値までなお6%超の距離があり、ザラ場の高揚と引け味の差がはっきり出た形です。出来高は25日平均比3倍超に膨らみました。
ココに注目!:高値圏での売りをどう読むかが焦点です。ボリンジャーバンドは拡張中で、ザラ場高値は+3σを上抜きましたが、終値はそこから大きく押し戻されました。25日線乖離率は30%超、RSI14も70台後半と過熱は明らかで、平均値幅率も5%超と荒く、上ヒゲと合わせて高値圏での利益確定圧力を警戒したい状態です。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と土台は強いだけに、ここからは過熱の解消を経て出直れるかが鍵になります。本日つけた高値2,938円が当面の上値の節目で、これを終値で抜けば上場来高値とその先の真空地帯が視野に入ります。押し目としては5日線や本日の窓下限が重なる2,500円前後がまず意識され、より深い調整では2月の高値水準でもあり25日線の位置する2,100円付近が拾い場の目安です。終値で25日線を割り込むようなら、短期の過熱はいったん冷ます段階に入ります。
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