本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は68銘柄でした。
連日の急騰で勢いづいていた東京市場ですが、本日はその上昇に一服感が出ました。日経平均は前日比162円安の64,996円と小幅反落し、ザラ場では一時64,605円まで下押しする場面もありました。TOPIXも-0.10%、グロース250も-0.11%と主要指数が揃って小幅安となっており、ここまでの上げに対する利益確定の売りが優勢となった一日です。とはいえ下げ幅は限定的で、高値圏での値固めといった様相が濃く、急ピッチの上昇に対する自然な調整の範囲にとどまっています。
昨夜の米国市場はNYダウが+0.58%、S&P500が+0.37%、NASDAQ100が+0.42%と揃って小幅高で引けていました。米国の流れだけを見ればプラス圏で寄り付いてもおかしくない地合いでしたが、本日の日本市場はむしろ独自の調整地合いが前面に出た格好です。日経平均が前日まで65,000円台へ駆け上がった反動が、米国株高を打ち消す形で表面化したと整理できます。
指数と個別銘柄の温度差という点では、東証プライムの値上がり銘柄数698に対して値下がりが816と、全体の52%が下落しました。指数が小幅安にとどまる一方で過半数の銘柄が値を下げており、ここ数日続いてきた「一部の値嵩株が指数を支え、その裏で個別の選別色が強まる」という構図が、本日は指数の頭打ちと個別の調整という形で同時に表れています。値上がりと値下がりがほぼ拮抗しつつ値下がりがやや優勢という騰落の中身は、指数の小幅安という方向感とおおむね一致しています。
資金の向かった先という観点では、これまで相場を牽引してきた半導体・電子部品やAI周辺の主役級銘柄に高値警戒からの売りが出やすかった一方、好業績やテーマ性を背景に買われてきた中小型株の一角には依然として個別の物色が残りました。本日新たに上場来高値を更新した銘柄が複数見られたことは、地合いが横ばいに転じても銘柄固有の材料を持つものには資金が向かい続けていることを示しています。売買代金は東証プライムで約9.8兆円と、前日までの10兆円前後の高水準からはやや減少しました。指数が伸び悩む中で商いがわずかに細った点は、急騰局面が一巡したことで一部の参加者が様子見に転じたことを示唆します。
総じて本日は、急騰の反動による指数の小幅調整と、テーマ性・材料性を持つ個別銘柄への選別物色が同居した状態と整理できます。全体としては過熱感の解消を進めつつ、循環物色的に資金が回る展開で、リスクオンの勢いそのものが大きく損なわれたわけではありません。この調整が押し目を作る健全な一服にとどまるのか、それとも上昇の踊り場が長引くのかは、今後の米ハイテク株の動向と、ここまでの主役であったAI・半導体関連の持続力にかかってきそうです。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
TDK(6762)
前日までの連騰から一転、本日は前日比88円安の3,627円と反落しました。とはいえ、これは4営業日連続の上場来高値更新という短期的な過熱を冷ます動きであり、トレンドそのものが崩れたわけではありません。本日の高値3,815円は前日高値(昨日時点での上場来高値)をわずかに上回って再度の上場来高値更新を達成しましたが、上値の重さと利益確定売りの圧力が確認された一日でした。背景にあるのは、村田製作所や太陽誘電がMLCC(積層セラミックコンデンサ)など主力製品の価格引き上げに動いたことを契機とした電子部品セクター全体への資金流入です。AIサーバーやデータセンター向けの旺盛な需要を背景に、業界全体への業績期待が高まる中で、TDKもその恩恵を受けて連日高値を切り上げてきた経緯があります。4月に取り上げた際は決算を前にした調整局面にありましたが、その後の上昇でついに上場来高値を超えて真空地帯へと到達した点は、その際に指摘した中長期の強気トレンドが継続していることを裏付けています。
ココに注目!:直近で2本の上げ窓(5月21日と25日)を開けながら一気に水準を切り上げてきたことが、足元の上昇の急ピッチさを物語っています。25日線乖離率は+24%超と過熱感が強く、RSI14も76前後と70の過熱圏を大きく上回っています。一目均衡表は三役好転が成立し、移動平均線もパーフェクトオーダーを維持しているため中期トレンドは依然として強気ですが、平均値幅率が4%台と日々の値動きが大きい点には注意が必要です。現状は短期過熱の解消を待つ局面と評価でき、エントリーを考えるなら、5月25日に開けた窓の下限である3,383円付近まで押し、5日線やボリンジャーバンド+2σまで乖離が縮小してくる水準を押し目として検討できます。
あすか製薬ホールディングス(4886)
本日の値動きは、高値づかみの危うさを象徴するものでした。始値では前日終値をわずかに上回って上場来高値を更新したものの、そこから一転して売りに押され、安値2,778円まで急落。前日比165円安の2,830円で引けており、大きな陰線で引けました。前日に+8%超の大陽線で上場来高値を更新した直後だけに、本日寄り付いてすぐにつけた高値は前日の勢いの余韻で買われた水準であり、終値で見れば前日終値を大きく割り込んでいます。高値こそ更新したものの、実態としては利益確定売りに上値を抑えられた弱い動きと解釈するのが妥当です。
