本日の相場概況
日経平均は1,110円安の61,077円、-1.79%と4日続落しました。一方でTOPIXは45.01ポイント高の3,940.39、+1.16%と大きく反発しています。東証プライムの値上がりは1,130銘柄と全体の7割を超え、値下がりの410銘柄の2.7倍でした。指数の数字と市場の中身が、正反対を向いた一日です。
4日の米国市場は、中間選挙で民主党が上下両院の多数派を奪還したことを受け、NYダウが1,569.40ドル高の53,356.12ドル、+3.03%と急伸しました。S&P500も119.70ポイント高の7,688.62、+1.58%、NASDAQ100は256.91ポイント高の28,437.17、+0.91%です。トランプ政権の通商面での強硬姿勢が弱まるとの見方に加え、原油先物の急落で消費の押し上げを見込む買いが小売・外食株に入ったと伝わっています。ただ、半導体株の指数は下げており、データセンター投資の減速への警戒は残りました。
東京市場もこの色分けをそのまま引き継ぎました。日経平均は196円高の62,384円で始まり、62,653円まで上げたあとは、半導体・AI関連の値がさ株への売りに押されて下げ幅を広げます。14時以降は61,000円を割り込み、大引け直前に60,786円まで下げました。アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで約1,557円を押し下げており、日経平均の下げはこの2銘柄で説明がつきます。押し上げ役はファーストリテイリングの約295円が最大で、コナミグループ、トヨタ自動車が続きました。33業種のうち24業種が上げ、輸送用機器、不動産業、ゴム製品が上位、非鉄金属、鉱業、海運業が下位です。売買代金は11兆7,850億円と4日の10兆8,055億円からさらに膨らみ、2日続けて10兆円を超えました。グロース250は17.81ポイント安の751.46、-2.32%と5日続落で、AI関連への売りは新興株にも及んでいます。半導体株から引き揚げた資金が、関税と原油の恩恵を受ける大型株と内需株へ移った循環物色でした。
上場来高値を更新したのは59銘柄で、4日の16銘柄から大きく増えました。59銘柄すべてが上げて引けています。最も多いのは小売業の17銘柄で、そのうち12銘柄が外食です。日本マクドナルドホールディングス(+6.01%)、ゼンショーホールディングス(+4.61%)、すかいらーくホールディングス(+4.39%)といった大手から、サガミホールディングス(+8.49%)、SRSホールディングス(+8.58%)、大戸屋ホールディングス(+8.36%)まで並び、卸売業に分類されるモスフードサービス(+4.61%)も加わりました。食料品は10銘柄で、寿スピリッツ(+10.98%)、サッポロホールディングス(+9.49%)、山崎製パン(+6.97%)、日本たばこ産業(+5.23%)が目立ちます。そのほか東京海上ホールディングスなど損保3社、伊藤忠商事、バンダイナムコホールディングス、コナミグループ(+10.95%)も名を連ねました。時価総額1兆円を超える銘柄が13を数え、1,000億円未満は11銘柄にとどまります。外食・食品の更新は10月30日から途切れずに続いてきましたが、本日はそこへ大型の消費関連・保険・商社が合流し、上場来高値の更新が一段と厚みを増しました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
寿スピリッツ(2222)
4日の取引終了後に発表した上期決算は増益で、会社の当初計画を上回る着地でした。価格改定の効果で採算が改善したことが評価され、本日は前日終値より250円高い2,950円で寄り付きます。10時台には3,049円まで買われて上場来高値を更新し、8月31日につけた2,787円を約2か月ぶりに上回りました。後場に入った直後の時間帯に2,858円まで押しましたが、そこから切り返し、終値は296円高の2,996円、+10.98%です。下げた分を取り戻した長い下ヒゲの陽線で、出来高は25日平均の2.9倍に膨らみました。通期計画は据え置かれており、値上げの効果はまだ計画に織り込まれていないとの見方も出ています。
ここに注目!: 上げの速さが際立ちます。株価は29日の終値2,442.5円から4営業日で2割を超えて上がり、安値も29日以降、毎日切り上がってきました。終値はボリンジャーバンドの+3σを上回り、±1σ幅は5日前の1.5倍に広がっています。一方で帯の中心線の切り上がりはまだわずかで、10月下旬の下げを映した25日線が株価に追いついていません。移動平均線の並びも、25日線が75日線をなお下回る混在の形です。足元の急伸に対し、上昇の土台は整いきっていない状態と言えます。直近1年の上場来高値の更新は8回で、8月末からしばらく空いたあとの更新でした。RSI14は74前後、25日線乖離率は+16%台まで伸びていますが、商いを伴った決算発表後の初動でもあり、数字の高さだけで崩れの兆しとは言えません。
