本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は38銘柄でした。
週末の東京市場は、半導体とAI関連が総崩れとなる一日でした。日経平均は前日比1,811円安の64,611円と反落し、ザラ場では下げ幅が2,200円を超えて64,201円まで売られる場面もありました。終値での65,000円割れは17日以来です。前日の米国市場はNYダウが-0.97%、S&P500が-1.21%、NASDAQ100が-1.87%とそろって下落。アルファベットとテスラの決算を受けてAIへの過剰投資に対する警戒が再燃したうえ、トランプ米大統領がイランへの大規模攻撃の可能性に言及したことで原油と米金利が上昇し、リスク回避の流れがそのまま東京へ持ち込まれました。半導体株の比率が高い韓国総合株価指数の急落も重なり、東京エレクトロンは前引け時点で1銘柄だけで日経平均を約448円押し下げています。来週はSKハイニックス、マイクロソフト、キオクシアなど日米韓の主要テック企業の決算が集中しており、週末を前に持ち高を軽くする動きも出やすい地合いでした。
もっとも、指数の急落ぶりに比べれば市場全体は一方通行ではありません。TOPIXは42.57ポイント安の4,011.31、グロース250は13.40ポイント安の686.12にとどまり、東証プライムの値下がりは877銘柄と全体の56.3%。値上がりも632銘柄あります。売買代金は8兆4,378億円と前日から小幅に減った一方、売買高は19億2,200万株へ増えており、値嵩の半導体株から単価の低い銘柄へ商いの重心が移ったことがうかがえます。業種別でも医薬品、鉱業、保険業、海運業、陸運業が上昇し、日経平均を支えた側にはKDDI、中外製薬、大塚ホールディングス、セコムといったディフェンシブが並びました。
この構図は、本日上場来高値を更新した38銘柄の顔ぶれにそのまま表れています。銀行業が23銘柄、保険業が6銘柄、証券が1銘柄と、金融関連だけで30銘柄と全体の約8割を占めました。七十七銀行、八十二銀行、百十四銀行、南都銀行、紀陽銀行といった地方銀行が中心ですが、時価総額15兆円超の東京海上ホールディングスや7兆円規模のMS&ADインシュアランスグループホールディングスなど大型の保険も加わり、規模を問わず金利上昇の恩恵を受ける側へ資金が向かいました。日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険のグループ3社がそろって高値を更新した点も目を引きます。金融以外では、大幅増配を発表した三井松島ホールディングスが+14.75%と東証プライムの上昇率トップに立ち、KDDI、ヱスビー食品、ブロンコビリー、学究社など内需・ディフェンシブ色の強い銘柄が続きました。半導体を売って金利と内需へ資金を移す流れは、21日の反発以降ずっと変わっていません。指数が1,800円あまり下げた日にも、その付け替えだけは淡々と進んだ一日でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
かんぽ生命保険(7181)
22日に上場来高値更新間近として取り上げた際、2月10日に付けた1,771.5円まで2%台という距離と、ボリンジャーバンドの+2σを押し上げながら進めるかどうかを焦点に挙げました。答えは2営業日で出ています。本日は前日終値を下回って始まったものの、前場のうちに1,784円まで買われて2月の高値を上抜き、後場も高値圏を保ったまま4営業日続伸で引けました。ただし終値は1,769円と、その2月の高値をわずかに下回る位置です。ザラ場での更新は果たしたものの、終値での明確な上抜けは持ち越しとなりました。出来高は25日平均の1.03倍で、22日時点の1.3倍程度からむしろ細っています。
ココに注目!:ボリンジャーバンドは+1σと+2σの間で推移し、帯は5日前比1.3倍に拡張しながら中心線も+2%台で切り上がっています。当面の分水嶺は、+2σの1,780円付近と2月の高値1,772円がほぼ重なる1,770円台。ここを出来高を伴って終値で上回れれば、真空地帯での上値追いに移りやすくなります。25日線乖離率は+10%程度、RSI14は69台と70の過熱ラインをうかがう水準で、上値では戻り売りが出やすい領域に入りつつあります。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転で、トレンドの形自体は崩れていません。前回示した1,660円台から1,680円前後の支持帯は一度も試されないまま置き去りになり、下値のめどは1,690円から1,710円前後へ切り上がりました。ここには5日線とボリンジャーバンドの+1σ、一目均衡表の転換線が重なります。なお本日の安値1,724円は寄り付き直後に付けたもので、売り圧力を吸収して反発した水準ではない点は区別しておきたいところです。より深い調整に入るなら1,600円台前半の25日線が下値メドとなり、ここを終値で明確に割り込むようなら、上昇シナリオを見直す必要が出てきます。
三井松島ホールディングス(1518)
前日のストップ高に続き、本日も大きく窓を開けて寄り付き、2,273円まで買い進まれて上場来高値を更新しました。東証プライムの上昇率トップは2日連続です。22日の取引終了後に発表された今期業績予想の上方修正と大幅増配、綿棒メーカーの子会社化が引き続き材料視され、配当利回りの急上昇に着目した買いが途切れていません。出来高は25日平均の12.93倍。もっとも高値を付けたのは後場で、そこから30円あまり押し戻して引けており、上値では利益確定売りも出始めています。
