本日の相場概況
前日の米国市場は3指数がそろって上昇しました。NYダウは316.14ドル高の51,778.04ドルで+0.61%、S&P500は85.95ポイント高の7,637.76で+1.14%、NASDAQ100は501.92ポイント高の29,446.98で+1.73%です。利上げを決めた米連邦公開市場委員会(FOMC)を通過した安心感から買いが優勢となり、上昇率はNASDAQ100が最大でした。
東京市場は、日経平均が前日終値を545円上回る64,681円で始まったあと、いったん64,403円まで押しています。流れが変わったのは昼休みの時間帯で、日銀が金融政策決定会合で政策金利を1.25%へ0.25%引き上げると発表すると、後場は寄り付きから上げ幅を広げました。円相場が1ドル=156円台後半へ下落したことで海外短期筋の株価指数先物買いが膨らみ、上げ幅は一時1,300円を超えて65,436円まで買われています。終値は882円高の65,018円、+1.38%の3日続伸で、終値で65,000円台を回復するのは10日以来です。利上げは6月以来3か月ぶり、1.25%という水準は1995年4月以来およそ31年ぶりで、これまでおおむね半年に1回だった間隔が縮まりました。決定は全会一致ではなく、据え置きを主張する反対が2票入っています。
指数の派手さとは対照的に、東証プライムの値下がりは1,003銘柄と全体の64.5%を占め、値上がりは511銘柄にとどまります。TOPIXは3.05ポイント安の4,091.14、-0.07%と小幅ながら下落しました。日経平均を押し上げたのはアドバンテスト、東京エレクトロン、キオクシアホールディングスの3銘柄で、この3社だけで700円あまりの寄与です。利上げの恩恵が最も語られてきたメガバンクはむしろ売られ、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループに利益確定売りが出ました。利上げが事前に織り込まれていたうえ、反対票が2つ入ったことで追加利上げのペースを見極めたいとの見方が意識されたようです。売買代金は10兆3,969億円と前日から3兆2,400億円あまり増え、商いは大きく膨らみました。グロース250は19.63ポイント高の808.98、+2.49%と大きく上げ、高値に近い水準で引けています。
上場来高値を更新した銘柄は45と、前日の65から減りました。最多は卸売業の14銘柄で、マクニカホールディングス、レスター、シンデン・ハイテックスといった半導体商社と、カメイ、山善、稲畑産業といった商社が並びます。次に多いのが銀行業の11銘柄で、山口フィナンシャルグループ、福井銀行、山形銀行、四国銀行、秋田銀行などが顔をそろえ、11行すべてが前日比プラスで引けました。メガバンクが売られる一方、地方銀行には買いが集まっています。電気機器は5銘柄で、ミナトホールディングスが+15.62%と本日の最大の上昇率でした。時価総額1兆円を超えたのはMS&ADインシュアランスグループホールディングス、川崎汽船、かんぽ生命保険、群馬銀行の4銘柄で、残りは中小型が中心です。前日比マイナスで引けたのは10銘柄で、うち3銘柄がこの大型株でした。金利と円安が指数を押し上げた日でありながら、高値を更新した顔ぶれは中小型の商社と地方銀行に寄っています。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
山口フィナンシャルグループ(8418)
日銀が追加利上げを決めた日に、メガバンクは売られ、地方銀行は買われました。同社はその後者の側で最も強く買われた1社です。終値3,443円で高値引けとなり、前日比187円高の+5.74%、出来高は25日平均の4.40倍に膨らみました。安値3,293円から後場にかけて水準を切り上げた、実体の厚い陽線です。山口銀行・もみじ銀行・北九州銀行を傘下に持つ同社は、今週に入って国内の大手証券が投資判断を中立から最上位へ引き上げたと伝わっており、国際統一基準から国内基準への移行で資本を活用できる余地が広がる点と、株価の割安感に着目した内容でした。利上げそのものは業界全体に効く材料ですが、資本の使い道という固有の論点を抱えている分、同じ金利上昇でも受け止められ方が違ったとみられます。