本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は33銘柄でした。
先週末からの急ピッチな上昇に、本日は急ブレーキがかかりました。日経平均は前日比931円安の67,470円と4営業日ぶりに反落し、下げ幅は一時1,400円を超える場面もありました。引き金となったのは、前日の取引終了後に米半導体大手ブロードコムの株価が時間外で急落したことです。同社のAI半導体は好調だったものの、先行きの見通しが市場の高い期待に届かず失望売りが広がり、この流れが東京市場のAI・半導体関連株に波及しました。前日まで相場を牽引してきた主役が、一転して指数の重荷に変わった格好です。
象徴的だったのがソフトバンクグループで、11%あまり下落し、1銘柄で日経平均を754円押し下げました。前日に時価総額日本一へ駆け上がった同社が、本日は午後に一時キオクシアへ首位を譲る場面もありました。加えて、日銀が6月会合での利上げを検討していると伝わったことで割高感を意識した売りが出やすく、中東情勢を巡る米国とイランの応酬が続いていることもリスク回避姿勢を強めています。前日の米国市場はNYダウが-1.21%、S&P500が-0.74%、NASDAQ100が-0.29%とそろって下落しており、外部環境にも下支えを欠きました。
ただし、中身は全面安というほど単純ではありません。TOPIXは前日比-1.11%の3,951.85、グロース250は-2.65%の743.77と、中小型・新興がより大きく値を消しました。東証プライムの騰落は値上がり433に対して値下がり1,079と全体の7割弱が下落しており、指数の方向と騰落の方向がそろって下を向いた点は、ここ数日続いた指数高・中身安の乖離とは様相が異なります。これまでは大型AI・半導体に資金が集中し中小型が取り残される構図でしたが、本日はその集中していた主力自体が利益確定に押されました。
一方で、売買代金は東証プライムで約10.18兆円と、前日までの12兆円台からやや細りました。投げ売り一色ではなく、過熱していた主役を手仕舞いつつ、資金の一部は別の対象へ向かっています。本日上場来高値を更新したのは京三製作所や北興化学工業といったAI・半導体とは距離のある銘柄で、ウエハー搬送のローツェも半導体株安をよそに逆行して新高値を取りに行き、建機の竹内製作所も上場来高値をうかがう堅調さでした。総じて本日は、急騰してきた主導役の過熱を冷ます調整と、その裏で進む個別物色とが交錯した一日でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
京三製作所(6742)
日経平均が900円を超えて下げる地合いのなか、本日は2段エンジンのように前場・後場と上値を切り上げました。前場は寄りから52週高値水準まで一気に値を上げたのちは小動きでしたが、午後に入るとさらに買いが膨らみ、2018年に記録した上場来高値を更新すると14時半前にはストップ高となる921円まで一気に駆け上がっています。その後は利益確定売りが出ましたが、終値は前日比129円高の900円と高値を維持しています。鉄道信号で国内トップクラスの同社ですが、本日は特段の新規材料は見当たらず、わずか1日で+16%超も値が飛んだ急騰でした。時価総額500億円台で日々の値動きが軽くなりやすい中型株だけに、はっきりした手掛かりを欠いたまま一方向に振れた点は、裏を返せば反動も出やすいことを意味します。
ココに注目!:注目すべきは過熱の度合いです。RSI14は78前後まで上昇し、株価はボリンジャーバンドの+3σを大きく超えています。25日線乖離率も+19%超と、たった1日で平時の何倍もの距離まで開きました。平均値幅率が4%台の銘柄が1日で16%超も動いたことを踏まえると、これは値持ちを確かめながら積み上げた上昇というより一気呵成の急伸で、ストップ高に対して終値が一段低い点も、上値の売りをこなしきれていないことを示しています。勢いが一服すれば、2018年の上場来高値水準860円付近や5月半ばの戻り高値水準である820円付近までの押しは想定しておきたいところです。さらに過熱を解消する展開となれば、急騰前の値位置と重なる25日線(750円付近)が下値メドになりますが、そこまで戻すなら本日の急伸はいったん帳消しで、上昇の持続性そのものを見直す水準です。逆に790円付近を終値で固めて持ちこたえられれば、急騰がだましでなかったことの確認材料になるでしょう。
北興化学工業(4992)
スタンダード市場の農薬大手が、後場に一気に水準を切り上げました。前場は前日終値近辺でもみ合っていましたが、午後に買いが集中して1,997円まで駆け上がり、上場来高値を更新、前日比+10%の1,964円で引けています。1日の値幅が248円と、平均値幅率2%台というふだんの値動きの何倍にもあたる大きさで、出来高も25日平均の4倍超に膨らみました。本日は直接的な手掛かりとなる材料は確認できませんが、株価純資産倍率が1倍を割れる水準の農薬・ファインケミカル株が、地合いの崩れるなかで逆行高となった点には相対的な強さがにじみます。