ココに注目!:本日は上場来高値を更新したものの、実質的には4月16日から続くレンジ相場にあると思われます。RSI14は51前後と過熱でも売られ過ぎでもない中立水準にあり、株価は25日線をわずかに下回る位置まで戻されたことがそれを裏付けています。上場来高値を更新した直後に急落したことは、ボリンジャーバンドや25日線がスクイーズしていることから上昇の勢いが足りずに押し戻された証左です。現状は方向感を見極める局面と評価でき、エントリーを考えるなら、終値では一度も超えていない3,000円を超えて終えることを確認し、25日線が上向きに転じる場面を待つのが合理的です。逆にレンジの下限である2,700円を終値で明確に割り込むようなら、より上値が重くなる展開を覚悟する必要があります。
能美防災(6744)
地味な銘柄が静かに節目を抜けてきました。総合防災機器の大手である能美防災は、本日始値4,690円から終始買い優勢の展開となり、高値5,020円まで上値を伸ばして上場来高値を更新しました。前日も上げ窓を開けて高値を切り上げており、2営業日続けて節目を突破してきた点に勢いがうかがえます。出来高5日平均比も21.56倍と膨らんでおり、高値更新に商いが伴っている点は事実として確認できます。本日の上場来高値更新に直接結びつく新規の材料は特に見当たりませんが、防災・インフラ更新といったテーマ性を背景にした継続的な物色の流れの中での上昇と見るのが自然です。
ココに注目!:現値はボリンジャーバンド+2σを超える過熱圏に位置し、25日線乖離率も+13%台、RSI14は72前後と過熱圏入りしています。一目均衡表は三役好転が成立し、移動平均線もパーフェクトオーダーを形成しているため、トレンドの方向性そのものは強気で間違いありません。ボリンジャーバンドの拡張を伴う高値更新は短期的な強さの裏付けですが、いくつかのテクニカル指標では過熱水準を示しているため、いったんの過熱解消は意識しておきたいところです。現状はトレンド継続期待が優勢と評価でき、エントリーを考えるなら、5月25日に開けた窓の下限4,670円付近を押し目として検討できます。逆に上昇の起点となった4,400円付近を終値で割り込んだ場合は、上昇トレンドの一服を見極める必要が生じます。
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今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ステラ ケミファ(4109)
5月14日の決算発表がこの銘柄の流れを大きく変えました。高純度フッ化水素酸で世界トップ級のシェアを持つフッ素系ファインケミカルメーカーであるステラケミファは、同日の決算で通期の連結業績予想を上方修正。減益予想から一転して営業増益となる見通しを示し、AI向け半導体を中心とした販売の堅調と原料価格上昇に伴う価格転嫁の進展が評価されました。同時に創業110周年の記念配当を加えた増配も発表され、業績と株主還元の両面が好感されています。この発表を起点に株価は一段高となり、5月14日に10年来高値を更新する流れにつながりました。本日は上場来高値7,940円にあとわずか260円に迫るところまで買われたものの、終値では前日比100円安の7,370円と小幅反落しています。
ココに注目!:日足チャートで見ると4月末からボリンジャーバンド+2σに沿ったきれいな右肩上がりとなっており、上昇の強さが見て取れます。ただ、平均値幅率が5%を超える高い水準にあることには一定の警戒が必要です。RSI14は77前後と過熱圏を大きく上回り、25日線乖離率も+24%超と過熱感が強いものの、移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と明確な強気さが過熱感を支えているようです。このまま上場来高値を更新することもあり得ますがそうなった場合は達成感からの利益確定売りには注意を払う必要があります。今のところ押し目を作らず上昇しているため押し目でのエントリーは難しい場面ですが、2月の高値圏であり、25日線が位置している6,000円付近まで押すことがあれば検討してみてもよいかもしれません。
三菱化工機(6331)
前日比300円高の3,790円と+8.6%の大幅高で、上場来高値である3,920円まであと3%程度に迫ってきました。5月15日の決算で全セグメントの増収増益と大幅な経常増益を達成し、市場予想を上回る好決算への好感が続いているものとみられます。とりわけ水素製造装置やCO2回収を中核とするGX事業の急成長と、同時に発表された増配が評価され、半導体プラント・水素・インフラ更新といった国策テーマと結びつく銘柄として注目を集めています。決算後はいったん上値が重くなり調整していましたが、本日改めて買いが集中し、好決算を再評価する動きが鮮明になりました。6月8日に予定される決算説明会で受注予想が発表される見込みであることも、先回りの買いを誘っている可能性があります。
ココに注目!:本日は上げ窓を開けての大幅高で、出来高25日平均比も1.72倍と膨らみました。ボリンジャーバンドは現値が+2σを超える過熱圏に位置するものの、RSI14は64前後とまだ過熱圏には届いておらず、25日線乖離率も+14%程度と過度な過熱感は見られません。需給面では信用買残が出来高25日平均の2.6日分とやや積み上がっており、上値での戻り売り圧力として意識される水準にあります。25日線がわずかに75日線を下回っていますが、その差はわずかであり、これが上抜いてくるタイミングでのエントリーも検討できそうです。ただし、上場来高値を更新した場合の達成売りには注意が必要です。逆に勢いを失って5月22日の安値を終値で割れてくるようだと、ここ数日の急騰が一時的な弾みだった可能性が高くなります。
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