本日の相場概況
5日の米国市場は、NYダウが90.94ドル高の51,267.90ドルで+0.18%、S&P500が51.23ポイント高の7,773.95で+0.66%、NASDAQ100が268.51ポイント高の31,076.44で+0.87%と、3指数そろって上げました。半導体大手のエヌビディアが最高値を更新したと伝わり、ハイテク株の強さが目立っています。東京市場も半導体・AI関連から買いが入り、日経平均は69,954円で寄り付きました。前日に1,600円を超えて上げた反動の売りも出て、午前中には69,813円と前日の終値を下回る場面がありましたが、その後は持ち直しています。昼にかけては、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)をめぐる報道をきっかけに円が売られ、1ドル=158円台へ円安が進みました。高値は70,798円、終値は737円高の70,683円、+1.05%です。終値で70,000円台に乗せたのは3か月ぶりで、アドバンテストは前日に続いて上場来高値を更新しました。
前日と違うのは、買いが指数の外側まで広がったことです。TOPIXは38.34ポイント高の4,183.56、+0.92%、グロース250は11.47ポイント高の823.71、+1.41%でした。東証プライムの値上がりは1,153銘柄と全体の74%に達し、値下がりは349銘柄にとどまっています。前日の値上がりは56%でしたから、裾野は大きく広がりました。33業種のうち30業種が上げ、非鉄金属、精密機器、銀行業が上位に並んでいます。下げたのは情報・通信業、建設業、空運業の3業種だけです。一方で売買代金は7兆3,048億円と、前日の7兆7,509億円から4,000億円あまり減りました。値上がり銘柄は増えても商いは細っており、値動きほど売買は盛り上がっていません。新興市場では、企業への不正アクセスの公表が相次いだことを受けてサイバーセキュリティ関連株が軒並み買われています。
上場来高値を更新したのは55銘柄と、前日の30銘柄から大きく増えました。目立つのは銀行業で、前日の3行から20行へ急増しています。山梨中央銀行が+5.08%、百五銀行が+4.16%、スルガ銀行が+3.63%と続き、時価総額2兆円台の千葉銀行も更新しました。次いで多いのが情報・通信業、電気機器、卸売業の6銘柄ずつです。情報・通信業は業種全体では最も下げたものの、グローバルセキュリティエキスパートが+8.26%、テクマトリックスが+5.13%、ソリトンシステムズが+4.05%、網屋が+2.21%と、セキュリティ関連が更新銘柄の中心でした。電気機器は時価総額30兆円台のアドバンテストのほか、フェローテック、フォスター電機などが並びます。上げ幅では共和コーポレーションが+11.19%と最も大きく、先に挙げたグローバルセキュリティエキスパートに次いで、サンコールが+6.56%、オンコリスバイオファーマとフォスター電機が+5.24%で続きました。時価総額1,000億円を超えるのは40銘柄で、そのうち1兆円超はアドバンテスト、千葉銀行、日産化学の3銘柄です。下げて引けたのは菊水ホールディングスとオーバルの2銘柄だけでした。半導体の大型株に集まっていた買いが、地方銀行とセキュリティ関連という別々の流れへ広がった、循環色の強いリスクオンでした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ソリトンシステムズ(3040)
企業への不正アクセスの公表が相次ぎ、セキュリティ関連株に買いが集まった本日、認証基盤やネットワークセキュリティを手がける同社も上に窓を開けて2,842円で寄り付きました。寄り付き直後の時間帯に2,916円まで買われ、前営業日に続く上場来高値の更新です。ただその後は売りに押され、前場のうちに2,765円まで下げて前日の高値2,771円を下回り、朝の窓はその日のうちに埋まりました。昼にかけて買い直され、終値は111円高の2,853円、+4.05%です。始値と終値がほぼ同じ値段で、上下に長いヒゲを残した十字線に近い足でした。出来高は25日平均の4倍台に膨らみ、商いの3割あまりが最初の1時間に集中しています。高値で買いが集まったあと、同じ時間帯に売りもまとまって出た一日でした。