ココに注目!: 25日線乖離率は+42%、RSI14は90を超え、株価はボリンジャーバンドの+3σすら大きく上回っています。±1σの幅は5日前の5.3倍へ急拡張しており、平常時の物差しが通用しない状態です。2営業日で2本の大きな上昇窓を開けたため、下方は値動きの薄い真空地帯になっています。当面の節目は+3σの2,070円付近、その下が本日の窓の下限にあたる1,953円で、ここは前日のストップ高水準と重なります。1,953円まで戻れば窓埋めは完了し、そこを終値で明確に割り込むようなら、増配を評価した買いがひとまず一巡したと判断すべき水準です。25日線は1,570円台と現値から3割近く下にあり、こちらは押し目ではなく上昇そのものの終了を意味する下値メドとして見ておくべきです。
阿波銀行(8388)
指数の下げ幅が一時2,200円を超えるなかで、寄り付きの8,240円を安値に一度も崩れることなく上値を追い、8,730円まで買われて上場来高値を更新しました。前日比+4.08%は地銀としては目立つ上げ幅です。本日は米金利の上昇と1ドル=163円台後半までの円安が進んだうえ、四国を地盤とする地銀の経営統合報道も伝わりました。同じ四国に本拠を置く銀行として、再編を巡る思惑が波及した可能性は否定できません。出来高は25日平均の1.61倍と、値動きの派手さの割には落ち着いた水準にとどまりました。
ココに注目!: 200日線からの乖離率は+57%台、52週線からは+67%台に達し、日足のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転が並んで成立しています。中期のトレンドとしては極めて強い形です。一方で株価はボリンジャーバンドの+2σと+3σの間にあり、25日線乖離率は+15%台、RSI14も76前後と、短期の過熱は否定できません。帯の幅そのものは横ばい圏ですが、中心線は5日前比+3%台で切り上がっており、上昇の勢い自体は続いています。エントリーを考えるなら、まず+2σの8,510円付近まで乖離が縮む場面、さらに押すなら8,000円台前半に5日線と一目均衡表の転換線、ボリンジャーバンドの+1σが集まる支持帯が候補になります。本日の安値8,240円は寄り付きそのものであり、下げ止まった水準ではない点は分けて考えたいところです。25日線の7,530円ラインまで下げる展開になれば、それは押し目というより上昇ステージの切り替わりを疑う場面です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
明星工業(1976)
貸借倍率0.15倍。信用売残が買残の6倍を超えるという、地味な建設株には珍しい需給構造を抱えています。本日は前日終値をやや下回って始まった後、後場にかけて水準を切り上げ、1,963円まで買われて高値圏で引けました。上場来高値2,049円までは5%弱の距離です。出来高は25日平均の1.55倍。市場全体が2%を超えて下げるなかでの上昇であり、売り方の買い戻しを巻き込みながら値を保っている可能性があります。
ココに注目!:株価はボリンジャーバンドの+2σと+3σの間にあり、ザラ場では+3σの1,960円付近を上回る場面もありました。ただし±1σの幅は5日前の0.8倍へ収縮しています。中心線が+1%台で切り上がり、移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転という並びのなかでの収縮ですから、方向感を失ったもみ合いというより、上昇途中でエネルギーを溜めている段階と読むのが自然です。25日線乖離率は+5%台、RSI14も66前後で過熱感は限定的、上値を追う余地はまだ残っています。押し目としては1,850円から1,900円前後に5日線とボリンジャーバンドの+1σ、一目均衡表の転換線、25日線が集まる支持帯があり、ここまでの調整なら健全な範囲です。買残が出来高25日平均の0.3日分しかない一方で売残がその6倍以上積み上がっている構造は、上抜けた際の値運びを速める要因になり得ます。逆に、直近2週間の安値と75日線が重なる1,800円近辺を終値で割り込むようなら、高値挑戦のシナリオはいったん白紙に戻ります。
伊藤忠エネクス(8133)
朝方は売りに押され、一時1,999円と25日線を下回る場面がありました。そこからじりじりと水準を戻し、大引けにかけて2,070円の高値引け。前日終値から2%を超える下げを丸ごと埋めて、下ヒゲを伴う陽線で終えています。指数が-2.73%となった日にプラスで引けたこと以上に、安値からの戻し方が目を引く一日でした。出来高も25日平均の1.97倍と商いを伴っています。上場来高値2,126円までは3%弱です。
ココに注目!: 本日の値動きで最も評価できるのは、2,000円の節目が実際に試され、そこから買い戻された点です。この水準には25日線と75日線、一目均衡表の雲の上端が重なっており、下値の支持帯として機能したことが確認できました。終値はボリンジャーバンドの+1σを上回り、帯の幅も5日前の1.5倍へ拡張しています。25日線乖離率は+2%台、RSI14は59前後、平均値幅率も1%台と、テクニカル面での過熱はほとんど見当たりません。高値までの距離を残しつつ調整余地も乏しいという組み合わせは、上値を追う側にとっては扱いやすい形です。需給面でも貸借倍率0.45倍と売残が買残を上回っており、高値更新を試す場面では買い戻しが加勢しやすい構造になっています。この2,000円ラインへ再び押す展開は支持帯としての機能を確かめる場面になりますが、終値で明確に割り込んで戻せないようなら、25日線を挟んだもみ合いへ戻ったと判断し、高値更新のシナリオは仕切り直しです。
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