本日の相場概況
昨夜の米国市場は3指数がそろって下げました。NYダウは-0.72%の53,185.90ドル、S&P500は-0.58%の7,686.14、NASDAQ100は-0.62%の29,456.97です。東京市場もその流れを引き継いで、日経平均は前日終値を426円下回る65,885円で寄り付き、午前のうちに65,576円まで下押ししています。ただ売り一巡後の戻りが速く、後場は前日終値をうかがう水準まで値を戻しています。終値は96円安の66,215円、-0.15%と小幅安にとどまっています。高値は66,525円、日中の値幅は949円でした。
指数の中身は割れています。TOPIXは25.57ポイント高の4,181.86で+0.62%と、これで9日続伸です。対照的だったのがグロース250で、11.95ポイント安の800.09、-1.47%と、800の大台をかろうじて残しました。東証プライムの値上がりは845銘柄、値下がりは662銘柄で全体の42.5%です。日経平均が小幅安で引けた裏側では、値上がり銘柄のほうが多数を占めていました。指数を押し下げたのは値がさのハイテク株で、東京エレクトロン1銘柄で190円あまりの下押し要因となっています。売買代金は7兆5,016億円と、前日の9兆3,583億円から1兆8,500億円あまり減り、8月28日の8兆1,223億円も下回りました。前日に膨らんだ商いは続いていません。
背景にあるのは金利と原油です。10年物国債の利回りは日中に一時3%へ達し、1996年9月以来およそ30年ぶりの水準をつけました。業種別では原油高を手掛かりにした物色が鮮明で、電気・ガス業が4%を超える上昇で首位に立ち、鉱業、石油・石炭製品、鉄鋼が3%台で続いています。逆に売られたのはサービス業、非鉄金属、小売業でした。
上場来高値を更新したのは73銘柄です。前日の71銘柄からさらに2銘柄増えました。最多は卸売業の19銘柄で、豊田通商、阪和興業、稲畑産業、伊藤忠エネクス、神鋼商事、因幡電機産業と、資源・エネルギーや電子部品を扱う商社が並びます。全体の4分の1を超える顔ぶれです。次いで化学と小売業が7銘柄ずつ。日本触媒、日本ゼオン、綜研化学に、上新電機、大戸屋ホールディングス、ブロンコビリーが続きます。以下、サービス業6銘柄、情報・通信業5銘柄と並びました。
金融の顔ぶれは前日から様変わりしています。前日13銘柄を数えた銀行業は、めぶきフィナンシャルグループ、ひろぎんホールディングス、ふくおかフィナンシャルグループ、名古屋銀行の4銘柄まで減りました。代わりにMS&ADインシュアランスグループホールディングス、東京センチュリー、リコーリースが加わりました。金融のなかでも、金利上昇を追い風にする銀行から、保険やリースへ顔ぶれが入れ替わっています。時価総額1兆円を超えたのは9社で、上位はMS&ADの7.44兆円、豊田通商の7.23兆円、日本郵政の6.98兆円でした。
上昇率の首位は綜研化学の+9.87%、次いでティアフォーの+5.84%、ヱスビー食品の+4.96%です。73銘柄のうち前日比マイナスで引けたのは8銘柄で、セイコーグループの-2.20%を筆頭に、鶴見製作所、スズデン、藤田観光が並びました。指数が伸び悩むなかでも、高値を更新した銘柄数はむしろ増えました。物色の軸が金利一本から金利と原油の二本へ広がり、資金が金融から商社と資源へも回った一日です。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
日本郵政(6178)
31日の取引終了後、国内証券がレーティングの強気を据え置いたまま目標株価を引き上げました。翌営業日にあたる本日、株価は前日終値を32円下回る2,454.5円で始まっています。そこからは戻り待ちの売りをこなしながら水準を切り上げ、後場に入っても緩まず、2,554円まで買われてそのまま高値引けとなりました。前日比67.5円高の+2.71%、上ヒゲの無い大陽線です。出来高は25日平均の1.25倍でした。本日の業種別でサービス業は最も売られた側にあります。同じ分類に置かれながら逆を行ったのは、傘下にゆうちょ銀行とかんぽ生命を抱えるこのグループが、長期金利の30年ぶりの水準を追い風として受け取る側だったためです。7月27日以来、この1年では19回目の上場来高値の更新になります。
