本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は66銘柄でした。
東京市場は、指数の見た目と中身の強さが大きく食い違う一日となりました。日経平均は前日比6円安の69,737円と、ほぼ横ばいでの引け。始値69,973円から一時70,384円まで上げたのち、後場には68,904円まで急速に値を消す荒い値動きをたどり、方向感の定まらないまま小幅安で着地しています。
ところが、その裏で市場全体は明確な強さを示しました。TOPIXは前日比37.36ポイント高の4,101.96と+0.92%、出遅れていたグロース250も10.57ポイント高の743.75と+1.44%で引け、東証プライムは値上がり1,142に対して値下がり384と、7割超の銘柄が上昇しています。日経平均の頭を押さえたのは、指数寄与度の大きい一部の値嵩・半導体株です。前日の米国市場でNYダウが+1.14%と堅調だった一方、ハイテク中心のNASDAQ100は-1.61%と半導体売りが続き、S&P500は+0.00%と横ばい。この米国の二極化をなぞるように、東京でも半導体は重く、上場来高値を一時付けたRS Technologiesや芝浦メカトロニクスがそろって前日比マイナスで沈む一方、資金は金融・内需バリューへと流れ込みました。
本日上場来高値を更新した66銘柄の顔ぶれが、その流れを物語ります。三井住友フィナンシャルグループをはじめ、千葉銀行・群馬銀行・七十七銀行・八十二銀行・山陰合同銀行など地方銀行を中心に銀行株が20行を超え、SOMPOホールディングス・第一生命の保険、三菱倉庫・澁澤倉庫の倉庫、NIPPON EXPRESSの運輸まで、金融を軸とした内需・バリューが幅広く並びました。7月2日・3日から続く、半導体からの循環物色がさらに裾野を広げた構図です。もっとも本日はそれだけにとどまりません。網屋のサイバーセキュリティ、愛三工業の半導体材料、そしてグロース250の大幅高が映す新興株物色まで、テーマ・成長株にも資金が向かい、全面高に近い地合いとなりました。
気がかりは、売買代金が約9.8兆円と、前日の約11.9兆円から一段と細ったことです。指数がもみ合うなかで中身は強いという構図は続いていますが、参加者の熱量そのものはやや落ち着きつつあり、指数主導ではなく物色の広がりが相場を支える状態が鮮明になっています。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ワールド(3612)
前週末3日の引け後に開示した第1四半期決算が増収増益となり、これを好感した買いが週明けの本日集まりました。前日終値から窓を開けて始まると、寄り付きすぐに1,699円まで買われ、2月25日に付けた上場来高値を更新。その後は利益確定に上値を抑えられ、始値をわずかに下回る1,666円で引けましたが、+4.26%と上げ幅の大半を保っています。苦戦してきたアパレル本業の立て直しと、伸びるプラットフォーム事業を評価する動きが、割安圏に沈んでいたバリュー株を高値圏へ押し上げた格好です。
ココに注目!:RSI14は74前後と過熱圏に入っていますが、25日線乖離率は8%超にとどまり、急騰銘柄ほどの過熱感はありません。むしろ注目したいのは、寄り付き後に1,672円から1,640円付近まで下げた場面で、ボリンジャーバンドの+2σがちょうど下値を支えたことです。この+2σ(1,640円前後)が当日実際に機能したことは、目先の底堅さの裏付けと言えます。パーフェクトオーダーかつ三役好転と、トレンドそのものは強い状態です。押し目を考えるなら、5日線と本日開けた窓の下限が重なる1,600〜1,610円処の支持帯が第一の目安。ここを終値で明確に割り込んで戻せないようなら、25日線の1,540円前後まで見ておきたいところです。買残回転日数は0.7日分と軽いものの、貸借倍率が14倍台と買い残に大きく傾いた需給は、上値では戻り売りの重しとして意識される可能性があります。
網屋(4258)
サイバーセキュリティという国策テーマの追い風を受け、出来高を25日平均の3.9倍に膨らませながら一段高となりました。米英など5カ国の情報機関「ファイブ・アイズ」が6月下旬に、AIを悪用したサイバー攻撃への警戒を呼びかける緊急声明を出したことを発端に、防御を担う関連企業への関心が続いており、ログ管理製品を主力とする同社もその中心にいます。本日は寄り付きから買いが優勢となり、5,040円まで上値を伸ばして上場来高値を更新。グロース250が+1.44%と大幅高となった新興株高の地合いも、値動きの軽い同社を強く押し上げました。+11.26%は本日でも屈指の上昇率です。
ココに注目!:ボリンジャーバンドは+3σを超え、±1σ幅も直近5日で2.8倍に急拡大するなど、モメンタムは極めて強い状態です。ただRSI14は82前後、25日線乖離率は39%超と過熱は極端で、平均値幅率も5%超と日々の値幅が荒く、板の薄い新興株特有の急反落・騙しには冷静な警戒が要ります。貸借倍率は1倍を割り込んでおり、売り方の買い戻しが上昇に加勢している可能性がある一方、テーマ一巡で反転すれば下げも速くなりやすい構造です。現実的に検討しうる押し目は、本日開けた窓の下限にあたる4,400円付近や、5日線の4,050円前後まで。25日線(3,500円処)は現値から3割近く下にあり、そこまで戻る展開は押し目というより、テーマ相場そのものの巻き戻しと捉えるべき水準です。
