本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は48銘柄でした。
前日の米国市場では、NYダウが-0.25%、S&P500が-0.45%と小幅安にとどまる一方、ハイテク中心のNASDAQ100は-1.77%と半導体株の下げが続きました。この流れをそのまま引き継ぐ形で、東京市場は続落しています。日経平均は前日比1,438円安の66,819円と、前日の1,480円安に続く大幅安。始値67,704円と前日終値を下回って寄り付いたのち、一時は68,432円まで戻す場面もありましたが、戻りを試すたびに売りに押し戻され、安値引けで着地しました。
もっとも、下げの中身は前日までとやや様相が異なります。6日は指数がもみ合うなかで中身が強く、7日は騰落がほぼ拮抗と、この数日で中身の強さは段階的に細ってきていましたが、本日はプライムの値下がりが960(値下がり率61.6%)と値上がり564を大きく上回り、ついに指数と中身がそろって下を向きました。TOPIXも前日比55.83ポイント安の4,006.43と-1.37%、新興のグロース250は19.20ポイント安の711.43と-2.63%で、いずれも安値引け。再び不透明感を増してきた中東情勢も相まってリスクオフがプライムから新興まで広く波及した一日です。
それでも上場来高値を更新した48銘柄の顔ぶれを見ると、資金の逃げ場は明確でした。めぶきフィナンシャルグループ・横浜フィナンシャルグループ・十六フィナンシャルグループから、千葉銀行・滋賀銀行・南都銀行・名古屋銀行・北洋銀行といった地方銀行まで、銀行株だけで14行を数え、東京センチュリー・岩井コスモホールディングスの金融周辺、KDDI・沖縄セルラー電話の通信、セコムの警備、寿スピリッツ・ヱスビー食品の食品、三菱倉庫・澁澤倉庫の倉庫まで、金融と内需ディフェンシブが幅広く並びました。7月2日以降続く「脱キオクシア」の循環物色が、地合い悪化のなかでも金融・ディフェンシブという避難先に一段と資金を集めた構図です。
気がかりは、その裾野が前日までより狭まったことです。上場来高値の更新数は6日の66、7日の78から本日は48へと減少しました。売買代金は約11.1兆円と高水準を保っており、半導体を投げて金融・ディフェンシブを拾う資金の付け替えそのものは活発ですが、逆行高の担い手が絞り込まれ、避難先そのものが縮んできた点は頭の片隅に置いておきたいところです。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
三十三フィナンシャルグループ(7322)
前日は取引時間中に一時高値を更新しながら、高値圏で売りに押し戻されて前日比マイナスで引けていました。本日はその高値をあっさりと上抜け、日経平均が1,400円を超える下げに沈むなかで+4.27%と逆行高を演じ、高値引けに近い水準で上場来高値を更新しています。特段の個別材料は見当たりませんが、7月に入って続く銀行株物色の中心にあり、地合い悪化時の資金の逃げ場として買われた面が大きいと見られます。前日の失速を乗り越えて上抜けた点で、需給の強さが確認できた一日と言えます。
ココに注目!:移動平均線はパーフェクトオーダーを描き、一目均衡表も三役好転と雲の上での更新で、トレンドの骨格は強固です。それでいてRSI14は60台半ば、25日線乖離率も8%超と、過熱と呼ぶには距離があり、上値追いの余地を残しています。ボリンジャーバンドは帯そのものが切り上がりながら+2σ近辺で引けており、上昇基調のなかで上限を沿うように水準を切り上げている状態です。押し目を考えるなら、まず5日線から+1σにあたる1,780〜1,815円処が浅い支持帯として意識されます。より深押しとなれば25日線の1,720円処が中期の拾い場となりますが、同水準を終値で明確に割り込んで戻せないようだと、金融株物色そのものの一服を疑って見立てを修正したい水準でもあります。信用買残が出来高の4日分弱と積み上がっている点は、上値での戻り待ちの売りとして意識しておきたいところです。
岩井コスモホールディングス(8707)
目を引くのは、更新した上場来高値が実に2006年2月以来の水準を上回るものだという点です。約20年ぶりに過去の高値を塗り替えたことになり、上値には値動きの記録がほとんど残らない真空地帯が広がります。株式市場の商いが高水準で推移するなか、売買を収益源とする証券会社への追い風は続いており、地合いが総崩れとなった本日も+1.94%と上昇。日経平均の大幅安に逆らって高値を更新した点に、相対的な強さがにじみます。個別の新規材料は見当たらず、金融・証券株全体への資金流入と、長期の節目を抜けたことによる需給の軽さが背中を押した動きと見られます。
