本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は76銘柄でした。
前日の米国市場は3指数がそろって上昇しました。NYダウは+0.25%の53,903.26ドル、S&P500は+0.38%の7,777.69、NASDAQ100は+0.34%の29,844.73です。7月の消費者物価指数の伸びが6月から鈍化し、米連邦準備制度理事会の利上げ観測が後退したことが、ハイテク株を中心に買いを呼びました。この流れを受けた東京市場は寄り付きから買いが優勢となり、日経平均は68,033円で始まると68,799円まで上値を伸ばしました。終値は784円高の68,308円、+1.16%で3日続伸です。ただし高値からは490円ほど削られており、上値を買い続けた一日ではありません。
TOPIXは37.04ポイント高の4,176.04で+0.89%と水準を切り上げた一方、グロース250は2.58ポイント安の743.10、-0.35%と主要指数のなかで唯一下げています。東証プライムの値上がりは1,010銘柄で全体の64.9%、値下がりは498銘柄です。売買代金は10兆206億円で、前日から6,000億円近く増えて10兆円台を回復しました。
上場来高値を更新したのは76銘柄で、前日の46銘柄から30銘柄増えました。中身は銀行業への一極集中です。32銘柄と全体の4割を占め、10日は1銘柄も入らず、前日も4銘柄にとどまっていたところからの急変でした。本日は政府が日銀の早期利上げを支持していると伝わり、銀行株は後場に入って一段と買われています。9月の利上げ観測が現実味を帯びたことが、金利上昇の恩恵を受けやすい業種へ資金を向かわせました。顔ぶれは地方銀行が中心で、山形銀行が+7.88%、富山第一銀行が+7.40%、福井銀行が+7.12%と、上昇率でも上位に食い込んでいます。
次に多いのは卸売業の10銘柄です。三洋貿易が+5.34%、シンデン・ハイテックスが+5.19%と、7月31日から続く商社系への物色は本日も厚みを保っています。化学と電気機器がそれぞれ5銘柄で並び、電気機器では時価総額26.02兆円のアドバンテストが+4.02%と、前日の米国市場のハイテク高を映しました。
規模の面では時価総額1兆円を超える銘柄が13社と、前日の5社から大きく増えています。うち7社が銀行で、千葉銀行、しずおかフィナンシャルグループ、めぶきフィナンシャルグループなどが名を連ねています。グロース250が下げるなかで大型の金利敏感株が高値を更新する形は、中小型の成長株から資金が移った一日だったことを物語ります。
上昇率で最も高かったのはサンセイランディックの+16.13%、次いで澁谷工業の+15.87%です。もっとも、76銘柄のうち12銘柄は前日比マイナスで引けました。網屋が-6.10%、Cominixが-3.91%と、ザラ場で高値を更新しながら売り優勢で終えた銘柄が、およそ6銘柄に1銘柄あります。前日は46銘柄中12銘柄でしたから、割合としてはむしろ軽くなっています。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
DIC(4631)
昨日の本欄でこの銘柄に足りないものとして挙げたのは、一目均衡表の三役好転でした。その好転が本日成立し、あわせて2007年12月以来、18年ぶりの上場来高値更新も果たしています。5,680円で寄り付いた株価は最初の30分で5,876円まで買われ、ここが本日の高値です。10日の上方修正と増配、自社株買いの開示から3営業日目で、ようやく5,800円の壁を越えました。ただし上値を買えたのはそこまでで、以降はじりじりと水準を切り下げ、終値は5,675円、前日比+0.78%。実体のほとんどない足に196円の上ヒゲを残しました。
ここに注目!: 高値から200円あまり押して引けましたが、終値は5,390円付近の+2σを大きく上回り、+2σと+3σのあいだで踏みとどまった着地です。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の2.2倍へ広がり、帯の位置も5日前比で+1%台の切り上がり。移動平均線が5日線から200日線まで上から順に並ぶところへ、昨日まで欠けていた三役好転が加わり、上昇の土台は一段固まりました。もっとも上場来高値の更新はこの1年で今回が初めてで、18年動かなかった上値を跳ね返したばかりです。更新を続けられるかどうかの実績はこれから積み上がる段階で、その意味で気にかかるのが、更新した日の出来高が前日の半分以下に落ちた点になります。継続の目安は、この並びと三役好転が保たれ、終値で+2σを維持できているかどうかです。下値では5,380〜5,390円に12日の安値と+2σが重なり、現値から5%ほど下のこの水準で支えられるかが目先の見どころになります。終値で割り込むと、5,200円付近の5日線の下は4,660円付近の25日線まで目立った節目がなく、現値から18%も下のそこまで戻る展開は、押し目ではなく上昇そのものの仕切り直しにあたります。
澁谷工業(6340)
午後2時までは、ごく静かな一日でした。前場は4,385円から4,470円までの85円幅を出入りするだけで、商いも細いまま方向感なく推移しています。空気が変わったのは2026年6月期の決算が開示された午後2時でした。直後の30分で株価は4,425円から5,030円へ跳ね、この30分だけで46万株を超える商いが集中しています。前期の着地が市場の見込みを上回り、今期の増益計画と増配の予定もあわせて示されたことが好感されました。そのまま上値を追い、700円高の5,110円で高値引け。2018年1月以来、8年ぶりの上場来高値更新です。出来高は25日平均の10倍台に膨らみました。
