本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は22銘柄でした。
前日の米国市場は買いが優勢でした。NYダウは+1.32%の53,178.41ドル、S&P500は+1.48%の7,600.50、そしてNASDAQ100は+1.78%の28,776.80と、ハイテク寄りの指数ほど上昇率が大きくなっています。7月末に集中していた大型テック企業の決算が一巡し、人工知能・クラウド関連へ資金が戻りました。ところが東京市場は、その勢いをそのまま引き継げませんでした。日経平均は63,995円で始まったあと、ザラ場では62,864円まで売られる場面もあり、終値は202円高の63,957円。上昇率は+0.32%にとどまります。前日に日米が協調して円買いに動いた流れから、為替が円高方向へ振れることへの警戒が消えず、輸出関連や金融の上値を抑えました。買いが入ったのは米国のハイテク高を引き継いだ半導体・データセンター関連の一角で、指数を支えた層はかなり限られています。
中身は指数の方向と食い違いました。TOPIXは1.75ポイント高の3,961.78とわずかにプラスを確保しましたが、東証プライムの値下がりは902銘柄で全体の57.9%を占め、値上がりは629銘柄です。3日は指数も中身もそろって下を向きましたが、本日は指数だけがプラスで引ける形に変わりました。一方でグロース250は16.17ポイント高の703.82と大幅に続伸し、700ポイント台に乗せています。+2.35%という上昇率は日米の主要指数のなかでも突出しており、大型株が為替に振り回されるなか、中小型のグロース株には資金が向かい続けています。
売買代金は10兆2,837億円で、3日の11兆7,886億円から1兆5,000億円ほど減りました。指数を丸ごと買う動きは細り、決算発表がピークを迎えるなかで、材料の出た銘柄に資金が集中したと見るのが自然でしょう。
上場来高値を更新したのは22銘柄でした。最多は卸売業の6銘柄で、スズデンが+20.82%、トーメンデバイスが+19.12%、ダイトロンが+15.92%と二桁の上昇が並びます。電子部品・半導体商社が中心という構図は、7月31日、8月3日から3営業日続いています。次いで小売業が4銘柄で、スクロール、エイチ・ツー・オー リテイリング、ブックオフグループホールディングス、ギフトホールディングスが名を連ねました。機械はイワキポンプ、AIRMAN、アネスト岩田の3銘柄、情報・通信業も東計電算が+14.31%、沖縄セルラー電話、JBCCホールディングスの3銘柄です。時価総額は6.31兆円の大塚ホールディングスが最大で、7,275億円のセイコーグループ、3,740億円の沖縄セルラー電話が続きます。48億円のマサルまで規模の幅は広く、大型主導とは言えない構成でした。
もっとも、更新すれば買いが続くという相場でもありません。ブックオフグループホールディングスは-2.20%、JBCCホールディングスは-1.89%、佐藤商事は-1.44%と、ザラ場で高値をつけたあと売りに押されて引けた銘柄も混じっています。指数を動かしたのは為替と米国のハイテク株、高値を更新したのは決算を手掛かりにした中小型株。7月下旬から続く二層構造は、本日も形を変えずに続きました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
大塚ホールディングス(4578)
上場来高値の更新はこの1年で13回を数える常連ですが、直近の更新は5月21日でした。本日はおよそ2カ月半ぶりに、自らの高値を塗り替えています。朝方にIgA腎症の治療薬について、腎機能の低下を抑える2年間の第3相試験データが公表されると、前日終値から窓を開けて12,000円で寄り付きました。前場には11,750円まで押される場面がありましたが、そこから切り返して前場のうちに12,400円台を回復。後場には12,525円まで買われています。ただし引けにかけては売りに押し戻され、終値は寄り付きとほぼ同じ12,015円。上ヒゲが実体の何十倍にも伸びた形で、高値を買った参加者は報われないまま一日を終えています。7月31日に発表した通期見通しの引き上げと増配も、ここ数日の株価を支える背景にあります。出来高は25日平均の1.9倍でした。