ここに注目!: 8月13日に取り上げた際は、急伸して上場来高値を更新した一方で、25日線がわずかに75日線を下回ったままで、25日線が75日線を上抜けてくれば急伸が腰の据わった上昇へ移ったことの確認になると書いていました。いまは25日線が2,480円付近、75日線が2,220円付近と並びが入れ替わり、移動平均線はパーフェクトオーダー、当時は並んでいた転換線と基準線も転換線が上に出て、一目均衡表は三役好転です。前回まだ整っていなかった土台は、そろいました。
勢いは更新のテンポに出ています。直近1年の上場来高値の更新は本日で10回目で、この10営業日だけでも9月24日、25日、28日、10月5日、本日と5回を数える常連です。安値も9月30日の2,569円を底に、4営業日続けて切り上がっています。帯の中心線は5日前比で+3%台の切り上がりで、本日はザラ場で+2σを下回る場面がありながら、終値では+2σの2,830円付近の上へ戻して引けました。RSI14は73前後、25日線乖離率は14%台と過熱の数字は高めですが、帯と安値の切り上がりが続いているうちは崩れの兆しとは言えません。気になるのは本日の値幅の大きさです。高値から安値まで151円と、普段の平均値幅率3%台を超えて動きました。信用買残は出来高25日平均の2.2日分と、重しになるほどの残高ではありません。
上昇が続くとみられるのは、終値で+2σの上を保ち、安値の切り上がりが続く場合です。目先は、本日いったん下げて切り返した2,765円で再び下げ止まるかが見どころです。その下では、+1σと5日線、10月5日の安値2,661円が集まる2,660〜2,700円のゾーンが支えになるかが試されます。ここを終値で割り込めば、10月5日からの上放れはいったん崩れた形となり、9月30日の安値2,569円まで下げる展開になれば、9月末からの上昇の流れは仕切り直しとなります。
テクマトリックス(3762)
本日11時、問い合わせ対応を自動化するAIチャットボットの新サービスの提供開始を発表しました。株価は寄り付きから買いが先行し、10時台に2,629円まで上げた時点で、2024年11月12日につけた上場来高値2,614円を上回りました。1年10か月あまりぶりの更新です。その後いったん2,534円まで押しましたが、発表を挟んで持ち直しています。後場は水準を切り上げ続け、この発表が好感されたとみられます。大引けにかけての時間帯には、高値を2,637円まで伸ばしました。終値は128円高の2,625円、+5.13%で、ヒゲの短い大陽線でした。出来高は25日平均の1.77倍で、後場の最後の1時間に商いが増えています。サイバーセキュリティ製品の販売や、医療・コールセンター向けのクラウドサービスを手がける同社は、セキュリティ関連株がそろって買われた流れにも乗りました。
ここに注目!: 9月15日に上場来高値更新間近として取り上げた際は、上昇が続くと見るうえでの目安を、終値で2,510円付近にあった+2σを保ち、日々の安値の切り上がりを続けられるかどうかと書いていました。この条件は一度途切れています。9月29日・30日と10月5日には終値が2,500円を下回り、安値も9月30日の2,461円まで切り下がりました。一方で、下値の支持帯に挙げた2,380〜2,410円のゾーンには直近10営業日で一度も届いておらず、押しは浅いまま本日の更新を迎えています。
前回から最も大きく変わったのは信用残です。当時は貸借倍率が44倍台と買残に大きく偏り、買残は出来高25日平均の5日分を超えていましたが、いまは貸借倍率7倍台、買残は1.0日分まで軽くなりました。上場来高値に近づく場面で戻り売りとして意識されやすいと書いた重しは、だいぶ薄れています。月足でも、当時なお12か月線を下回っていた6か月線が上に出ました。移動平均線のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転も維持しています。
直近1年の上場来高値の更新は本日が初めてで、上値の重さを跳ね返したばかりの段階です。帯の中心線は5日前比で+1%台の切り上がり、±1σ幅はほぼ横ばいと、帯の動きはまだ緩やかです。RSI14は67前後、25日線乖離率は6%台と過熱の数字も控えめで、平均値幅率も2%台と値動きは落ち着いています。