ココに注目!:年初から1,650円~1,850円のレンジ相場を演じていたため、本日の急騰でボリンジャーバンドの拡がり方が目を引きます。±1σの幅は急速に広がり、株価は+3σの外側へ飛び出しました。ボラティリティが急激に立ち上がっていることを明示しており、こうした急拡張のあとは反動が出やすい点に留意が必要です。一方で移動平均線の並びはまだ混在で、25日線がなお75日線をわずかに下回っています。長期の上昇トレンドとして固まる前の若い段階にあり、勢いの強さほどには地固めが進んでいないことを示しています。このまま更なる上昇もないとは言い切れませんが、各移動平均線がスクイーズしている状態であるため、上昇にはそれらが上向いてくる必要があるでしょう。当面は、レンジ相場の高値ラインでもあり5日線と+1σが重なる1,800円付近が最初の支えの目安です。過熱を冷ます調整となれば、25日線と75日線が集まる1,760円付近までの押しは想定の範囲で、ここはちょうど急騰前にもみ合っていた価格帯とも重なります。逆に言えば、1,800円台を保てずにこの帯へ沈むようだと、本日の上抜けはだましだった可能性が高まります。RSI14は72前後と過熱圏に入りつつありますが、まだ振り切れるほどではありません。
ローツェ(6323)
前回取り上げた際は、過熱を冷ます窓埋めの調整がいったん入り、そのうえで本格的な上昇に移るという見立てを示しました。その後は完全な窓埋めには至らなかったものの、1~2月の高値水準まで押し、レンジ相場が続いていました。しかし、昨日わずかに5月12日に記録した上場来高値を抜き、本日も一段高を演じました。半導体株が総じて売られた地合いでの逆行高で、確かな業績の裏付けを持つ装置関連として根強い物色が続いていることがうかがえます。もっとも、高値は最後まで維持できませんでした。前場につけた4,590円を後場は超えられず、高値から押し戻されて前日比+4.9%の4,424円で引けており、昨日に続いて真空地帯に突注しつつも傾きの緩い25日線に引っ張られるかのように上髭をつけています。
ココに注目!: 前回気がかりだった移動平均線の並びは、いまや5日線・25日線・75日線・200日線がきれいに上から並ぶパーフェクトオーダーへと整い、トレンドの土台は強くなりました。ただし200日線からの乖離は+60%超、75日線からも+29%と、長い目で見た株価の伸び切り方は相当なものです。平均値幅率が5%を超えるボラティリティの高い銘柄でもあり、日々の値幅が大きく振れやすい点はリスクとして意識しておきたいところです。当面の支えは、5日線と+1σが重なる4,050〜4,080円付近です。ここを割れて調整が深まる場合は、前日に開けた3,835〜3,960円の窓や、その下の25日線(3,880円付近)が下値の目安になります。RSI14は68手前とまだ振り切れておらず、本日の高値4,590円を終値で明確に上抜けてくれば、息切れを払拭して上値追いが再開する可能性があります。なお信用の買い残は出来高の2日弱と量そのものは重くないものの、貸借倍率は32倍と買い長に大きく傾いており、上値では戻り売りが出やすい構造である点は頭の片隅に置いておきたいところです。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
竹内製作所(6432)
数日もみ合っていたレンジ相場を、本日まとめて上に抜けてきました。2月25日に上場来高値を最後に更新してからは中東情勢の影響もあって3月末まで下落基調となっていました。その後は切り返したものの、戻りの上限は4月10日の7,400円どまりでしたが、その上限を出来高を2倍に増やしながら明確に突き破った点が今日の主役です。終値は前日比+5.8%の7,510円、ザラ場では7,570円まで買われ、上場来高値の7,760円まであと3%強に迫っています。ミニショベルで欧米に強い建機メーカーで、本日は目立った新規材料は出ていませんが、日経平均が下げ、利上げ観測が輸出株への逆風になりかねない地合いでの上抜けだけに、相対的な強さは際立ちます。
ココに注目!:焦点は、この上放れが本物かどうかです。ボリンジャーバンドの幅は横ばいで、25日線もほぼ水平に寝ており、ここまでは方向感の乏しい持ち合いでした。こうした持ち合いは本来、振れても中心線へ引き戻されやすく、本日終値でレンジ上限を出来高増とともに上抜けたことは、その均衡が崩れ始めた初動と評価できます。ただし一目均衡表はまだ三役好転に至らず、転換線と基準線が同値で並んでおり、上昇への転換を完全には確認しきれていません。上場来高値の更新を終値で果たせるかどうかが、上放れを確定づける分かれ目になります。下値では、5日線・25日線・一目の転換線と基準線がそろって集まる7,000円付近が要の支持帯で、ここを終値で割り込むと再びレンジ相場へ逆戻りという見方になります。なお貸借倍率は25倍と買い方に傾いており、上値では戻り売りも出やすいものの、買い残は出来高の2日半程度とまだ消化できる範囲です。
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