本日の相場概況
前日の米国市場は3指数がそろって反落しました。NYダウは152.09ドル安の52,421.20ドルで-0.29%、S&P500は37.00ポイント安の7,619.98で-0.48%、NASDAQ100は241.28ポイント安の29,127.16で-0.82%です。AI企業の経営トップが相次いで開発の減速を訴えたことで半導体・AI関連に売りが出たうえ、サウジアラビアの東西パイプラインが攻撃を受けて停止し、原油価格が上昇しました。米10年物国債の利回りは一時5%台に乗せ、2023年10月以来の水準です。
東京市場は、日経平均が302円安の63,190円で寄り付いたあと切り返しました。週末に浮上したAI開発の減速論への過度な警戒がいったん和らぎ、前日に急落したソフトバンクグループが+7%台と買い戻されて、前場には609円高の64,101円まで上昇しています。後場に入ると伸び悩み、終値は8円安の63,484円、-0.01%と3日続落です。国内の長期金利が一時3.030%と、1996年9月以来およそ30年ぶりの水準へ上昇したことが重荷となりました。指数への寄与では、ソフトバンクグループ1銘柄で約354円押し上げた一方、アドバンテストが約222円押し下げました。
TOPIXは21.05ポイント安の4,037.16、-0.52%と、日経平均より下げが大きくなりました。値下がり業種の上位は石油・石炭製品、銀行業、証券・商品先物取引業で、時価総額の大きい銀行株の下落がTOPIXに響いたとみられます。上げたのは情報・通信業、医薬品、サービス業です。一方で東証プライムの値上がりは800銘柄、値下がりは685銘柄と上げた銘柄のほうが多く、指数の下げほど裾野は崩れていません。売買代金は7兆4,384億円で、前日から1,500億円あまり増えました。グロース250は3.88ポイント高の789.20、+0.49%と続伸しています。銀行など金融株が売られてTOPIXは下げたものの、中小型株には買いが残る一日でした。
上場来高値を更新した銘柄は24と、前日の36から減りました。前日に15行が並んだ銀行業は、ちゅうぎんフィナンシャルグループ、七十七銀行、岩手銀行が残り、群馬銀行とCCIグループが加わって5行です。ただし5行とも前日比マイナスで引けており、ザラ場で上場来高値をつけたあと売りに押されました。ほかは食料品、卸売業、情報・通信業が4銘柄ずつで、食料品ではかどや製油が+15.75%と大きく上げた一方、ニップン、日清オイリオグループ、ヱスビー食品はそろってマイナスでした。情報・通信業では、サイバーセキュリティを手掛けるグローバルセキュリティエキスパートと網屋が顔を出しています。時価総額1兆円を超えたのはソフトバンクと群馬銀行の2銘柄で、残りは中小型です。前日比プラスで引けたのは13銘柄で、上昇率の上位にはビーエイブルの+23.72%、かどや製油、トーメンデバイスの+9.97%が並びました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
グローバルセキュリティエキスパート(4417)
2営業日で、株価は2割あまり持ち上がりました。企業向けにサイバーセキュリティの教育・訓練やコンサルティングを手掛ける同社は、前日に+13%台と急伸し、本日も窓を開けて5,170円で寄り付くと、8月28日につけた上場来高値5,060円を上回って5,500円まで上値を伸ばしました。高値をつけたのは寄り付き直後の30分で、この時間帯の商いがこの日で最も多くなっています。その後は売りに押され、終値は5,300円、+7.61%でした。上ヒゲが当日の値幅の半分ほどを占める長い上ヒゲで、出来高は25日平均の3.87倍です。
ここに注目!: 直近1年で7回目の上場来高値更新と、更新を重ねてきた銘柄です。前日の高値4,990円と本日の安値5,110円のあいだに開いた窓のなかに、前回の上場来高値5,060円が収まっており、本日は半月あまり上値の節目だった水準を寄り付きで飛び越えた形です。ボリンジャーバンドの+2σも5,060円付近にあり、4,990〜5,110円のゾーンには窓・前回の上場来高値・+2σが重なっています。
勢いの中身を見ると、急伸したのは株価のほうで、帯の位置はまだ動いていません。中心線は5日前比でほぼ横ばい、±1σ幅は5日前の1.2倍ほどに広がりました。価格帯ごと持ち上がったのではなく、横ばいの帯の上側へ株価が2日で飛び出した段階です。終値は+2σを上回り、+3σとほぼ同じ水準で引けて高値圏で持ちこたえました。移動平均線はパーフェクトオーダーを保ち、25日線乖離率は+15%台、RSI14は66前後と、2日で2割上げた割に過熱の数字は極端ではありません。一方で平均値幅率は5%台で、1日に280円前後動くのが普段の値幅です。長い上ヒゲに4倍近い大商いが重なった点は、上値で短期資金の利益確定の売りが厚かったことを示しています。信用買残は出来高25日平均の1.7日分です。
上昇が続くと見るうえでの目安は、4,990〜5,110円のゾーンを終値で保ち、帯の中心線が切り上がりに転じるかどうかです。反対に窓の下限4,990円を終値で割り込むと、窓を埋めたうえで前回の上場来高値の下へ戻ることになり、本日の上放れはいったん仕切り直しとなります。さらに5日線と25日線が集まる4,580〜4,660円のゾーンまで沈む場合は、2日間の上げの大半を失う水準で、急伸の流れそのものを見直す場面です。
AB&Company(9251)