ここに注目!: 株価は4,910円付近の+3σを大きく上回って終えましたが、制限値幅の上限で止まったため、この決算をどこまで買うかの答えは翌営業日以降へ持ち越されました。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.7倍へ広がった一方、帯の位置は5日前比でほとんど動いていません。急伸したのは本日の一日だけで、価格帯としての切り上がりはこれから始まる段階です。上場来高値の更新もこの1年で今回が初めてで、8年動かなかった上値を跳ね返したばかりですから、更新を重ねてきた銘柄とは意味が違います。土台そのものは整っており、移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しています。この2つが崩れず、翌営業日以降も商いを伴って高い位置を保てているうちは、本日の上昇は生きていると見てよさそうです。下値では4,600〜4,730円のゾーンに5日線と+2σが集まり、現値から7%から10%ほど下のここが最初の確認点になります。さらに深く、決算前の水準である4,360〜4,390円まで戻る展開になれば、本日の材料を評価した買いそのものが巻き戻されたことになります。
ソリトンシステムズ(3040)
6月初旬にこの銘柄を取り上げたとき、焦点として挙げたのは2020年につけた2,302円を終値で明確に上抜けられるかどうかでした。株価はその後いったん1,900円台まで水準を落としましたが、12日の取引時間中に開示された業績予想と配当予想の引き上げが流れを変えています。当日のうちに上場来高値を更新すると、本日も買いが続きました。2,349円で寄り付くと最初の1時間で2,488円まで買われ、ここが本日の高値です。後場の入り口にかけて2,372円まで上値を切り下げたものの、午後2時以降に買い直され、2,444円で引けています。前日に続いて2営業日連続の上場来高値更新で、押した分をほぼ取り戻した陽線でした。出来高は25日平均の4倍台です。
ここに注目!: 終値は2,355円付近の+3σを上回っており、高値を更新した日の引け方としては最も強い部類です。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の3.3倍へ急拡大し、帯の位置も5日前比で+2%台の切り上がりで、株価だけでなく価格帯そのものが速いテンポで持ち上がっています。上場来高値の更新はこの1年で4回目、直前の更新が前日ですから、テンポも落ちていません。一方で土台は6月に取り上げた時点より弱くなっています。当時は移動平均線がパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転でしたが、その後の水準低下で並びは崩れ、いまは25日線が75日線をわずかに下回ったまま、転換線と基準線も2,180円付近で並んだままです。25日線が75日線を上抜けてくれば、この急伸が腰の据わった上昇へ移ったことの確認になります。下値では2,240円付近の+2σ、その下の2,130〜2,160円のゾーンに5日線と+1σが集まります。さらに深く、2,010〜2,060円のゾーンには12日の安値と25日線が重なっており、現値から17%ほど下のこの水準まで戻る展開になれば、12日の材料を評価した買いは一巡したと見る場面です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
セーレン(3569)
3日に発表された業績予想の上方修正のあと、株価は上にも下にも抜けない状態が続いていました。4日から12日までの6営業日、終値は3,360円から3,445円までの85円幅に収まっています。その膠着を破ったのが、本日9時40分過ぎに伝わった証券会社のリポートでした。半導体ウエハーの酸化膜で高い競争力を持つとして、数年先へ向けた収益の拡大を見込み、株価の評価を引き上げる内容です。株価は寄り付き直後から水準を上げ、10時前には3,615円まで買われています。終値は3,560円で、もみ合いの上限も12日のザラ場高値3,510円も明確に上回りました。出来高は25日平均の2倍台、上場来高値3,665円までは3%弱の距離です。
ここに注目!: 6営業日続いたもみ合いの上限を、出来高を伴って終値で上抜けた点が本日の要点です。膠着中のボリンジャーバンドは±1σ幅も帯の位置もほぼ動いておらず、価格帯としての切り上がりはこれから始まります。上場来高値の更新回数はこの1年で22回を数える常連で、上値を跳ね返す実績は十分に積み上がっています。一目均衡表は雲の上で三役好転が成立していますが、移動平均線の並びは混在で、25日線が75日線をわずかに下回ったまま。ここが入れ替わってくれば、8月に入ってからの上昇はもう一段確かなものになります。25日線乖離率は+8%台、RSI14も70前後、平均値幅率は2%台と、上値を追いかけるだけの体力は残っている状態です。継続の目安は、抜けたばかりの3,460〜3,510円のゾーンを終値で維持できるかどうかです。5日線と+2σ、そして4日と12日の戻り高値がこの帯に集まっており、上放れが本物なら今度はここが支えへ変わります。需給も追い風で、信用売残が買残を上回る売り長の形です。一方、3,280〜3,360円のゾーンには25日線と雲の上端、もみ合いの下限が重なり、ここを終値で割り込むようだと、本日の上抜けは否定されます。
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