需給は貸借倍率が1倍を割り込み、売残が買残を上回る売り長の形です。買残は出来高25日平均の0.1日分しかなく、上値で戻り待ちの売りが積み上がった状態にはありません。上昇が続くとみられるのは、29日からの安値の切り上がりが途切れず、+2σと8月31日の上場来高値2,787円が並ぶ2,790〜2,820円のゾーンを終値で保つ場合です。25日線が75日線を上抜けてくれば、急伸を支える土台も追いついてきます。本日開けた窓の下限は2,700円で、+1σもその近くにあります。終値でここを割り込むと、決算を受けた上げはいったん帳消しです。
すかいらーくホールディングス(3197)
前日終値より109円高い3,754円で寄り付き、10時台には3,849円まで上げて、2025年12月2日につけた上場来高値3,764円を約11か月ぶりに更新しました。終値は160円高の3,805円、+4.39%で、高値から44円押して引けた陽線でした。出来高は25日平均の1.8倍です。本日は外食株が上場来高値の更新銘柄に12銘柄並んでおり、同社の上げもこの流れのなかにあります。
ここに注目!: 10月21日に更新間近として取り上げた際は、10月8日からの安値の切り上がりが保たれるかを継続の条件とし、3,500円付近を終値で割り込めば上昇はいったん足踏みと書きました。その後、22日に安値が前日を下回って切り上がりは途切れ、28日には終値が3,455円と3,500円を割り込んでいます。ただ、仕切り直しの目安とした3,420円付近までは下げず、28日の安値3,453円を底に切り返しました。安値は28日の3,453円から本日の3,754円まで水準を上げています。前回、高値更新を試す前に商いが伴ってくるかを見どころに挙げましたが、本日の更新は普段の2倍近い商いを伴いました。
移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が続き、上昇の土台は整っています。帯の中心線は5日前比で2%台の切り上がりで、価格帯ごと水準を上げてきました。±1σ幅はほぼ横ばいで、終値は+2σのわずかに上です。RSI14は75前後と高めですが、押し安値を割り込む兆しは見えていません。直近1年の上場来高値の更新は7回で、11か月の空白を挟んで常連の顔ぶれへ戻ってきた形です。需給は貸借倍率が1倍を割り込む売り長で、買残は出来高25日平均の0.2日分と軽い水準です。12日には決算発表を予定しています。上昇が続くとみられるのは、本日開けた窓を埋めずに推移し、終値で+2σ付近を保つ場合です。本日開けた窓の下限は3,681円で、5日線と+1σ、2日・4日の安値が集まる3,610〜3,680円のゾーンが目先の支えとして意識されそうです。ここを終値で割り込むと、更新は一時的な飛び出しに終わったことになります。25日線と28日の安値が重なる3,430〜3,450円まで下げる場合は、10月末からの上昇そのものの見直しが必要です。
伊藤忠商事(8001)
前日終値より89円高い2,360円で窓を開けて寄り付き、2,416.5円まで買われて9月17日以来、約1か月半ぶりに上場来高値を更新しました。終値は125円高の2,396円、+5.48%です。高値は前場の早い時間帯と後場に入った直後の2度にわたって2,415円前後まで迫り、どちらもそこで売りに押されました。中間選挙の結果を受けて半導体株から主力の大型株へ資金が移る流れに乗り、出来高は25日平均の1.7倍まで膨らみました。4日13時に発表した中間決算は増益で、通期計画は据え置いています。その4日は中間選挙の開票で地合いが荒れ、ザラ場で2,184円まで売られる場面もありながら、前日と同値で引けていました。
ここに注目!: 9月3日と8日に取り上げた当時、上昇の土台で未完成だったのは移動平均線の並びで、75日線が200日線を下回っていました。現在はパーフェクトオーダーに並んでおり、一目均衡表の三役好転とあわせて、長期の土台が整った状態での更新です。直近1年の上場来高値の更新は22回を数える常連で、9月の更新からひと月半の足踏みを経て、再び記録を伸ばしました。一方、勢いの数字は落ち着いています。帯の中心線は5日前比でわずかな切り上がりにとどまり、±1σ幅もほぼ横ばいです。終値は+1σと+2σのあいだで、RSI14は63前後、25日線乖離率は+5%台と、上値を急いで追う形ではありません。
時価総額16兆円規模の銘柄らしく、平均値幅率も2%台です。需給は貸借倍率が9倍台と買残に偏っていますが、買残は出来高25日平均の0.5日分にすぎず、重さを気にする水準ではありません。本日の安値2,334.5円は+1σとほぼ同じ水準で、窓を開けた株価はこの水準を割り込まずに引けています。上昇が続くとみられるのは、この+1σの2,340円付近を終値で保ち、2,415円前後で2度跳ね返された高値を終値で上抜けてくる場合です。本日開けた窓の下限は2,298.5円で、5日線と並ぶ2,300〜2,320円のゾーンが次の支えです。ここを終値で割り込むと上昇の流れは仕切り直しとなり、4日の安値2,184円を下回る場合は、上昇基調そのものの見直しが必要です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