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値更新は36回に達し、更新を重ねてきた常連です。今週も16日に一度更新しており、テンポは落ちていません。ただし前回抜いた高値は3,307円で、本日の高値との差は4%程度です。久々に厚い壁を破ったというより、更新を積み上げる過程の一日と見るのが自然でしょう。勢いの数字は上向きです。終値はボリンジャーバンドの+3σを上抜けており、帯の中心線は5日前比で+1%台の切り上がり、±1σ幅はほぼ横ばいです。帯が広がらないまま価格が上端を突き抜けたのは、急に荒れたのではなく水準そのものが持ち上がった動きを示します。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、200日線からは+27%台まで離れました。RSI14は69前後で、過熱の数字としてはまだ余裕があります。平均値幅率は2%台と、日々の値幅が荒れる銘柄ではありません。
需給面では、信用買残が出来高25日平均の1.3日分と軽く、上値で戻り待ちの売りが積み上がっている状態ではありません。一方で貸借倍率は11倍台と買残に偏っており、上昇が続く間は問題になりにくいものの、水準が崩れた場面では戻り売りが出やすい形でもあります。
上昇が続くと見るうえでの目安は、終値で+2σの3,350円付近を保ち、帯の中心線の切り上がりが続くかどうかです。下値では、5日線と+1σが重なる3,270〜3,280円のゾーンが最初の支持帯になります。ここを終値で割り込むと、利上げ通過後の上げはいったん仕切り直しです。さらに25日線と14日の安値が集まる3,180〜3,190円まで下げる場合は、地方銀行への資金の流れそのものを見直す水準になります。決定に反対票が2つ入った以上、次の利上げのペースをめぐる見方の振れが、この業種の株価を揺らす場面も想定しておきたいところです。
PRONI(479A)
昨年12月24日に上場したばかりの銘柄が、前日に続いて2営業日連続で上場来高値を更新しました。中小企業の発注先探しを支援するBtoBのマッチングサービスを手掛ける会社で、本日は2,258円まで買われ、終値2,255円、+5.42%で引けています。上ヒゲがほとんど残らない大陽線で、高値をつけたのは引けの時間帯でした。出来高は25日平均の1.95倍です。日銀の利上げ決定後にグロース250が+2.49%と大きく上げた日で、新興市場全体に買いが向かった流れに乗った格好になります。前日17日に更新した2,139円を、本日は5%を超えて上回りました。
ここに注目!: 上場から180営業日しか経っていないため、200日線はまだ形成されておらず、移動平均線の並びも判定できません。長期の抵抗帯にあたる過去の価格帯も存在しないので、上値の目安をチャートから引くこと自体ができない銘柄です。そのぶん材料次第で値が飛びやすく、平均値幅率も4%台と荒めです。
現在地を測れるのは短めの指標になります。終値は+2σの2,160円付近を大きく上回り、+3σの2,270円台に迫りました。25日線からは+16%台、5日線からも+9%台離れています。注目したいのはボリンジャーバンドの帯の動き方で、±1σ幅は5日前の0.6倍まで縮んだ一方、帯の中心線は5日前比で+6%台の切り上がりです。8月に急騰した局面の値幅が計測期間から抜けて帯が締まり、そこへ価格だけが再び持ち上がった形になります。一目均衡表は三役好転が成立し、雲の上端からも大きく離れました。RSI14は75前後と高い水準ですが、帯の位置が切り上がりを続けているあいだは、この数字だけで腰折れを見込む段階ではありません。需給では、信用買残が出来高25日平均の7.9日分と重い水準にあります。上場から日が浅く売り方の参加が乏しい銘柄では、この買残が戻り待ちの売りとして上値に残りやすく、押した場面での戻りの鈍さにつながることがあります。
帯が締まったまま価格だけが持ち上がった形を保てるかどうかが、この銘柄の見どころです。終値で+2σの2,160円付近にとどまっているあいだは、その形が崩れていません。下値では、前日つけた2,139円が直近まで上値の壁だった水準で、ここを終値で維持できるかどうかが目先の焦点になります。割り込む場合は5日線の2,070円付近、さらに25日線の1,930円付近が次の下値の目安です。25日線まで戻る展開は押し目というより、8月からの上昇そのものを見直す水準になります。