ここに注目!: まず帯の動き方に食い違いがあります。株価はボリンジャーバンドの+2σを上回り、+3σが通る2,570円付近まで迫りました。ところが中心線は5日前とほとんど同じ位置にあり、±1σ幅もほぼ横ばいです。帯そのものが動かないところへ、価格だけが上端まで飛び出した形になっています。この形は帯の外への一時的な突出で終わることもありますが、本日は終値が当日の高値と同じでした。売り戻される時間帯を持たないまま引けている以上、少なくとも本日の時点で押し戻された形跡はありません。帯の位置が明日以降に切り上がりへ転じるかどうかが、この上昇が価格帯ごとの底上げなのか一日限りの突出なのかを分けます。
過熱の数値そのものは、まだ抑えの効いた範囲です。25日線乖離率は+6%台、RSI14は69前後にとどまります。時価総額7兆円に近い大型株で、平均値幅率も2%台と落ち着いており、同じ+2σ超えでも値動きの軽い小型株とは意味が違います。需給も軽い。信用買残は出来高25日平均の0.1日分しかなく、上値で戻り売りに回る玉がほとんど積み上がっていません。前回この銘柄を取り上げたとき、土台として挙げたのは移動平均線のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転、そして25日線を終値で割り込むかどうかという見直し水準でした。本日時点でパーフェクトオーダーと三役好転はいずれも崩れておらず、雲の上端は2,358円付近と現値から遠く離れています。当時挙げた条件はそのまま生きています。
継続の目安は、終値で+2σの2,510円付近を維持できるかどうかです。ここを保っているあいだは、帯の上端を歩く形が続いていると見てよいでしょう。下は5日線と+1σが2,450円台で重なっており、終値でここを割り込むかどうかが本日の上昇に対する最初の試金石になります。さらに25日線と8月28日の安値が2,370〜2,390円のゾーンで重なっており、ここまで戻す展開になれば、本日つけた高値は帯の外への一時的な突出だったという読み方に変わります。
阪和興業(8078)
原油高を手掛かりに資源とエネルギー関連へ資金が向かった本日、鉄鋼を主力に非鉄・食品・エネルギーまで幅広く扱うこの商社は、その物色の真ん中にいました。上場来高値を更新した73銘柄のうち卸売業は19銘柄と最多を占めており、阪和興業もその一角です。株価は1,885円で始まり、寄り付きから買い優勢の展開が引けまで途切れませんでした。大引け間際に1,952円まで買われ、終値は1,949円。前日比74円高の+3.95%です。当日の値幅73円のうち64円を実体が占める大陽線で、出来高は25日平均の1.59倍でした。8月7日に発表した第1四半期決算が市場予想を上回る好内容だったことも、水準の切り上がりを支えています。5月29日以来、およそ3ヶ月ぶりの上場来高値の更新になります。
ここに注目!: 勢いは帯の動きにはっきり出ています。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+1%台の切り上がり、±1σ幅は5日前の1.2倍へ広がりました。価格帯そのものが持ち上がりながら、値幅も出はじめている形です。8月19日から8月31日までの9営業日、この銘柄の高値は1,836円から1,890円の範囲に収まっており、上値は重い状態が続いていました。本日はその天井を62円上抜けています。終値1,949円は、+2σが通る1,946円付近をわずかに上回った位置です。ザラ場で帯の外へ出て、そのまま外側で引けたことになります。継続を見るうえでの軸はここで、終値で+2σを保っているあいだは帯の上端を歩く形が続いていると読めます。
需給も上値を追いやすい側にあります。信用買残は出来高25日平均の0.6日分にとどまり、貸借倍率は9倍台と買残に偏ってはいるものの、上値で処分を迫られるほどの量ではありません。本日は自己株式の取得状況に関する開示も出ています。株数が減る方向の動きが並行して進んでいる点は、需給を見るうえでの留意点です。一方で、更新のテンポには注意が要ります。この1年で31回という更新回数は明らかに常連の部類ですが、直前の更新は5月29日で、そこから3ヶ月あいだが空きました。回数が示す実績と、その間の上値の重さは別の話です。本日の更新は3ヶ月分の戻り売りをこなしたうえでのものだと見ておく必要があります。25日線乖離率は+8%台、RSI14は69前後、平均値幅率は2%台で、崩れの兆候は本日時点では出ていません。
