本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は79銘柄でした。
週明けの東京市場は、前週末までの重苦しさが一変しました。日経平均は前日比320円高の64,931円と反発。トランプ米大統領がイランへの大規模攻撃を当面見送る方針を表明したことで、中東を巡る地政学リスクの後退が好感されています。前週末の米国市場はNYダウが+0.46%、S&P500が+0.05%と小幅ながら上昇した一方、NASDAQ100は-1.15%と下落し、フィラデルフィア半導体株指数も大幅安。半導体には引き続き逆風が吹くなかでの反発でした。もっとも日中の値動きは平坦ではなく、寄り付き直後に高値65,220円をつけたあと、10時台には64,123円まで売られて前週末終値を大きく下回る場面もありました。そこから引けにかけて水準を切り上げた一日です。
指数の見た目以上に強かったのが中身です。TOPIXは54.76ポイント高の4,066.07と+1.37%、グロース250も8.80ポイント高の694.92と上昇し、いずれも日経平均の上昇率を大きく上回りました。東証プライムの値上がりは1,397銘柄に対し、値下がりはわずか139銘柄と全体の8.9%。実に9割の銘柄が上昇する全面高です。売買代金は9兆3,556億円と前週末の8兆4,378億円から膨らんでおり、様子見に傾いていた資金が戻ってきたことがうかがえます。それでも日経平均の上げ幅が320円にとどまったのは、寄与度の偏りゆえです。プラス寄与上位5銘柄が指数を約237円押し上げた一方、アドバンテスト、ソフトバンクグループ、信越化学工業、中外製薬、フジクラのマイナス寄与上位5銘柄が約477円押し下げました。値嵩の半導体・AI関連が重しとなり、幅広い銘柄の上昇を指数が拾いきれない構図が続いています。
東証33業種は29業種が上昇し、上昇率の上位には空運業、その他製品、ゴム製品、サービス業、鉄鋼が並びました。下落したのは非鉄金属、鉱業、化学、石油・石炭製品の4業種のみで、いずれも原油の反落と資源価格の一服が響いた側面が濃厚です。国内の新発10年債利回りも足元で上昇が一服し、AI・半導体というテーマから外れていた内需株にリターンリバーサル狙いの買いが入りました。半導体を売って金利へ、という前週までの一本道ではなく、売られ過ぎた側を広く買い戻す動きが加わったことが、本日の全面高の実態です。
上場来高値を更新した79銘柄の顔ぶれも、その広がりを映しています。銀行業40銘柄に保険6銘柄、その他金融4銘柄、証券1銘柄を加えた金融関連が51銘柄と全体のおよそ3分の2を占め、時価総額42兆円超の三菱UFJフィナンシャル・グループから573億円の北日本銀行まで規模を問わず並びました。一方で、前週末の38銘柄中30銘柄が金融だった構成に比べると、非金融が28銘柄まで増えています。日本たばこ産業、KDDI、セコム、雪印メグミルクといったディフェンシブに加え、ジョイフル本田、FOOD & LIFE COMPANIES、ブロンコビリー、ブックオフグループホールディングスなど内需消費、特種東海製紙・トーモク・ザ・パックのパルプ・紙3社も名を連ねました。金融一色だった前週末から、内需とディフェンシブへ裾野が広がった一日でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
マクニカホールディングス(3132)
大引けまで残り30分という時間帯に飛び込んできた決算が、株価を大きく動かしました。決算が発表されると大幅な増収増益で着地したことを評価する買いが集まって後場終盤に急伸、3,692円まで買われて6月5日以来となる上場来高値を更新しています。もっとも、そこに至る道のりは平坦ではありませんでした。始値3,440円が前場の高値圏で、その後はじりじりと値を消し、後場に入って3,359円まで下押しする場面もあったのです。値動きの主導権は、決算開示を境に完全に入れ替わりました。終値は3,579円と高値から100円あまり値を消しており、内容を消化する作業は明日以降へ持ち越されています。出来高は25日平均の4倍を超えました。金融関連が主役だった本日の高値更新組のなかでは、半導体商社という異色の顔ぶれです。
ココに注目!:注目したいのは、この上昇がボリンジャーバンドの外側で起きている点です。終値は+2σと+3σの間にあり、ザラ場では+3σを上回りました。±1σ幅は5日前の1.3倍へ広がり、帯そのものも切り上がっています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と中期の骨格に崩れはありません。それでいてRSI14は62前後、25日線乖離率も9%台にとどまっており、過熱を騒ぐ水準ではないのが今の姿です。ただし平均値幅率が4%台まで上がってきた点は、日々の振れ幅がひと回り大きくなる前提で考える必要があります。押し目を待つなら、まずは5日線が通る3,400円付近。より深い調整であれば、25日線と7月22日に空けた窓の下限が重なる3,270〜3,290円のゾーンが下値の支持帯として意識されます。決算を評価した買いが翌日以降に続かず、このゾーンを終値で明確に割り込むようだと、上昇シナリオの前提が崩れたと見るべき場面になります。
いよぎんホールディングス(5830)
