本日の相場概況
昨夜の米国市場は方向がそろいませんでした。NYダウは+0.26%の53,417.16ドルと小幅に上げた一方、S&P500は-0.28%の7,652.86、NASDAQ100は-0.97%の29,023.18と下げています。ハイテク株の重さが目立つ引けでした。
東京市場も売りが先行しました。日経平均は前日終値から333円安い65,195円で寄り付き、午前のうちに64,609円まで下押ししています。前日終値からの下げ幅は919円に達しました。ところがそこからは戻り一色に変わります。65,904円まで買い直され、終値は328円高の65,856円、+0.50%です。安値からの戻り幅は1,247円、日中の値幅は1,295円に広がりました。前日に下げた分を、寄り付きで一度突き落としてから丸ごと取り返した一日です。
TOPIXも20.38ポイント高の4,093.67で+0.50%と、日経平均に足並みをそろえました。最も強かったのはグロース250で、9.93ポイント高の781.30、+1.29%と高値圏で引けています。東証プライムの値上がりは846銘柄、値下がりは647銘柄で全体の41.6%にとどまりました。値嵩株の重さから日経平均だけが逆を向く形が2営業日続いていましたが、本日は3指数がそろって上昇し、値上がり銘柄数も上回っています。
一方で売買代金は7兆99億円と、前日から500億円あまり減りました。19日の10兆1,151億円から4営業日続けての減少です。1,300円近い値幅の出た日にもかかわらず商いは細っており、この戻りは新しい資金が入ったというより、薄い板のなかで売り方の買い戻しが増幅された面が大きそうです。
上場来高値を更新したのは23銘柄で、前日の36銘柄から13銘柄減りました。指数が戻した日に高値更新の数は逆に絞り込まれています。業種で最も多かったのは卸売業の6銘柄で、TOKAIホールディングス、ハピネット、カメイ、第一実業、三谷商事、伊藤忠エネクスが並びました。次いでサービス業が4銘柄、海運業が3銘柄と続きます。前日まで厚かった食料品は2銘柄まで減り、内需のなかでも商社・卸へ寄った顔ぶれに変わりました。
規模の面では、時価総額1兆円を超えたのは日本郵船の2.88兆円、商船三井の2.48兆円、川崎汽船の2.05兆円で、前日と同じ海運の大手3社です。ただし3社ともザラ場で高値を更新しながら前日比マイナスで引けました。23銘柄のうち前日比マイナスは7銘柄で、その半分近くを海運が占めています。大型で上値を買い切れないなか、上昇率の上位はティアフォーの+21.48%、レントラックスの+8.48%、MTGの+5.52%と中小型が並びました。グロース250の強さと重なる形で、資金は値動きの軽い銘柄へ向かっています。
なかでも目を引くのが情報・通信業の2銘柄です。GOとティアフォーが顔を出しましたが、どちらも今年に入ってから上場したばかりの新顔で、長い株価の歴史を持たない銘柄が高値更新の一角を占めました。値動きの安定した業種が高値更新の土台を支え、その上で上場間もない成長銘柄が値幅を稼ぐ形になりました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
TOKAIホールディングス(3167)
8月7日にこの銘柄を取り上げたとき、5日線は25日線をまだ下回り、一目均衡表の転換線と基準線も同じ水準に並んだままでした。次に見たいのはこの並びが変わるかどうかだと書きましたが、それから2週間あまりで移動平均線はパーフェクトオーダーへ変わり、三役好転も成立しています。
本日は1,288円まで買われて上場来高値を更新し、終値は1,286円、前日比+1.98%です。前日に続いて2営業日連続の更新です。52週で7回の更新はすべて8月7日以降に集中しており、直近10営業日でも5日で高値を塗り替えてきました。寄り付きから買い優勢の展開が続き、前場のうちに1,283円まで上げたあと後場もほとんど押さず、14時台に本日の高値を付けています。ただし出来高は25日平均をわずかに下回っており、商いそのものは平常の範囲でした。
ここに注目!: 前回この銘柄を見たときとの最大の違いは、価格ではなく土台のほうです。移動平均線は5日線から200日線まで上から順に並び、一目均衡表も三役好転が成立しました。株価は雲の上端1,150円付近を大きく上回った位置にあります。ボリンジャーバンドの帯そのものも5日前比で1%台の切り上がりを続けており、±1σ幅は5日前の1.2倍と広がりは横ばいの範囲です。価格だけが飛び出したのではなく、価格帯ごと水準を上げている状態で、8月上旬に決算と自社株買いで窓を開けたあとの上昇が腰の据わった形へ変わってきました。
