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新高値投資を続けていると、「上場来高値を更新しているのになぜかすぐに反落した」という経験をすることがあります。その原因のひとつが、ベース(保ち合い)を確認せずに飛びついて買ってしまうことです。
この記事では、チャート分析で重要な「ベース(保ち合い)」の意味と、ブレイクアウトの見極め方を解説します。
ベース(保ち合い)とは
ベース(または保ち合い)とは、株価が一定の価格帯の中で横ばいを続ける期間・価格帯のことです。主に上昇トレンドの途中に現れる「踊り場」ですが、下落後の底入れ局面(ダブルボトムやソーサーボトムなど)でも形成されます。
チャート上では、高値と安値が一定の範囲に収まったまま、明確な上昇も下落もしない期間として現れます。この期間は数週間〜数ヶ月にわたることが多く、特にCAN-SLIM理論を提唱したウィリアム・オニールの著書『How to Make Money in Stocks』では、最低5〜7週以上の保ち合いが本格的なベースとされており、長く堅固なベースほどブレイクアウト後の上昇が力強くなりやすいとされています。
なぜベースが形成されるのか
上昇した株価が一時的に横ばいになる理由はいくつかあります。
利益確定売りが出る
上昇で含み益が膨らんだ投資家の一部が売りに出ます。この売りを新たな買い手が吸収しながら、株価が一定の範囲で落ち着く状態になります。
次の上昇エネルギーを蓄える
投資家の入れ替えが起き、保有者の平均取得単価が徐々に切り上がっていきます。この「資金の乗り換え」が終わると、次の上昇に向けた準備が整ったと解釈できます。
ブレイクアウトとは
ブレイクアウトとは、ベース内の高値(ピボットポイント)を出来高を伴って上抜けることです。「ピボットポイント」はウィリアム・オニールが提唱した概念で、ブレイクアウトを判定する基準値を指します。たとえばカップウィズハンドル型のベースでは「ハンドル部分の高値」がピボットポイントになります。
単なるサポート&レジスタンスの突破とは異なり、出来高の急増を伴うブレイクアウトは、機関投資家など大口の資金が動き始めているサインとして重視されます。

新高値投資では、上場来高値の更新とブレイクアウトが重なるタイミングを特に重視します。長いベース形成後の上場来高値更新は、しこりのなさとブレイクアウトの双方が揃った、理想的なエントリー候補と言えます。
【関連】エントリーの最適タイミング
ベースの代表的な4パターン
ベースには形状によっていくつかのパターンが知られています。ここでは新高値投資の現場でよく出てくる4つを簡潔に解説します。
カップウィズハンドル
オニールが「最も成功率の高いパターン」と評した代表的なベース。U字型に下落→回復した後、右側で小さく押し目を作る(ハンドル部分)形状です。ベース全体の形成期間は3〜6ヶ月が目安で、ハンドルの高値(ピボットポイント)を出来高を伴って上抜けたタイミングがエントリー候補になります。

フラットベース
横ばいの値動きが続くシンプルなパターン。最低5〜7週以上の保ち合いで、高値と安値の差(ベース内の調整幅)が15%以内に収まる形が理想とされます。すでに大きく上昇した銘柄が次の上昇に向けて整える「2段目のベース」として現れることが多いパターンです。

ダブルボトム(W字型)
下落→反発→再下落→反発、というW字型のベース。底入れ局面のベースとしてよく出現します。2回目の安値が1回目より少し下回ってから反発するケースが信頼性の高いパターンとされ、形成期間は7週以上が目安です。

VCP(ボラリティ収縮パターン)
マーク・ミネルヴィニが提唱したパターンで、ベース内で調整幅が段階的に縮小していく形状を指します。たとえば「最初の調整は20%、次は10%、最後は5%」のように値動きが収れんしていく姿で、ブレイクアウト直前の典型的な兆候とされます。当ブログでも「ベース乖離率」が小さいまま新高値を更新する銘柄はVCP的な動きが多く観察されます。

ベース乖離率(当ブログ独自指標)
当ブログの上場来高値リストには「ベース乖離率」という独自指標を掲載しています。
ベース乖離率とは、直近の保ち合い(ベース)水準から現在の株価がどれだけ離れているかをパーセントで示した指標です。
- 5〜20%程度:ブレイクアウト直後のちょうど良いゾーン。勢いがありながら過熱しすぎていない
- 20%超:ブレイクアウトからかなり時間が経過し、追いかけ買いのリスクが高まっている水準
- 5%未満(またはマイナス):まだブレイクしていない、またはブレイク失敗の可能性
ベース乖離率が小さい(ブレイクアウト直後の)タイミングを狙えると、損切り幅を抑えながらリスクリワードの良いエントリーができます。
出来高との組み合わせ方
ベースのブレイクアウトを確認するうえで、出来高は最も重要な確認項目のひとつです。
出来高を伴うブレイクアウト(有効なサイン)
ベース上限を上抜けた日の出来高が25日平均比で2倍以上(最低でも1.5倍以上)あれば、機関投資家の買いが入っている可能性が高く、ブレイクアウトの信頼性が上がります。
出来高を伴わないブレイクアウト(注意が必要)
出来高が増えていない状態でベース上限を突破した場合、大口の資金が入っていない可能性があります。「ダマシ(偽りのブレイクアウト)」として再度ベース内に戻るケースがあります。
【関連】出来高の読み方
チャートでの確認方法
TradingViewなどのチャートツールを使うと、ベースの確認とブレイクアウトの判断がしやすくなります。週足チャートで保ち合いの範囲を把握し、日足でブレイクアウトの出来高を確認するという使い方が実用的です。
TradingView単体での具体的な活用法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
【関連】TradingView活用ガイド
まとめ
- ベース(保ち合い):株価が一定の価格帯で横ばいを続ける期間。次の上昇へのエネルギーを蓄える段階
- ブレイクアウト:ベースの上限を、出来高を伴って突破すること
- 当ブログのベース乖離率は5〜20%が理想的なゾーンの目安
- 出来高の確認がブレイクアウトの信頼性を左右する
ベースとブレイクアウトの概念を身につけると、「どのタイミングで上場来高値銘柄にエントリーするか」の判断軸が明確になります。上場来高値リストとあわせて活用してみてください。
【関連】大化け候補の絞り込み方
ブレイクアウト投資全体の概念やチャートパターンを実際の銘柄選びに活用するには、スクリーニング機能と組み合わせるのが効率的です。新高値投資に適した証券会社の選び方はこちらでまとめています。
本記事は情報提供を目的としており、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任において行ってください。