2月12日以来、およそ5カ月半にわたって上値の壁として残っていた高値を、一気に突き破りました。同行は24日に愛媛銀行との経営統合で基本合意したと発表し、2027年4月をメドにいよぎんHDが持株会社として2行を傘下に置く体制へ移行する見通しです。愛媛県内で圧倒的なシェアを持つ地銀グループが誕生するこの構想が、週明けにあらためて買い材料として意識されたとみられます。発表当日は再編プレミアムを期待する資金が愛媛銀行側へ向かい、いよぎんHD自身の反応は限定的でしたが、週末を挟んで評価が入れ替わった格好です。本日は寄り付きから一貫して買いが優勢で、3,788円まで上値を伸ばして高値引けに近い大陽線を描きました。前日比229円高、出来高は25日平均の2倍を超えています。銀行業からは本日40銘柄が上場来高値を更新しており地合いの追い風は確かにありますが、そのなかで+6.44%という上昇率は、統合という固有の材料が上乗せされたことを示しています。
ココに注目!: 終値3,785円はボリンジャーバンドの+3σにほぼ張り付いた水準で、±1σ幅は5日前の1.5倍へ急拡張しました。帯は5日前比で+2.7%切り上がっており、価格帯そのものがひと回り上のステージへ移っています。RSI14は75前後と過熱圏に足を踏み入れ、25日線乖離率も14%台まで拡大しました。信用買残は出来高0.7日分程度と軽く、需給面の重さは感じられません。当面の押し目候補は、5日線と前週末までの高値圏が重なる3,540〜3,580円のゾーンです。この水準を終値で維持できるかが、統合材料を織り込んだ新しい価格帯に定着できるかどうかの分かれ目になります。一方、25日線が通る3,300円割れまで下げるとなれば、それは押し目ではなく上昇トレンド自体を見直す必要が出てくる水準です。統合は最終契約が26年12月、統合実施が27年4月と時間軸が長く、材料の消化にも波が出やすいことは織り込んでおきたいところです。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
富士フイルムホールディングス(4901)
7月8日以降、3,540〜3,690円の狭いレンジで動きを止めていた株価が、本日ようやく上へ放れました。3,836円まで買われ、上場来高値3,999円まで4%台に迫っています。特段の新規材料は見当たりませんが、東証33業種で化学が下落率の上位に並ぶなかでの+5.65%ですから、セクター要因では説明のつかない逆行高です。半導体・AI関連から資金が離れ、それ以外へ物色の矛先が向かった本日の地合いを、最も素直に受けた側の一社と言えるでしょう。値動きも明快で、寄り付き直後の3,642円が当日安値、そこから前場のうちに3,816円まで水準を切り上げ、後場は高値圏を保ったまま引けています。上下のヒゲがほとんどない大陽線で、売り方が終日反撃できなかった一日でした。出来高は25日平均を6割ほど上回っています。
ココに注目!:面白いのは、ボリンジャーバンドの帯域が横ばいのまま価格だけが+2σを抜けてきた点です。ボラティリティが急拡大したわけではなく、静かに保ち合っていた帯を価格が上へ突き抜けた形で、中心線は5日前比で切り上がっています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転と、構造は素直な上昇です。25日線乖離率は7%台、平均値幅率も2%程度と、値動きの荒さを心配する銘柄ではありません。RSI14は72前後と過熱圏に入りましたが、上放れ初日の数値としては想定内でしょう。押し目の第一候補は、5日線と上放れ前のレンジ上限が3,690円近辺で重なるゾーンです。ここを終値で割り込むようだと、本日の上放れは騙しだったと判断する材料になります。より深い調整の下値メドは25日線が通る3,560円付近ですが、そこまで戻すのは7月の保ち合いを丸ごと否定する動きで、押し目買いというより仕切り直しの水準です。第1四半期決算は8月6日に予定されており、上場来高値との距離を詰める作業はそこが試金石になります。
川崎汽船(9107)
同社は24日の大引け後に今期業績予想の上方修正を発表し、従来の減益見通しから一転して増益へ、市況の想定超えを理由に据えています。ところが本日の株価は、始値2,849円、終値2,850円と実体1円の十字足。ザラ場では2,897円まで買われる一方、前場のうちに前週末終値と同じ2,806円まで押し戻され、上下に振られたあげく寄り付き水準へ戻ってきました。出来高も25日平均の5割増しにとどまり、好材料に対する反応としては控えめです。3月に上場来高値を更新した際は、空けた窓をサポートに続伸できるかが焦点でしたが、今回は寄り付きで空けた分を当日中にきれいに埋めています。同じ「窓を空けて始まる」でも、買い手の勢いには明らかな差があります。
ココに注目!: 終値2,850円はボリンジャーバンドの+2σをわずかに上回る位置で、±1σ幅は5日前の1.6倍へ拡張し、帯も切り上がっています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と上昇の骨格は保たれており、上場来高値2,964円までは4%程度の距離です。ただ本日の十字足は、上方修正という材料を一度で織り込みきれなかった、あるいは織り込みが先行していたことを示唆します。RSI14は68前後とまだ余地を残す一方、25日線乖離率は9%台まで拡大しました。需給面では貸借倍率が2倍台と売り方も一定数残り、信用買残は出来高0.3日分程度と極めて軽い状態です。踏み上げが起きるほどの偏りはありませんが、上値を追う際の重しにもなりにくい構造でしょう。押し目として現実的なのは、5日線と直近の保ち合い上限が重なる2,790〜2,800円のゾーン。ここで下げ止まって出直れば、高値奪還への地合いは維持されます。25日線と75日線がほぼ同じ2,580〜2,600円のゾーンまで下げる場合は、押し目ではなく上昇トレンドそのものの調整入りを意味します。決算発表が8月4日に控えており、本日の様子見ムードはそこまで続く可能性があります。
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