需給も軽い状態です。信用買残は出来高25日平均の0.1日分程度しかなく、上値で溜まった買い方の手仕舞いを気にする必要はほとんどありません。むしろ信用売残が買残を上回る売り長で、貸借倍率は1倍を割り込んでいます。上場来高値を更新している銘柄に売り方が残っている構図は、上値で買い戻しを呼び込む余地を残した形でもあります。
RSI14は70前後まで上がってきましたが、平均値幅率は2%台と落ち着いており、日々の値動きが荒れているわけではありません。押し安値も8月19日の1,237円、24日の1,260円と切り上がりが続いています。継続の目安になるのは1,250〜1,260円のゾーンです。5日線とボリンジャーバンドの+1σがこの価格帯に重なっており、終値でここを維持できているあいだは、パーフェクトオーダーと三役好転の並びも保たれます。ここを終値で明確に割り込んで戻せないようだと、8月に入ってからの上昇はいったん仕切り直しです。さらに25日線の1,190円台まで戻すようであれば、決算をきっかけにした買いが一巡したと見る場面になります。ひとつ気になるのは、本日の高値更新に出来高が伴っていないことで、25日平均を下回る商いのまま上値を追えるかどうかは更新のたびに確認しておきたいところです。
GO(581A)
6月16日にグロース市場へ上場したばかりのタクシー配車アプリ最大手です。本日は3,960円まで買われて上場来高値を更新しましたが、終値は3,875円、前日比+0.13%と、ほとんど動かずに引けています。出来高も25日平均をやや下回る水準にとどまりました。昨日24日には+6.32%と大きく水準を切り上げており、本日はその高い水準をそのまま守った形になります。前日に続く2営業日連続の高値更新ではあるものの、本日については新しく買い上がられたというより、前日の急伸を消化した一日と見るのが自然でしょう。ザラ場では3,770円まで押す場面もあり、当日の値幅は190円に達しています。
ここに注目!: この銘柄で最も目を引くのは、ボリンジャーバンドの帯そのものの動き方です。中心線は5日前比で6%台の切り上がりとなっており、価格が飛んだだけでなく、値動きの中心にある価格帯ごとひと回り上がりました。一方で±1σ幅は5日前とほとんど変わっていません。帯の幅を広げずに帯ごと上へ移動しているわけで、ボラティリティを急激に高めながらの上昇ではなく、水準そのものの訂正が続いている状態です。株価は+1σと+2σのあいだにあり、ザラ場では+2σの3,940円付近を上回る場面もありました。
ただし上場からの日数が浅いぶん、判断に使える物差しは限られます。75日線も200日線も、一目均衡表の雲も、算出に必要な営業日数がまだ溜まっていません。上値のどこに戻り売りが待っているかを過去の価格帯から読むこともできず、株価の位置を測れるのは5日線と25日線、それに上場来の高安だけです。平均値幅率は6%を超えており、1日で数百円動くのが普通の銘柄だという前提で見ておく必要があります。信用買残は出来高25日平均の1日分程度まで積み上がっており、極端に重い水準ではありませんが、上場から2か月余りで溜まった買残であることは意識しておきたい点です。
ティアフォー(593A)
25日平均の3.4倍という商いを伴って、株価は一日で2割を超える上昇となりました。1,132円で寄り付き、当日の安値は1,126円でした。30分足では寄り付き直後から買いが入り、最初の30分で1,338円まで水準を切り上げています。その後いったん1,220円近辺まで押し戻される場面を挟みながら、後場に入って再び上値を追い、引け間際に1,415円まで買われました。終値は1,391円、前日比+21.48%です。上場3日目の7月24日に付けた上場来高値を、およそ1か月ぶりに塗り替えました。今回の上昇の起点は8月20日です。この日の後場に、自動運転レベル4への対応に向けたルネサス エレクトロニクスとの協業が開示され、株価は開示直後から急伸して高値引けとなっています。週明けにかけては外資系証券が新規に強気の投資判断を付与したと伝わり、自動運転の中核銘柄としての評価が広がりました。