上昇が続くとみられるのは、前回の上場来高値2,614円と+2σが重なる2,610円台を終値で保ち、帯の中心線の切り上がりが速まっていく場合です。下値では、本日いったん下げて切り返した2,534円の安値に+1σと転換線が重なる2,530〜2,550円のゾーンが支えになるかが見どころです。さらに25日線と9月30日の安値が並ぶ2,460円付近を終値で割り込むと、9月下旬の押しから立ち直った流れは仕切り直しとなります。
タムロン(7740)
業種別で精密機器が2番目の上げとなった本日、交換レンズ大手の同社も+2.92%と続伸し、1,486円まで上値を伸ばして8月4日以来となる上場来高値を更新しました。9月18日から10月2日までは1,335〜1,385円の狭い値幅で推移していましたが、前営業日に+5.1%と上げて1,440円まで買われ、本日はその上へ抜けています。終値は42円高の1,481円と高値に近い水準で引け、ヒゲの短い大陽線でした。出来高は25日平均の2.81倍で、13時台に商いが最も膨らみ、そこから引けにかけて水準を切り上げています。同社は7月30日に、大株主であるソニーグループから完全子会社化に向けた買収提案を受け取ったと公表し、特別委員会を設けて検討を続けています。提案の条件は公表されておらず、そのなかでの上場来高値の更新です。
ここに注目!: 6月28日の週次記事で取り上げた際は、6月17日に開けた窓の上限1,223円を終値で割り込み、その水準の回復を上昇再開の関門に挙げていました。その後、7月30日に買収提案の受領が公表され、8月4日には1,463円で上場来高値を更新しています。本日の株価は当時の関門から2割ほど上にあります。
本日の足の注目点は、帯の形の変化です。9月中旬からの保ち合いで細っていたボリンジャーバンドは、±1σ幅が5日前の1.9倍へ急に広がり、終値は+3σの1,466円付近を上回りました。一方で帯の中心線は5日前比でほとんど動いておらず、株価が先に帯の外へ飛び出し、価格帯そのものはまだ持ち上がっていない段階です。直近1年の上場来高値の更新は本日で6回目で、8月4日の1,463円から2か月の空白を挟んだ更新になります。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転で、土台は整っています。RSI14は74前後と高めですが、平均値幅率は1%台と日々の値動きは穏やかです。貸借倍率は10倍台と買残に偏るものの、買残は出来高25日平均の1.6日分と重くはありません。
上昇が続くとみられるのは、帯の中心線が切り上がりに転じ、株価の上放れに帯が追いついてくる場合です。目先は、8月4日の上場来高値1,463円と+3σ、前営業日の高値1,440円、+2σの1,430円付近が集まる1,430〜1,465円のゾーンを終値で保てるかが見どころです。その下には+1σと一目均衡表の転換線・基準線が1,400〜1,415円付近に並びますが、保ち合いの上限だった10月1日の高値1,385円まで戻ると、保ち合いからの上放れは取り消しとなります。保ち合いの下限だった9月18日の安値1,335円を割り込む展開になれば、上昇基調そのものを見直す場面です。もっとも、買収提案の条件や検討の行方しだいで、こうした値動きの前提そのものが変わりうる点には留意が必要です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
セグエグループ(3968)
普段の7倍を超える商いを伴って、+9.67%の大幅高となりました。企業への不正アクセスの公表が相次ぎ、セキュリティ関連株に関心が集まったことが追い風とみられます。海外のセキュリティ製品の輸入販売やシステム構築を手がける同社は、上に窓を開けて724円で寄り付き、前場の前半は720円台で推移しました。10時台の後半から買いが強まって前場のうちに760円まで上げ、昼休み明けの30分で778円の高値をつけています。この30分の出来高がこの日で最も多く、そのあとは利益確定の売りに押されながらも、終値は67円高の760円と高値に近い水準を保ちました。実体の大きい大陽線で、2025年12月1日につけた上場来高値809円まであと6%台に迫っています。
ここに注目!: 同社が最後に上場来高値を更新したのは2025年12月1日です。そのとき記録した809円が、10か月あまり上値の節目として残ってきました。直近1年の更新は6回あり、更新を重ねてきた実績のある銘柄が、その節目へもう一度近づいてきた形です。