ここに注目!: 移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、雲の上での高値更新です。株価はボリンジャーバンドの+2σと+3σの間にあり、帯そのものも5日前比で+1%台の切り上がり。±1σ幅は横ばいで、上昇の速度は一定に保たれています。25日線乖離率は+7%台、RSI14も66前後と、急騰銘柄のような張り詰め方はしていません。この並びと三役好転が崩れないかぎり上昇の土台は有効で、日々の確認点は終値で+1σを保てるかどうかになります。11,500〜11,650円のゾーンには、その+1σと本日の窓の下限が重なります。ここまで戻せば窓埋めは完了で、終値で明確に割り込むようだと、試験データを受けた買いは一巡したと見る場面です。さらに下では25日線が11,200円付近まで下がっており、そこまでの調整は上昇の流れそのものを見直す水準になります。信用買残は出来高25日平均の1日分に満たず、上値に戻り待ちの売りが積み上がった状態ではありません。
ダイトロン(7609)
前日の取引終了後に、通期の経常利益予想の引き上げ、増配、自社株買いと自己株式の消却を一度に発表しました。本日は買い気配で始まり、前日高値との間に5%近い窓を開けて3,820円で寄り付くと、そのまま4,280円まで買われて上場来高値を更新。4,150円で取引を終えています。出来高は25日平均の6倍を超え、普段の商いをまるごと塗り替える規模になりました。7月29日から30日にかけて3,030円まで売られた水準からは、わずか3営業日での戻りです。上場来高値の更新はこの1年で52回を数えますが、直近の更新は5月14日で、間にはおよそ3カ月の空白がありました。
ここに注目!: まず平均値幅率が5%を超えている点は押さえておきたいところです。14日平均で1日に200円前後も動く計算で、値幅の荒さは高値圏でも変わりません。テクニカルで目を引くのは、移動平均線の並びが混在のままだという事実です。株価は4,000円台に乗せたのに、5日線は3,450円付近で25日線・75日線をまだ下回っています。7月末の急落で開いた傷が、線の並びには残ったままです。ボリンジャーバンドも±1σ幅は1.4倍へ拡張した一方、帯の位置は5日前比で切り下がっており、株価だけが+3σの上へ飛び出した格好です。価格帯そのものの切り上がりは、これからの段階にあります。したがって継続の確認点は、5日線が25日線を上抜け、帯の位置が切り上がりに転じてくるかどうか。これが揃えば、腰の据わった上昇への移行が期待できます。当面の強気維持の目安は、終値で+2σの3,900円付近を保てるかどうかです。本日開けた窓の下限3,630円は窓埋め完了の目安となる下値で、ここを終値で割り込むと決算を受けた上昇は仕切り直しとなります。25日線と75日線は3,490円付近に重なりますが、現値からは15%以上も下で、そこまでの下げは調整入りを意味する水準です。信用買残は出来高25日平均の3日分近くあり、上値では戻り待ちの売りも出やすい状態にあります。
エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)
10年以上の空白を経ての更新でした。前回の上場来高値更新は2015年7月24日です。本日は昼過ぎに4〜6月期の決算が伝わり、百貨店事業の伸長で大幅な増益となったことが好感されると、後場に3,050円まで買われました。ただし買いが続いたのはそこまでで、引けにかけては水準を切り下げ、終値は前日比+0.67%にとどまっています。上ヒゲが実体の10倍以上に伸びた形で、決算に飛びついた短期資金の利益確定が同じ日のうちに出たことを示しています。出来高は25日平均の1.7倍と、10年ぶりの更新にしては商いの膨らみ方も限られました。
ここに注目!: 値動きの実態は、上場来高値の更新という見出しほど強くありません。25日線は2,840円付近でほぼ水平、ボリンジャーバンドの±1σ幅も横ばいで、終値は中心線と+1σの間に収まりました。7月下旬からの値動きはトレンドというよりレンジで、本日の高値更新も終値では確定できていません。基本シナリオは中心線への引き戻しとなり、上昇へ本格的に移るには、7月29日の高値2,960円付近を終値で明確に上抜けることが条件になります。本日つけた3,050円も、いったん跳ね返された実績のある水準として当面の抵抗になります。もっとも土台は整いつつあります。移動平均線はパーフェクトオーダーを保ち、帯の位置も5日前比でわずかながら切り上がりました。信用買残は出来高25日平均の1日分に満たず、貸借倍率も1倍台と、需給面の重さはありません。決算という手掛かりを得た以上、明日以降に商いを伴って2,900円台を回復できるかどうかが、上放れの成否を測る最初の関門です。下値は2,800〜2,850円のゾーン。25日線と本日の安値が重なる価格帯で、ここを終値で割り込むと決算への反応は一巡したことになります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
