本日の相場概況
前日の米国市場は、方向感の乏しい引けでした。NYダウは-0.21%の53,463.88ドル、S&P500は-0.02%の7,675.70、NASDAQ100は+0.05%の29,224.52です。3指数とも変動率は0.2%以内で、東京市場への手掛かりには乏しい内容でした。それでも日経平均は買いが先行しました。66,775円で寄り付いたあと66,954円まで水準を上げましたが、上値を保てたのはそこまでです。そこからはじりじりと売られて65,782円まで下押しし、終値は130円安の66,131円、-0.20%でした。高値から終値までの下げ幅は823円、日中の値幅は1,172円に広がっています。25日・26日と2営業日続いた「寄り付きで売られてから終日買い戻される」形が、本日はそっくり裏返りました。
TOPIXは6.20ポイント高の4,117.22で+0.15%とプラスを確保しています。最も強かったのはグロース250で、16.81ポイント高の797.96、+2.15%とほぼ高値のまま引けました。東証プライムの値上がりは712銘柄、値下がりは769銘柄で全体の49.4%を占めています。値下がり銘柄のほうが多いなかでTOPIXがプラスを保ち、グロース250だけが2%を超えて上げました。指数の方向感は三者三様に割れています。
商いには変化がありました。売買代金は7兆8,700億円と、前日から1兆1,600億円あまり増えています。19日の10兆1,151億円から5営業日続いた減少は、ここで止まりました。日経平均が小幅安で終わった裏側で、資金そのものはむしろ活発に動いています。
上場来高値を更新したのは38銘柄で、前日の33銘柄からさらに5銘柄増えました。業種で最も多かったのは卸売業の8銘柄で、高速、カメイ、スターゼン、山善、第一実業、三谷商事、中央自動車工業、日本電計が並びます。ここは24日に情報・通信業・サービス業と6銘柄で並んで以降、25日から3営業日続けて単独で最多の座にあります。変化が出たのは金融です。銀行業がしずおかフィナンシャルグループ、富山第一銀行、百五銀行、阿波銀行、名古屋銀行の5銘柄まで増え、今村証券と岩井コスモホールディングスの証券2社も加わりました。前日は地方銀行2行だけでしたから、一気に厚みが出た形です。以下、サービス業4銘柄、情報・通信業3銘柄、金属製品3銘柄、小売業3銘柄と続きます。規模の面では、時価総額1兆円を超えたのはリクルートホールディングスの23.54兆円、しずおかフィナンシャルグループの1.92兆円、ゼンショーホールディングスの1.83兆円の3社でした。ただしリクルートホールディングスは-1.08%、ゼンショーホールディングスも-0.76%と、ザラ場でつけた高値を引けまで持ち帰れていません。38銘柄のうち前日比マイナスで引けたのは8銘柄です。
上昇率の上位に並んだのは、ティアフォーの+20.41%、Terra Droneの+12.79%、GOの+8.21%でした。いずれも今年上場したばかりの銘柄か、テーマ性で買われている中小型です。グロース250が2%を超えて上げたことと、この顔ぶれはきれいに重なります。大型株が上値を買い切れないなかで、資金は値動きの軽い銘柄と金融株の一角へ振り分けられました。指数の見た目は静かでも、中身では買われる層が入れ替わり続けています。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
Terra Drone(278A)
2営業日続けて開示が株価を動かしています。25日の取引終了後に、防衛装備庁の迎撃ドローン早期取得プログラムで国産の迎撃ドローンが単独で実証試験を通過し、量産・納入の段階へ進むと発表されました。これを受けた26日はストップ高。そして本日は取引開始前の8時に、9月30日を基準日として1株を2株に分割すると発表しています。買い気配で始まった株価は17,700円で寄り付き、いったん17,160円まで押したあとは一気に買い上げられ、10時台に19,860円をつけて5月12日以来の上場来高値更新となりました。その後は18,200円近辺まで戻される場面もありましたが、後場は寄り付きの30分間だけで500万株を超える商いを集めて水準を回復し、終値は19,230円、+12.79%で引けています。出来高は25日平均の4.38倍に達しました。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.4倍へ拡張し、帯の中心も5日前比で+2%台の切り上がりです。終値は19,000円付近の+3σを上回る位置にあり、帯の外側を歩いている状態にあります。出来高が25日平均の4倍を超えていますから、高値更新に商いも伴っています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しており、土台の並びに崩れはありません。25日線乖離率は+47%台、RSI14は73前後と数字は高い水準にあります。ただし崩れの兆候はまだ見当たりません。安値は24日の13,180円から本日の17,160円まで段階的に切り上がっており、帯の位置も切り上がりを続けています。株価が+2σより上を歩いているあいだは、乖離率の大きさ自体が上昇の否定にはなりません。
注意したいのは値幅の荒さです。平均値幅率は6%を超え、本日も一日で2,700円の値幅が付きました。加えて、行使価額修正条項付の新株予約権が26日に大量行使され、本日その行使完了が開示されています。株数が増える方向の動きが同時に進んでいることは、上値を考えるうえでの留意点です。信用買残は出来高25日平均の0.9日分と軽く、買い方の整理が上値を抑える状態ではありません。
継続の確認点は、終値で17,000円付近の+2σを保てるかどうかです。この水準は26日の終値とも本日の安値とも重なります。ここを維持しているあいだは、実証試験の通過を起点にした買いは崩れていないと見てよさそうです。なお本日開けた窓は幅110円、率にして1%に満たない極小のもので、下値の目安には使えません。意味を持つのは26日に開けた窓の下限14,260円付近で、ここを終値で割り込むようだと2日にわたる急伸は仕切り直しとなります。13,000円付近の25日線は現値から3割以上下にあり、そこまで戻す展開になれば8月後半の上げそのものを見直すことになります。
藤田観光(9722)