エスケイジャパン(7608)
2月27日以来、およそ7か月ぶりの上場来高値更新です。ゲームセンターの景品向けキャラクター商品の企画・開発を手掛ける同社は、本日946円まで買われ、終値932円、+5.31%で引けました。出来高は25日平均の2.14倍です。後場に入って商いが一気に膨らみ、そこから上値を追う展開になりました。安値871円から高値946円までの値幅は平均値幅の2倍を超えており、新規の材料が確認できないなかで値幅だけが大きく出た一日です。前日までの4営業日は870円台から900円台前半の範囲で行き来していただけに、後場の動き出しは唐突でした。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値更新は23回を数え、更新の常連と呼べる銘柄です。もっとも前回の更新は2月27日で、そこから7か月近く新しい高値が出ない時間が続いていました。本日の高値と当時の高値はほとんど同じ値段なので、分厚い壁を破ったという話ではなく、長く止まっていた更新が再開したと捉えるのが正確です。勢いを測る数字は、この銘柄では帯の広がり方に出ています。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.3倍へ拡張し、帯の中心線も5日前比で+1%台の切り上がりです。終値は+2σの910円付近を上回り、高値では+3σも一時突き抜けました。横ばいが続いていた帯が上へ広がり始めた形で、値動きの勢いが増していることを示します。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、上昇の土台は整っています。RSI14は73前後、25日線乖離率は+8%台と、水準自体に無理はありません。平均値幅率は3%台です。
気をつけたいのは需給の重さです。信用買残は出来高25日平均の5.2日分と重い部類に入り、貸借倍率も35倍台と買残に大きく偏っています。半年以上更新できなかった価格帯で積み上がった買残は、戻りの場面で売りに回りやすい性質を持ちます。本日のように商いを伴って抜けた場合は、その整理が進むかどうかが次の焦点になります。
帯の拡張が続き、終値で+2σの910円付近を保てるかどうかが、この上げが一日で終わらないための条件です。下値では、5日線と+1σ、それに17日の安値が集まる880〜895円が最初に効く水準です。ここを終値で割り込むようだと、本日の急伸は一日で終わった動きということになります。さらに25日線と7日・11日の安値が重なる850〜860円まで下げる場合は、7か月ぶりの更新そのものが騙しだったと判断する水準です。翌営業日以降も商いが続くかどうかが、この急伸の性格を決めます。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
大塚商会(4768)
出来高が25日平均の1.82倍に膨らんだのに、終値は前日と同じ3,646円で動きませんでした。オフィス向けのIT関連商材の販売と通販事業を手掛ける同社は、3,610円から3,668円までの58円の値幅を行き来し、実体のほとんど無い足で引けています。2024年11月25日につけた上場来高値3,789円まで、終値ベースで4%弱の距離です。後場に入って13時台にいったん上値を試したものの、そこから押し戻されて元の値段に戻るという展開でした。商いだけが増えて値段が動かない日は、買いと売りが同じ強さでぶつかったことを意味します。高値の手前で、その綱引きが起きています。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値更新は0回です。同社が最後に上場来高値を更新したのは2024年11月25日で、そのとき記録した3,789円が1年10か月にわたって上値の節目として残ってきました。更新の常連ではなく、長い停滞のあとに高値圏へ戻ってきた銘柄として見ることになります。
