本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は26銘柄でした。
中東情勢の緊迫が和らいだことで、東京市場は一気にリスクオンへ振れました。日経平均は前日比1,802円高の66,020円と大幅続伸し、約1週間ぶりに66,000円台を回復しています。米国とイランの戦闘終結への期待から前日の米ハイテク株が買われた流れを引き継ぎ、寄り付きから人工知能・半導体関連が買われ、ザラ場では一時67,065円まで上げ幅を2,800円超に広げる場面もありました。前日の米国市場はNYダウが+1.86%、S&P500が+1.75%、ハイテク色の濃いNASDAQ100が+3.29%とそろって反発しており、なかでもNASDAQ100の突出した戻りが、東京市場の値嵩株を強く押し上げる起点になっています。
ここ数日続いていた「指数高・中身安」の構図は、本日に限ってははっきりと解消しました。東証プライムの騰落は値上がり964に対して値下がり555と、値上がりが全体の6割超を占め、指数の方向と中身がそろった広範な上昇です。TOPIXも+1.35%の3,881.96と堅調でした。一方で新興のグロース250は+0.21%の724.49とほぼ横ばいにとどまり、資金は新興・小型ではなく大型の値嵩株に偏っています。日経平均の伸びがTOPIXを上回ったことからも、半導体をはじめとする値嵩株が指数を牽引した一日だったと言えるでしょう。売買代金は東証プライムで約12.8兆円と前日からさらに膨らんでおり、様子見ではなく積極的に攻めの買いが入りました。
物色の中心は、攻めのセクターへの回帰です。本日上場来高値を更新した26銘柄を業種別に見ると、東京エレクトロン・SCREENホールディングス・KOKUSAI ELECTRICといった半導体・電子部品の電気機器に、東ソー・旭有機材・石原ケミカル・北興化学工業など半導体周辺の化学株が複数加わり、この2業種で全体のおよそ3分の1を占めました。前日まで資金が逃げ込んでいた内需・ディフェンシブから、イラン情勢の沈静化を受けて景気敏感・テーマ株へと一気に資金が戻ってきた格好です。化学株への波及は中小型にも及んでおり、大型半導体主導でありながら素材の中小型にも資金が回ったことがうかがえます。同時に、十六フィナンシャルグループ・三井住友フィナンシャルグループ・南都銀行など銀行も顔を出し、来週の日銀会合をにらんだ金融物色も細々と続いています。日本郵政やセコム、三越伊勢丹といった内需も残っており、全体としては守りを薄めつつ半導体・化学を主役に据え直した、攻め優勢のリスクオン相場でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
東京エレクトロン(8035)
前日に米ハイテク株が大きく戻したことを受け、本日の主役は迷いなく半導体に戻ってきました。東京エレクトロンは前日終値から6%超もギャップアップして寄り付くと、寄り付き直後に71,000円まで上値を伸ばして上場来高値を更新。指数を一手に押し上げる場面もありました。ただ買いが続いたのはそこまでで、その後は終日上値が重く、結局当日安値とほぼ同じ68,000円まで押し戻されて引けています。高値71,000円から3,000円幅を削った長い上ヒゲを伴う一日で、前日比こそ+7.26%と大幅高ながら、高値圏で利益確定の売りがかなり厚かったことを映した値動きでした。寄り付きで開けた窓は前日高値64,070円を下限とする+6%超の大きなもので、構造的にも意味のある空白です。
ココに注目!:最も気になるのは過熱感の強さです。25日線乖離率は+25%超に達し、RSI14も72前後と過熱圏に入っています。平均値幅率は6%近くと値動きが荒く、日々の振れ幅が大きい点はリスクとして意識しておきたいところです。25日線は現値から20%ほど下に位置しており、ここまで下げる展開は押し目というより上昇トレンド自体の調整入りを意味します。現実的に検討しうる押し目は、5日線やボリンジャーバンドの+1σが重なる60,000円台前半、あるいは本日開けた窓の下限である前日高値64,070円付近まで戻した場面でしょう。ただし、仮に週明けギャップダウンしてアイランドリバーサルとなった場合にはより注意が必要です。
日本郵政(6178)