継続の目安は、終値で+2σの1,946円付近を保てるかどうかです。その下、5日線が1,890円付近を通っており、これは先ほどの9営業日の天井とちょうど重なります。抵抗だった水準が支えに変わるかを試す形で、ここを終値で割り込むと上放れは仕切り直しです。さらに25日線の1,800円付近まで戻す展開になれば、本日の上昇そのものを見直す段階に入ります。
上新電機(8173)
2017年12月4日につけた高値を、本日ザラ場で上抜けました。8年9ヶ月ぶりの上場来高値の更新です。この1年での更新は本日の1回だけで、長い空白のあとに視界へ入ってきた高値を、ようやく越えたことになります。株価は前日終値と同じ4,530円で始まり、午前のうちに4,640円まで上値を伸ばしました。ただそこが本日の高値です。午後はその水準へ届かず、4,565円で引けています。前日比35円高の+0.77%。高値から75円押した位置で、上ヒゲが実体の2倍を超える形になりました。出来高は25日平均の1.40倍と、更新に商いは伴っています。本日の業種別で小売業は下落した側にあり、そのなかでの上昇でした。
ここに注目!: この銘柄でいちばん目を引くのは需給です。信用売残が信用買残の5倍を超える売り長の形で、買残そのものも出来高25日平均の0.1日分しかありません。上値で処分を迫られる買い方の玉が乏しい一方、高値更新で買い戻しを迫られる売り方が積み上がっている構図です。8年9ヶ月ぶりの高値更新という場面で、この並びは上昇を後押ししやすい側に働きます。
勢いの数値も強い部類にあります。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+3%台の切り上がりで、価格が飛んだだけでなく価格帯そのものがこの5営業日で一段上がりました。25日線乖離率は+9%台、RSI14は71前後です。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立し、雲の上端は3,725円付近と現値から遠く離れています。土台の形は整っています。気になるのは本日の足の形です。高値4,640円は前場のうちに付き、後場はそこへ届きませんでした。上ヒゲ75円に対して実体は35円で、上値では売りが出た一日です。本日の高値は明日以降の抵抗としてそのまま残ります。ただし終値は+2σの外に残っており、押し戻された程度としては浅いほうです。
継続の目安は、終値で+2σの4,508円付近を保てるかどうかに置けます。ここを維持しているあいだは、8月19日から続く水準の切り上がりが生きています。そのうえで本日の高値4,640円を終値で上抜けてくれば、上値の抵抗を実体で消化した形になります。下は5日線が4,400円付近を通っており、まずここが最初の目安です。さらに8月28日と27日の安値が4,190〜4,250円のゾーンで重なっており、ここまで戻すと8月末からの急な立ち上がりは仕切り直しの段階に入ります。平均値幅率は3%台で、1日に140円前後動くのが普通という前提は頭に置いておきたいところです。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ミツウロコグループホールディングス(8131)
出来高が25日平均の2.17倍まで膨らみました。前週末28日に自己株式の立会外買付取引を終え、31日には子会社が都市ガスの料金単価改定と新プランの新設を発表しています。本日の東京市場で最も買われた業種は電気・ガス業で、4%を超える上昇でした。分類上は卸売業ですが、LPガスと電力小売を主力に据えるこの会社の値動きは、その物色と重なります。株価は2,329円で始まり、寄り付きから買い優勢の展開が続いて午前のうちに2,469円まで上値を伸ばしました。終値は2,425円、前日比71円高の+3.02%です。2025年8月12日につけた上場来高値2,540円へ、終値ベースであと4%台まで迫ってきました。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの±1σ幅が、5日前の1.9倍まで広がりました。8月28日まで、この銘柄の終値は2,100円台から2,200円台に収まっています。それが31日と本日の2営業日で帯ごと外側へ開いた形です。中心線も5日前比で+2%台の切り上がりに転じました。値幅が出はじめ、価格帯も持ち上がっている。上昇の初動としては素直な並びです。本日の高値2,469円は、+3σが通る2,442円付近を上抜けています。ただし終値は2,425円で、+3σの内側へ戻して引けました。帯の外へ出たまま持ち帰るところまでは届いていません。とはいえ+2σは大きく上回ったままで、押し戻された程度は浅いほうです。