8月24日にこの銘柄を上場来高値更新間近として取り上げたとき、2月10日につけた2,832円まであと5%あまりだと書きました。その3営業日後にあたる本日、株価はその水準を抜き、2,889円まで買われています。前日終値を下回る2,731円で始まり、当日の安値は2,701円でした。そこからは終日水準を切り上げ、後場に入って上げ足が速まり、大引け間際に本日の高値をつけています。終値は116円高の2,880円、+4.20%と、ほぼ高値引けの形で終えました。出来高は25日平均の1.25倍です。8月上旬に発表された中間決算と通期業績予想の上方修正、そして半期報告書で明らかになったアパグループ3社の大株主浮上をきっかけとする買いが、19日から途切れずに続いている形です。2月10日以来、およそ半年ぶりの上場来高値更新となりました。この1年では10回の更新を重ねてきた銘柄ですが、直近の半年は上値に届かない時間が続いていました。
ここに注目!: 前回この銘柄を見たときに継続の確認点として挙げたのは、終値で+2σを保てるかどうかでした。本日の終値2,880円は、その+2σをわずかに上回る位置です。ぎりぎりではありますが、条件は保たれたまま高値更新まで到達しました。勢いの数字はむしろ強まっています。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.5倍へ拡張し、帯の中心は5日前比で+7%台の切り上がりです。前回は+6%台でしたから、価格帯ごと持ち上がるスピードは落ちていません。
前回と比べてはっきり変わったのは、移動平均線の並びです。24日の時点では25日線が200日線を下回っており、長い流れが上向きに転換しきっていないと書きました。本日は25日線が200日線を上抜けています。残るのは75日線がまだ200日線を下回っている点だけで、並びは依然として混在ですが、土台は一段固まりました。一目均衡表は雲の上で三役好転が続いています。
RSI14は87前後まで上がりました。ただし帯の位置は切り上がりを続け、出来高も25日平均を上回っており、崩れの兆候は出ていません。ひとつ気になるのは、19日から続いていた安値の切り上がりが本日いったん途切れた点です。もっともそのあとは引けまで買われており、押した水準が定着したわけではありません。需給も軽いままで、信用買残は出来高25日平均の0.3日分にとどまり、売残が買残を上回る売り長の形が続いています。上値を追う場面では、売り方の買い戻しが上げ足を速める側に働きます。
継続の目安は、引き続き終値で+2σを保てるかどうかです。ここを維持しているあいだは、19日から続く上げは崩れていないと見てよいでしょう。下値は2,740円付近の5日線が最初の目安で、その下では2,550〜2,570円のゾーンに24日の安値とボリンジャーバンドの+1σが重なります。終値でこのゾーンを割り込むと、大株主の浮上を材料にした買いは一度止まる場面になります。2,260円付近の25日線は現値から2割ほど下にあり、そこまで戻す展開になれば8月の急伸そのものを見直すことになります。平均値幅率は4%台で、本日も一日で188円の値幅が付いています。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
コーナン商事(7516)
出来高が25日平均の1.89倍まで膨らんだ一日でしたが、株価はほとんど動いていません。4,500円で始まり、寄り付きから1時間のあいだに本日の高値4,550円をつけました。そのあとは4,500円台前半での小動きに終始し、終値は4,515円、-0.33%です。注目したいのは、この4,550円が前日の高値とちょうど同じ値段だという点です。2営業日続けて同じ水準で上値が止まり、しかも商いは平均の倍近くまで増えています。後場の寄り付きと13時台には、それぞれ13万株を超える売買が成立しましたが、値段は10円ほどしか動きませんでした。ここに売りが並んでいる形です。株価は8月14日の4,290円から9営業日で5%を超えて水準を上げてきました。2024年5月10日につけた上場来高値4,760円までは、終値からおよそ5%の位置に来ています。
ここに注目!: 値動きの穏やかさが、この銘柄の性格です。平均値幅率は1%台で、日々の値幅は小さくまとまっています。25日線乖離率も+5%台、RSI14は67前後と、過熱を示す水準には届いていません。急騰でここまで来たのではなく、少しずつ水準を切り上げてきた結果として高値圏にいます。上へ向かう力は、静かではあるものの数字に出ています。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.3倍へ拡張し、帯の中心も5日前比で+1%台の切り上がりです。終値は+1σと+2σのあいだに収まり、帯の内側の上半分を歩いている状態です。移動平均線は5日線から200日線まで上から順に並ぶパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しています。長期の土台という点では、整った形にあります。
分かれ目になるのは4,550円です。26日と本日の2営業日、いずれもこの値段で上値を抑えられました。終値でここを上抜け、しかも本日のような膨らんだ出来高を伴えば、2年3ヶ月ぶりの高値更新へ向けた動きが本格化したと見ることができます。逆に、商いが増えたまま上値を抜けない日が続くようだと、この水準に並んだ売りを消化するのに時間がかかります。
保たれている限り強いと見てよいのは、4,440〜4,490円のゾーンです。ここには5日線とボリンジャーバンドの+1σが重なります。終値でこのゾーンにとどまっているあいだは、8月中旬から続く水準の切り上がりは有効です。安値も18日の4,250円から段階的に切り上がり、直近は4,480円前後で下げ渋っています。信用買残は出来高25日平均の1日分、貸借倍率は6倍台と買残に偏っていますが、整理に手間取るほどの重さではありません。
見立てを変える水準は2段階で見ておきたいところです。まず4,300円付近の25日線を終値で割り込むと、8月の上昇は一度仕切り直しになります。その下では4,150円付近に75日線と一目均衡表の雲の上端がほぼ重なって位置しており、ここを割り込むようだと、上場来高値へ向かう流れそのものを見直すことになります。
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