本田技研工業(7267)
10月22日以降、1,760〜1,820円の狭いレンジで動いていた株価が、本日は窓を開けて上へ放れました。中間選挙で民主党が上下両院の多数派を奪還し、トランプ政権の通商面での強硬姿勢が弱まるとの見方から、関税への懸念で売られてきた自動車株に買いが集まっています。1,856円で寄り付いたあと、後場に入って上げ幅を広げ、大引け前の時間帯に1,946.5円まで上値を伸ばしました。終値は1,942円、+7.98%と高値圏で引けた大陽線です。出来高は25日平均の2倍でした。2024年3月22日に記録した上場来高値1,960円まで、終値であと1%弱に迫っています。
ここに注目!: レンジを上へ抜けた形の確かさが、本日いちばんの見どころです。10月22日の高値1,822円がこの2週間の上限で、本日の安値1,852円はその上にあります。レンジの上限・5日線・+1σ・本日開けた窓の下限1,807.5円が1,805〜1,825円に集まっており、放れた株価の足元を固める支持帯になっています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転で、終値は+2σを上回り+3σに接する位置です。帯の中心線は5日前比で1%台の切り上がり、±1σ幅はほぼ横ばいで、勢いが付き始めたのは本日からと言えます。RSI14は78前後と高い水準ですが、レンジを放れた初日の数字であり、それだけで上昇の否定にはなりません。直近1年に上場来高値の更新はなく、2024年3月以来、2年7か月ぶりに上場来高値が視界へ入ってきました。上場来高値に近づくほど戻り売りとの攻防になりやすいだけに、終値で1,960円を上抜けることが、更新の確定する条件として意識されそうです。
需給は貸借倍率が1倍台とほぼ均衡し、買残は出来高25日平均の0.2日分と軽い水準です。10日には中間決算の発表を予定しており、それまでの値動きは通商政策をめぐる報道にも左右されやすい状態です。上昇が続くとみられるのは、窓を埋めずに1,805〜1,825円の支持帯の上で推移する場合です。終値でここを割り込むとレンジ内へ戻り、放れは仕切り直しとなります。レンジの下限と25日線が重なる1,760円付近まで下げる場合は、上昇基調そのものの見直しが必要です。
ファーストリテイリング(9983)
1銘柄で日経平均を約295円押し上げ、指数の下げを和らげた筆頭でした。前日終値より4,850円高い82,220円で窓を開けて寄り付き、10時台には85,980円まで買われて上げ幅は一時1割を超えています。中間選挙を受けた原油先物の急落で消費の押し上げを見込む買いが小売株に向かい、半導体株から主力の大型株へ資金が移る流れも重なりました。4日に公表した10月の国内ユニクロの既存店売上高は前年を下回っていましたが、本日の値動きはそれを跳ね返しています。ただ、高値からは売りに押され、後場には80,300円まで下げました。終値は3,650円高の81,020円、+4.72%で、始値を下回る長い上ヒゲの陰線です。出来高は25日平均の2.4倍でした。
ここに注目!: 高値からの押し戻しが、本日の評価を分けるところです。高値85,980円と終値の差は4,960円で、当日の値幅のおよそ9割にあたります。上場来高値の更新を重ねてきた常連で、直近1年の更新は31回にのぼりますが、7月8日に88,690円をつけて以降は更新が止まっており、終値では上場来高値まで9%台の距離を残しています。一方で、上昇の流れそのものは崩れていません。安値は29日の72,580円から4営業日続けて切り上がり、移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転です。帯の中心線は5日前比で2%台の切り上がりで、終値は押し戻されたあとでも+3σを上回っています。±1σ幅は5日前の0.7倍に縮んでおり、帯が狭まったところへ株価が一気に飛び出した形です。RSI14は70前後で、過熱の数字そのものより、長い上ヒゲで上値を抑えられたことのほうが崩れの兆候として重みを持ちます。
需給は貸借倍率が1倍台とほぼ均衡し、買残は出来高25日平均の0.2日分と軽い水準です。上昇が続くとみられるのは、安値の切り上がりが保たれ、本日の高値85,980円を終値で上抜けてくる場合です。本日開けた窓の下限は77,670円で、5日線と+1σが並ぶ76,600〜77,700円のゾーンまでが一段目の下値の目安です。そこを終値で割り込むと寄り付きの窓は埋まり、本日の上げは帳消しになります。25日線の74,700円付近まで下げる場合は、10月末からの戻りそのものの見直しが必要です。
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