愛三工業(7283)
割安に据え置かれてきたトヨタ系の自動車部品株が、半導体材料株として見直される動きを強めています。グループ会社のトライスが半導体用途の高純度タングステンの製造技術を確立したと6月下旬に発表しており、六フッ化タングステン量産向けの評価試験を通過、2028年からの量産を予定しています。エンジン部品への依存という将来不安から低い株価純資産倍率に沈んでいた同社に、半導体サプライチェーンの国産化という新しい成長の芽が意識され、先週金曜日・本日と2営業日連続で大商いを伴う急騰となりました。本日は寄り付き近辺を安値に一段高し、2,390円まで買われて上場来高値を更新。+10.43%で高値引け近辺と、勢いの強い大陽線で終えています。
ココに注目!:ボリンジャーバンドは+3σを超え、±1σ幅も直近5日で2倍超に拡大するなど、モメンタムは極めて強い状態です。RSI14は78前後、25日線乖離率も25%超と過熱感は相応に強く、急騰の若さを映して25日線がなお200日線を下回る並びの混在も残っています。量産開始は2028年と先で、足元は業績よりも将来期待が先行している点は意識しておきたいところです。過熱が強いだけに、現実的に検討しうる押し目は5日線の2,080円前後やボリンジャーバンドの+1σにあたる2,020円前後といった中間の水準までが意識したいところです。25日線(1,890円処)は現値から2割ほど下にあり、今のところそこまで急激に下げる可能性は個別要因においては少なそうです。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ハーモニック・ドライブ・システムズ(6324)
精密減速機で世界トップシェアを持つ同社は、ヒューマノイドロボットやフィジカルAIというテーマの中核として、ここへ来て資金を集めています。生成AIから「AIが現実世界で動く」段階へと物色が移るなか、ロボットが動くために不可欠な精密減速機メーカーとして再評価が進み、海外大手証券が目標株価を相次いで引き上げたことも追い風です。本日は前日比+0.57%と小幅高ながら、ザラ場では9,150円まで上げ、上場来高値9,510円まで4%弱に迫る場面がありました。終値ベースでは7%弱の距離を残しています。もっとも安値8,430円まで急落する場面も挟み、上下に長いヒゲを引いた実体の小さな足で引けており、高値圏での売り買いが激しく交錯したことがうかがえます。
ココに注目!:平均値幅率が8%超と、日々の値幅が極めて荒い点がこの銘柄最大の注意点です。本日のように一日のうちで1割近い上下動が起こりやすく、値幅を取りにいくより水準を選ぶ姿勢が求められます。一方でRSI14は64前後と過熱圏には届かず、25日線乖離率も18%台と、急騰銘柄ほどの過熱感はありません。パーフェクトオーダーで雲の上に位置するトレンドは強固です。本日は9,150円まで買われたのち8,430円まで押した場面で下げ止まり、5日線(8,330円前後)と重なるこの水準で反発しており、目先は8,300〜8,400円処が支えとして意識されます。ここを崩す展開なら、8,000円処の直近の戻り高値、さらに25日線(7,480円処)が下値メドとなります。
東テク(9960)
派手さはないものの、着実に上値を切り上げてきました。ダイキン工業の国内最大手代理店として空調機器を扱う専門商社で、データセンター向けの空調需要や都市再開発、省エネ・脱炭素の流れを背景に、業績は増収増益基調が続いています。本日は特段の新規材料は見当たりませんが、寄り付きから買いが途切れず4,405円まで上げ、+2.70%と陽線で引けました。上場来高値4,590円までは、終値ベースで5%弱、ザラ場高値では4%程度まで距離を縮めています。
ココに注目!:5日線・25日線・75日線・200日線がすべて上向きに並ぶパーフェクトオーダーに三役好転が重なり、ボリンジャーバンドの帯も切り上がりながら+2σ〜+3σ圏を推移する、教科書的な上昇トレンドです。RSI14は72前後と過熱圏に差しかかってはいるものの、25日線乖離率は10%台とまだ許容範囲にとどまります。本日は寄り付きがそのまま安値となる一本調子の上昇で、下げを吸収した水準ではないため、支持帯としては5日線(4,200円前後)を目安に置きたいところです。ここを終値で割り込むようだと、いったん過熱を冷ます調整として25日線(3,950円前後)までが視野に入ります。値動きは緩やかで荒れにくいタイプだけに、上場来高値をきれいに終値で抜けられるかが、次の一段高への確認ポイントになります。
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