ここに注目!: まず押さえておきたいのは、上場から極めて日が浅く、取引営業日がまだ24日しかないことです。25日線もボリンジャーバンドも一目均衡表の雲も、算出に必要な日数が溜まっていません。株価の位置を測る手掛かりは、5日線と上場来の高安、それに直近の値動きに限られます。長期の移動平均線が形になっていない銘柄で、上方に戻り売りの待つ価格帯が乏しいのは事実ですが、それをもって腰の据わった上昇トレンドが確立したと判断できる段階ではありません。そのうえで、値動きの構造そのものは強い形になっています。安値は8月19日の880円から本日の1,126円まで、5営業日続けて切り上がりました。8月上旬に付けた上場来安値871円から、3週間足らずで水準がまるごと入れ替わっています。ルネサスとの協業が開示された20日は高値引けで、20日以降は終値が前日の高値を上回る日が4営業日続いており、買いが一巡した気配は本日の引けまで出ていません。
一方で、平均値幅率は6%を超えています。1日の値幅が大きい銘柄であることは、本日の安値1,126円と高値1,415円の開きを見ても明らかです。5日線との乖離も26%台まで開いており、この伸び方が長く続く前提で見るのは危険でしょう。貸借倍率は80倍台と買残に大きく偏っており、上値では戻り売りが出やすい状態にあります。ただし上場から1か月余りで積み上がった買残で、需給の形そのものがまだ定まっていない点には留意が必要です。当面の観測点は本日の安値1,126円です。終値でここを維持できているあいだは、切り上がってきた押し安値の並びは崩れません。割り込んだ場合の次の目安は24日の安値1,088円、さらに協業が開示された20日の終値1,033円で、この水準まで戻すようだと、材料をきっかけにした買いは一巡したと見る場面になります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
アクシアル リテイリング(8255)
新潟県を地盤とする食品スーパーです。値動きが派手な銘柄ではありませんが、8月17日以降の6営業日で終値は1,202円から1,280円まで水準を上げてきました。出来高は25日平均の1.3倍と、ここ数日より商いが膨らんでいます。本日の終値は2021年1月12日に付けた上場来高値1,335円まで4%程度に迫っています。5年半ぶりにこの水準が射程へ入ってきたことになります。ザラ場では1,272円まで押す場面もありましたが、当日の値幅は16円にとどまり、上げた水準をそのまま保って引けました。直近の開示は8月上旬に発表された第1四半期決算で、経常減益での着地でした。本日の商いの膨らみは、その決算を蒸し返す動きというより、上場来高値という節目が近づいたことに反応したものと見るのが自然でしょう。
ここに注目!: 一目均衡表は三役好転が成立しており、株価は雲の上端1,150円付近を大きく上回った位置にあります。ボリンジャーバンドの帯も5日前比で1%台の切り上がりを続けており、+1σと+2σのあいだを歩く形が保たれています。上場来高値の更新を目前にした銘柄としては、土台の整い方は素直な部類でしょう。ただし移動平均線の並びは混在のままです。5日線と25日線は200日線の上へ出ていますが、75日線がなお200日線を下回っています。中期の上昇が始まってから日が浅く、長期のトレンド転換が確認しきれていない段階だということです。75日線が200日線を上抜けてくれば、腰の据わった上昇への移行が期待できる場面になります。需給の形も上値を追いやすい方向を向いています。信用売残が買残を上回る売り長で、貸借倍率は1倍を割り込んでいます。買残は出来高25日平均の0.1日分程度と、上値で溜まった買い方の手仕舞いを気にする必要のない水準です。上場来高値という分かりやすい節目を目前に売り方が残っている構図は、そこを抜けた場合に買い戻しを呼び込みやすい形でもあります。
RSI14は65前後、平均値幅率は2%台と、数字の面で張り詰めた様子はありません。押し安値も8月17日の1,199円、21日の1,253円、24日の1,258円、本日の1,272円と切り上がりが続いています。継続の目安になるのは1,260円台です。5日線とボリンジャーバンドの+1σがこの価格帯に重なっており、終値でここを維持できているあいだは、三役好転と帯の切り上がりが同時に保たれます。そのうえで、上場来高値1,335円を終値で上抜けられるかどうかが目先の見どころです。25日線の1,220円台まで戻すようだと、8月中旬から続いてきた水準の切り上げはいったん止まったと見る場面になります。
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