5月30日の週次で、高値圏のもみ合いに入りつつも「2,000円を割らずに維持できれば再上昇が期待できる」と現値を押し目候補に挙げた日本郵政が、その見立て通りに下値を固め、本日上場来高値を更新しました。AI・半導体への資金回帰に押された5月末から、2,000円の節目を終値で一度も割ることなく水準を切り上げ、来週の日銀会合をにらんだ金融物色に乗って一段高となった形です。前場で一度上値を試したあと後場にさらに買われ、2,361円まで上げて高値圏の2,318円で引けました。前日比+4.91%と、本日同じく上場来高値を更新した銀行3行にも見劣りしない強さです。傘下にゆうちょ銀行・かんぽ生命を抱える金融グループとして、5月の好決算以降くすぶっていた金利上昇の恩恵が、利上げ観測の高まりで改めて買い材料として意識された格好でした。
ココに注目!:移動平均線はパーフェクトオーダーを維持し、一目均衡表も三役好転と雲の上での高値更新で、トレンドの形は強固です。一方でRSI14は78前後まで上昇し、ボリンジャーバンドも+2σを上回って+3σに迫っており、短期的な過熱感は無視できません。25日線乖離率は+11%超と、東京エレクトロンほど極端ではないものの上振れています。需給面では信用買残が出来高25日平均の0.1日分と極めて軽く、戻り売りの重しになりにくい状態です。エントリーを考えるなら、5日線やボリンジャーバンドの+1σが重なる2,180円付近まで乖離が縮小した場面が一つの目安になります。より深く調整するなら25日線の2,080円付近が中期の押し目候補で、ここを終値で割り込むようだと上昇の勢いそのものを見直す段階に入ります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ディスコ(6146)
+14%という値幅が、半導体への資金回帰の勢いをそのまま物語っています。ディスコは前日高値を上限とする3.6%超の窓を開けて寄り付くと、寄り付き直後にいったん73,310円まで売られたものの、そこからは終日切り返し優勢の展開に。後場には80,100円まで上値を伸ばし、80,000円の節目も突破して、ほぼ高値圏の79,900円で引ける大陽線となりました。出来高は25日平均の2倍超に膨らんでおり、商いを伴った力強い上昇です。本日高値で上場来高値81,000円の目前まで迫り、終値ベースでも残り1%程度に接近しています。後場安値が78,690円と高い水準で踏みとどまった点からも、ザラ場を通じて買いの勢いが衰えなかったことがうかがえます。
ココに注目!:注目したいのは、これだけの大陽線でもRSI14がまだ65前後と過熱圏に届いていないことです。直近で一度調整を挟んでいたぶん上値余地が残っており、上場来高値81,000円を終値で明確に上抜ければ、上方にレジスタンスのない真空地帯へ入ります。ただし平均値幅率は5%超と値動きが荒く、移動平均線の並びは25日線がなお75日線を下回る混在で、戻り基調がまだ若いことも示しています。押し目を探すなら、本日開けた窓の下限である前日高値70,760円付近がまず意識されます。その下では5日線の71,800円付近が支えとなるかが焦点で、25日線の68,300円付近まで下げる場合は調整がやや深まったと見るべき水準です。窓の下限を終値で割り込むと、本日の急騰が一巡したサインになりやすいところです。
ニチレイ(2871)
このところ静かに、しかし確実に水準を切り上げてきた一銘柄です。本日も全面高の地合いに乗って買われ、前場には2,178.5円まで上げて年初来高値を更新しました。もっとも後場にかけては上値を削られ、終値は2,130.5円と寄り付き水準まで押し戻されており、前場に高値を付けたあと勢いが続かなかった一日でした。前日比は+2.30%。半導体・化学が主役となるなかで内需の食料品にも資金が及んだ形で、5月30日に判明したアクティビストの大量保有を背景とした継続的な物色が、直近の値動きの軽さにつながっている面もありそうです。上場来高値2,277円まではおよそ7%弱の距離を残しています。
ココに注目!:この銘柄で最も目を引くのは、ボリンジャーバンドの急拡張です。±1σ幅が5日前のおよそ2倍へと膨らみ、これまで静かだったボラティリティが一気に高まったことを示しています。RSI14は76前後と過熱圏に入っており、上値追いには相応の警戒が要ります。移動平均線は混在で、25日線がまだ75日線を上抜けておらず、足元の上昇が始まったばかりであることも読み取れます。エントリーを考えるなら、バンド拡張が落ち着いてボリンジャーバンドの+1σ付近かつ4月の戻り高値でもある2,000円前後まで乖離が縮小した場面が合理的でしょう。より深い調整となれば25日線の1,895円付近が中期の下値メドですが、ここまで到達すると雲を下に抜けてしまうため、足元の動意そのものが一服したと見るべき水準です。
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