現在地はボリンジャーバンドの+1σをわずかに上回る位置です。+2σは3,705円付近にあり、上場来高値の3,789円は+3σ(3,780円)をやや上回る水準にあります。帯の±1σ幅は横ばい、中心線は5日前からわずかに切り上がった程度で、価格が一気に持ち上がる局面ではありません。25日線乖離率は+2%台、RSI14は61前後と、過熱とは無縁の水準です。一方で移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、上昇の土台そのものは崩れていません。平均値幅率は2%台で、値動きの荒さを警戒する必要も薄い銘柄です。需給は極めて軽い状態です。信用買残は出来高25日平均の0.1日分しかなく、貸借倍率も1倍台とほぼ均衡しています。上値で待っている戻り売りが積み上がっていないため、買いが優勢に傾いた場面では素直に値が伸びやすい形です。
まず確認したいのは、9月15日につけた3,690円を終値で上抜けられるかどうかです。この日は3,690円まで買われながら終値は3,606円にとどまっており、同じ価格帯で売りが出た実績が残っています。ここを終値で越えれば、1年10か月ぶりの上場来高値更新まで残る距離は3%を切ります。その手前で確認しておきたいのは、+1σと5日線が重なる3,620〜3,630円のゾーンを終値で維持できるかどうかです。下値では25日線と16日・17日の安値が集まる3,555〜3,580円のゾーンが支持帯になります。この帯を終値で下回れば、高値圏での持ち合いは下方向へ解消したことになります。
ALSOK(2331)
前日は1,270.5円で高値引けとなっていましたが、本日は1,260円で始まったあと1,271円まで上げたところで失速し、1,230円の安値引けです。前日比-3.19%です。警備サービス大手の同社は、出来高が25日平均の2.59倍と膨らむなかで下ヒゲの無い陰線となり、値幅は平均値幅の1.7倍に達しました。新規の材料が確認できないなかで商いだけが増え、値幅の大半を下げに使った一日です。4月8日につけた上場来高値1,335円までは、終値ベースで8%台の距離が残っています。
ここに注目!: 直近1年の上場来高値更新は2回で、最後の更新は4月8日です。そのとき記録した1,335円が、5か月あまり上値の節目として残ってきました。本日の下げでその水準からはやや遠のいた形ですが、株価の位置そのものが崩れたわけではありません。終値1,230円は、ボリンジャーバンドの+1σとほぼ同じ値段です。この日の下げは+1σのちょうど上で止まっており、ここを終値で維持できるかどうかが目先の最大の見どころになります。帯の中心線は5日前比で+1%台の切り上がりを続けており、±1σ幅も前週よりわずかに広がりました。価格帯そのものは持ち上がったままで、本日の下げで帯の構造が崩れたとは言えません。一方で5日線は1,240円付近にあり、終値はこれをわずかに下回りました。RSI14は56前後と中立です。
移動平均線の並びは混在です。25日線は200日線を上抜けたものの、75日線がなお200日線を下回っており、長期のトレンド転換を確認しきれていない状態が続いています。この並びが整うには、75日線が200日線を上抜けるところまで待つ必要があります。一目均衡表は三役好転が成立し、雲の上端からも距離を取れています。需給は軽く、信用買残は出来高25日平均の0.1日分しかありません。売り方の参加も乏しいため、上下どちらに動く場面でも信用取引の残高が重しになりにくい銘柄です。
1,230円付近には+1σと16日の安値が重なっており、まずここで踏みとどまれるかを見ることになります。終値でこの水準を割り込むと、次の目安は25日線と11日の安値が集まる1,200円付近です。ここまで下げる場合は、9月に入ってからの上昇そのものを組み直す必要があります。逆に、5日線の1,240円付近を終値で回復できれば、9月からの上げの形は保たれます。それが確認できれば、本日の高値1,271円を終値で上回れるかが次の関門になります。平均値幅率は1%台と本来は静かに動く銘柄で、本日のような値幅が続くようなら、それ自体が地合いの変化を示すサインになります。
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