勢いの裏付けは複数そろっています。まず商いで、本日の出来高は25日平均の7.12倍です。安値も9月29日の643円を底に、5営業日続けて切り上がりました。ボリンジャーバンドは±1σ幅が5日前の1.8倍に広がり、中心線も5日前比で+2%台の切り上がりと、株価だけでなく価格帯ごと上へ移り始めています。終値は+3σの750円付近をも上回りました。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転です。RSI14は77前後、25日線乖離率は15%台と過熱の数字は高いものの、帯が切り上がり安値も切り上がっているあいだは、崩れの兆しは見えません。気になるのは信用面で、貸借倍率は49倍台と買残に大きく偏っています。買残は出来高25日平均の2.2日分で、809円へ近づく場面では戻り売りとして意識されやすい残高です。
上場来高値への接近が続くとみられるのは、終値で+2σの720円付近の上を保ち、安値の切り上がりが続く場合です。そのうえで809円を終値で上抜ければ、10か月ぶりの更新が確定します。下値では、本日の安値716円と+2σ、一目均衡表の転換線が集まる710〜720円のゾーンが目先の支えになるかが見どころです。ここを終値で割り込めば本日の上放れはいったん仕切り直しで、9月29日の安値643円まで下げる展開になれば、9月末からの上昇の流れそのものを見直す場面です。
AIメカテック(6227)
9月28日の取引終了後に、海外の大手半導体関連メーカーから大口受注を獲得したと発表してから、株価は上げ足を速めています。本日も+7.04%と大きく上げ、終値は590円高の8,970円でした。安値をつけたのは寄り付き直後の時間帯で8,330円、その後は買いが続き、後場に入って水準を切り上げ、14時台に9,010円まで上げています。上ヒゲの短い大陽線で、高値に近い水準で引けました。2月25日につけた上場来高値9,310円まで、終値であと3%台です。出来高は25日平均の1.56倍で、昼休み明けの30分に商いが膨らみました。AI向けの半導体製造装置を手がける同社には、半導体関連株が買われた地合いも追い風になったとみられます。
ここに注目!: 同社が最後に上場来高値を更新したのは2月25日です。直近1年では18回の更新を重ねてきた常連で、9,310円はそこから7か月あまり上値の節目として残ってきました。
本日まで続く上昇の勢いは、数字のうえでもはっきりしています。安値は9月18日の5,710円から本日の8,330円まで、9営業日続けて1日も切り下げていません。ボリンジャーバンドは中心線が5日前比で+5%台と大きく切り上がり、±1σ幅も5日前の2.1倍に広がりました。価格帯ごと速いテンポで持ち上がっている状態で、終値は+2σの8,400円付近の上にあります。一目均衡表は三役好転です。一方で土台はまだ固まりきっていません。25日線がなお75日線をわずかに下回っており、移動平均線の並びはそろっていません。25日線乖離率は36%台、RSI14は76前後と過熱の数字は大きいものの、安値と帯の切り上がりが続いているうちは、崩れの兆しはまだ見えません。注意したいのは値動きの荒さで、平均値幅率は5%台、1日に490円前後動くのが普段の値幅です。貸借倍率は3倍台、買残は出来高25日平均の2.2日分です。
上場来高値への接近が続くとみられるのは、終値で+2σの上を保ち、安値の切り上がりが続く場合です。25日線が75日線を上抜けてくれば、腰の据わった上昇への移行が期待できます。そのうえで9,310円を終値で上抜ければ、7か月ぶりの更新が確定します。下値では、5日線と10月5日の安値7,940円が並ぶ7,940〜8,070円のゾーンが目先の支えになるかが見どころです。10月2日に開けた窓の下限7,690円は窓埋め完了となる下値で、そこを終値で割り込む展開になれば、大口受注の発表から続いた急伸はいったん仕切り直しです。25日線は6,570円付近と現値から3割近く下にあり、そこまで下げる場合は上昇トレンド自体の見直しが必要になります。
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