需給は上値を追いやすい側にあります。信用売残が信用買残の7倍を超える売り長で、買残は出来高25日平均の0.2日分しかありません。RSI14は77前後まで上がっていますが、この数値の高さ自体が上昇の否定になるわけではなく、帯の位置が切り上がり、押し安値が切り上がっているあいだは高止まりが続くこともあります。一方、土台にはまだ整っていない部分が残ります。移動平均線の並びは混在で、5日線と25日線は200日線を上回ったものの、75日線がなお200日線を下回ったままです。上昇が始まってからの時間がまだ短いことを示しており、ここが上抜けてくれば腰の据わった上昇への移行が期待できる形になります。一目均衡表は三役好転が成立し、雲の上端は2,072円付近と現値から遠く離れています。
継続の目安は、終値で+2σが通る2,346円付近を維持できるかどうかです。その少し下には5日線と8月28日の高値が2,290〜2,310円のゾーンで重なっており、ここまでが直近2営業日の上放れが生きている範囲になります。終値でこのゾーンを下回ると仕切り直しです。さらに25日線の2,155円付近まで戻す展開は、8月末からの上昇そのものを見直す水準にあたります。平均値幅率は2%台で、値動きの荒さ自体はそれほどでもありません。
AlbaLink(5537)
前場と後場で様子の変わった一日でした。午前は売りに押されて3,315円まで下げ、前日終値を90円下回る場面があります。ところが13時を回ったところで商いが一気に膨らみ、株価は3,500円台へ跳ね上がりました。14時台には3,705円まで買われ、終値は3,565円。前日比160円高の+4.70%で引けています。出来高は25日平均の1.58倍でした。上場来高値は今年2月25日につけた3,900円で、本日の高値はそこまであと5%台に迫っています。8月13日に通期の業績予想を上方修正し、最高益の見通しを上乗せして以降、水準の切り上がりが続いてきた銘柄です。
ここに注目!: 本日の安値3,315円は、ボリンジャーバンドの+1σが通る3,324円付近とほぼ重なります。午前に一度そこまで売られたあと午後に反発し、そのまま帯の上部まで戻しました。+1σが実際に支えとして働いた一日で、この水準が次に押した場面でも効くかどうかが、そのまま継続の目安になります。勢いの数値は強い。中心線は5日前比で+3%台の切り上がり、±1σ幅は5日前の1.5倍まで広がりました。価格帯が持ち上がりながら値幅も出ている形で、8月26日以降の上昇がまだ加速の途中にあることを示しています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転で、土台の形は整っています。
25日線乖離率が+17%台まで開いているにもかかわらず、RSI14は62前後にとどまっています。上げる日と押す日を交互に繰り返しながら水準を切り上げてきたためで、8月25日には終値3,030円まで下げ、翌26日には3,435円まで戻すという値動きをしています。指標の面から上値が抑えられている状態ではありません。ただし値動きの荒さは相当なものです。平均値幅率は7%台。本日も高値3,705円から安値3,315円まで390円の値幅が出ており、終値に対して10%を超えています。信用買残は出来高25日平均の2.4日分で、上値では戻り売りが出やすい水準まで積み上がってきました。
継続の目安は、終値で+1σの3,324円付近を保てるかどうかです。上は+2σが3,615円付近を通っており、終値でここを上回ってくれば帯の上端を歩く形へ移ります。下については、8月28日の安値3,220円を終値で割り込むと支えが薄くなります。その下は8月19日から25日にかけて売買の交錯した3,000円前後のゾーンで、25日線の3,030円付近もここに重なります。8月26日の急伸はこの価格帯を一日で抜けてきたものですから、戻す場合の目安はこのゾーンになります。
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