ココに注目!: 約20年ぶりの高値更新で上方の抵抗が乏しいなか、パーフェクトオーダーと三役好転がそろい、トレンドの形は理想的です。平均値幅率は2%台と値動きは荒くなく、静かに水準を切り上げてきた点は、急騰銘柄にありがちな脆さとは一線を画します。ただRSI14は60台後半と過熱の入り口に差しかかり、株価はボリンジャーバンドの+2σを超えて+3σをうかがう帯域にあるため、短期的な過熱感は意識しておきたいところです。目先の押し目は5日線と+1σが重なる4,080〜4,095円処。それより下では、6月下旬に上放れ前に2月ごろからもみ合った4,000円処から25日線の3,975円処にかけてが、上昇の起点として下値の受け皿になります。信用の貸借倍率は16倍と買い長で、上昇のなかで積み上がった買い方の戻り待ちの売りが、上値での重しになりうる点は留意しておきたいところです。
日本プロセス(9651)
前日の取引終了後に発表された本決算が、注目を集めました。通期業績予想の上方修正に加え、9期連続となる増配が示され、好感した買いが殺到。夜間の私設取引で急騰した勢いをそのまま持ち込み、前日終値を8%超上回る水準に大きく窓を開けて寄り付くと、一度も前日終値を下回ることなく上値を追い、+11.89%の大幅高で高値引けとなりました。出来高は25日移動平均の実に12倍超と、普段の商いをまったく異にする規模に膨らんでおり、上場来高値を明快な材料とともに更新した一日です。
ココに注目!: RSI14は80に達し、25日線乖離率は17%超、株価はボリンジャーバンドの+3σを上抜けて帯が急拡張しています。指標のどれもが極端な過熱を示しており、材料出尽くしや利益確定の反動が出やすい位置にあります。時価総額200億円に満たない小型株で、平均値幅率も切り上がっているだけに、急騰の裏返しとしての急落には警戒が要ります。加えて移動平均線の並びは、25日線がなお75日線・200日線を下回る混在型で、長い横ばいから跳ね上がったばかりの若いトレンドであることも示しています。目先は昨年末からもみ合った高値圏である1,900円台、次は本日開けた窓の下限にあたる1,820円処が、値を消す場面での押し目候補として意識されます。本日開けた窓である真空地帯を1,800円処の従来水準まで戻す程度の調整なら材料株としての範囲内ですが、25日線が控える1,710円処までの下押しとなれば、それは押し目というより上昇の勢いそのものの調整と捉えるべき水準です。過熱がこれだけ強い以上、飛びつきよりも、値動きが落ち着いてからの水準を見極めたい状態です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
サーラコーポレーション(2734)
上場来高値1,228円まで、あと6%程度に迫ってきました。引き金は前日の取引終了後に発表された中間決算です。中間期として過去最高の利益を計上したうえ、通期業績予想の上方修正と増配もあわせて示され、これを好感した買いが集まりました。本日は寄り付きこそ小安く始まったものの、そこから買い優勢の展開に転じ、+3.12%と上値を伸ばしています。ザラ場では上場来高値へ一段と接近する場面もあり、節目の意識が徐々に芽生えてきました。地合いが崩れた一日にしっかりと上昇した点も、決算に対する評価の高さを裏づけています。
ココに注目!: RSI14は70台後半、25日線乖離率も10%超と、短期的にはやや買われ過ぎの領域に入ってきました。株価はボリンジャーバンドの+2σと+3σの間にあり、上昇の勢いは強い一方で、いったんの過熱調整が入りやすい水準でもあります。信用の売り残が乏しく買残回転も1日に満たないため、需給面のしこりは軽く、値動きの素直さは強みです。焦点は上場来高値1,228円を明確に上抜けられるかどうかで、出来高を伴って超えれば上値に記録のない真空地帯へ入ります。押し目は5日線から+1σが重なる1,090〜1,110円処が浅い水準として意識され、上昇シナリオを見直すのは、25日線の1,040円処を終値で割り込む場面です。
キユーピー(2809)
日経平均が大きく崩れた一日に、逆行して上場来高値に迫り、高値引けで着地しました。+2.20%と堅調で、内需ディフェンシブが避難先として買われた本日の物色をそのまま体現した動きです。上場来高値4,700円まではあと2%程度と、射程距離に捉えつつあります。翌9日には中間決算の発表を控えており、業績への期待が株価を先回りして押し上げている面もありそうです。決算を前にした高値圏での推移だけに、発表内容次第で振れやすい点は意識しておきたいところです。
ココに注目!: 信用の貸借倍率は0.6倍台と売り残が買い残を上回っており、株価上昇の場面では買い戻しが上値を後押しする踏み上げの余地を残しています。もっとも買残回転は1日に満たず、買い方のしこりはごく軽いため、需給は総じてすっきりした状態です。RSI14は70台前半、株価はボリンジャーバンドの+2σを超えた帯域にあり、過熱感は出始めていますが、平均値幅率は2%台と値動き自体は落ち着いています。最大の注目は翌日の決算で、これが上場来高値4,700円へ挑む後押しとなるか、出尽くしの利益確定を招くかの分岐点になります。押し目は5日線の4,470円処が浅い支持、+1σの4,400円処が中期の拾い場です。決算が失望を誘い25日線の4,230円処を終値で割り込むようだと、目先の強気シナリオはいったん白紙に戻ります。
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