14日の取引終了後に発表した第3四半期決算を受け、美容室チェーンを直営とフランチャイズで展開する同社は、4年9か月ぶりに上場来高値を更新しました。前期に買収した美容室運営会社3社の店舗が加わって主力の直営事業が伸び、大幅な増益です。通期の利益計画に対する進捗も高く、この好決算を手掛かりに買いが集まりました。株価は窓を開けて1,564円で始まり、2021年12月16日につけた1,609円を上回って1,617円まで上昇しています。高値をつけたのは寄り付きから30分を過ぎた時間帯で、この時間帯の商いがこの日で最も多くなりました。終値は1,602円、+5.95%と高値に近い水準で引けましたが、1,609円はわずかに下回っています。出来高は25日平均の3.44倍です。
ここに注目!: 久々の更新で、更新を重ねてきた実績はまだありません。上値の重さを跳ね返せるかは、これからの値動きで確かめることになります。決算前の値動きは下向きでした。9月2日の高値1,577円から、日々の高値は11日の1,509円まで切り下がり、そこへ本日の窓が開いています。それでもボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+2%台の切り上がりを保ち、±1σ幅は5日前の8割ほどへ縮んでいました。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表は三役好転が成立しており、並びの整った銘柄の帯の収縮は、上昇途中の小休止と読めます。本日は商いを伴って、その小休止を上に抜けました。ただ終値は+1σと+2σのあいだにとどまり、ザラ場での更新を終値で確定するところまでは届いていません。平均値幅率は2%台と普段の値動きは穏やかな銘柄で、本日の+5%台はその3倍近い上げにあたります。RSI14は70前後ですが、崩れの兆しはまだ見えません。信用買残は出来高25日平均の3日分台で、軽いとは言えない量です。
本日開いた窓の下限1,513円は、前日の高値であると同時に、25日線とほぼ同じ水準です。上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+1σの1,575円付近を保ち、1,609円と本日の高値1,617円を終値で上抜けられるかどうかです。反対に、この窓の下限と25日線、11日の安値1,490円が集まる1,490〜1,513円のゾーンを終値で割り込むと、窓を埋めたうえで決算前の水準へ戻ることになり、決算を受けた上放れはいったん仕切り直しとなります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
テクマトリックス(3762)
9日の安値2,272円を底に、株価は4営業日続けて上げてきました。サイバーセキュリティ製品の販売や、医療・コールセンター向けのクラウドサービスを手掛ける同社は、本日+2.77%の2,525円で引け、2024年11月12日につけた上場来高値2,614円まであと3%台に迫っています。先週は大和証券が投資判断を最上位に据え置いたまま目標株価を引き上げており、上昇はその後も続きました。本日は前場を2,500円の手前で伸び悩んだあと、後場に入って水準を切り上げ、高値2,540円をつけたのは大引けにかけての時間帯です。この30分がこの日で最も商いの膨らんだ時間帯でした。出来高は25日平均の2.15倍で、高値に近い水準で引けています。
ここに注目!: 同社が最後に上場来高値を更新したのは2024年11月12日で、それから1年10か月を経て2,614円が視界に入ってきました。気になるのは信用残の偏りです。9月11日時点の貸借倍率は44倍台と買残に大きく偏り、信用買残は出来高25日平均の5日分を超えています。上場来高値に近づく場面では、この買残が戻り売りとして意識されやすいでしょう。一方で会社側は、来年2月までを期間とする自己株式の市場買付を7月末に決議し、8月から取得を進めています。株数が減る方向の動きも同時に進んでいることになります。
チャートの土台は整ってきました。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表は三役好転が成立しています。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+1%台の切り上がり、±1σ幅はほぼ横ばいで、本日の終値は+2σを上回りました。帯の上側に沿って価格帯ごと少しずつ持ち上がる形です。日々の安値も9日の2,272円から本日の2,453円まで、4営業日続けて切り上がっています。25日線乖離率は+5%台、RSI14は65前後、平均値幅率は2%台と、過熱の数字は控えめです。ただ月足では6か月線がなお12か月線をわずかに下回っており、長い目で見た上昇の土台はまだ固まりきっていません。
上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+2σの2,510円付近を保ち、日々の安値の切り上がりを続けられるかどうかです。下値の支持帯は、25日線と5日線、一目均衡表の転換線・基準線、14日の安値が集まる2,380〜2,410円のゾーンで、ここを終値で割り込むと4営業日続いた上昇はいったん仕切り直しとなります。さらに9日の安値2,272円を下回るようだと、上場来高値へ向かう流れそのものを見直す場面です。
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