日本信号(6741)
午後1時に第1四半期の決算が発表されると、株価は一変しました。鉄道の信号システムや駅務システムが伸び、営業損益が黒字へ転換したことが伝わると後場に買いが集中し、1,769円まで駆け上がっています。終値は+6.09%の1,706円で、4営業日続伸となりました。同じ時間帯には、インドのデリーメトロ8号線向け信号システムについて長期の保守契約を締結したことも開示されています。出来高は25日平均の3倍超。上場来高値1,809円までは終値で6%程度の距離を残しましたが、ザラ場では2%台まで迫る場面がありました。
ここに注目!: 株価はボリンジャーバンドの+3σを上回って引けました。±1σ幅は1.5倍へ拡張した一方、帯の位置は5日前比でほぼ動いておらず、決算をきっかけに株価だけが一気に飛び出した形です。移動平均線の並びも混在で、25日線は1,590円付近と75日線をまだ下回っています。上昇の土台という点では、まだ若い段階にあります。それでも安値は7月30日の1,518円を底に、1,568円、1,576円と切り上がってきており、本日の上昇には決算という裏付けと出来高の膨らみが伴いました。勢いを測るうえでの観測点は、この安値の切り上がりが続くことと、終値で1,620〜1,650円のゾーンを維持できるかどうかです。ここは+1σと雲の上端が並ぶ価格帯にあたります。25日線が75日線を上抜けてくれば、腰の据わった上昇への移行が期待できます。一方、1,580〜1,600円のゾーンには25日線が位置し、急騰前の株価水準とも一致します。ここを終値で割り込むようだと、決算を受けた買いは一巡したと見る場面です。RSI14は67前後、25日線乖離率も+7%台で、数字そのものに過熱の色はまだ濃くありません。信用買残は出来高25日平均の1日分に満たず、需給は軽い状態です。
ヤマハ発動機(7272)
時価総額1兆円を超える銘柄が、一日で+13.40%も動きました。中間決算とあわせて通期の業績見通しを引き上げたことが伝わり、二輪車事業の好調が評価されて後場に入ってから急伸しています。1,550円まで買われ、1,511円で取引を終えました。7月31日に開けた下げ窓も一気に埋めています。一部事業の構造改革も同時に発表されました。出来高は25日平均の4倍超です。上場来高値1,618円までは、終値で7%程度、ザラ場では4%台まで距離を詰めてきました。この1年、上場来高値の更新はありません。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの帯の位置は5日前比で+2%台の切り上がり、±1σ幅は2倍へ拡張しています。価格が跳ねただけでなく価格帯ごと持ち上がっており、上昇の速度そのものが増している状態です。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立し、雲の上での上昇でもあります。土台は整っており、この並びと三役好転が崩れないかぎり上昇基調は有効とみられます。RSI14は73前後、25日線乖離率は+16%台と数字は張り詰めていますが、株価が+3σの上を歩いている段階では、この水準だけで腰折れを見込む理由にはなりません。帯の位置の切り下がり、高値更新に出来高が伴わなくなる、長い上ヒゲで上値を抑えられるといった崩れの兆候も、本日時点では出ていません。継続の観測点は、終値で+2σの1,430円付近を保てるかどうかです。1,360〜1,400円のゾーンには5日線と、本日埋めた下げ窓の水準が重なります。ここを終値で割り込むようだと、業績見通しの引き上げを受けた買いは一巡したと見る場面です。信用買残は出来高25日平均の1日分に満たず、貸借倍率は10倍近いものの、上値の重しになる規模ではありません。
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