本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は10銘柄でした。
昨夜の米国市場で主要3指数がそろって下げ足を速めた流れを、東京市場は朝方そのまま引き継ぎました。NYダウが-1.87%、S&P500が-1.62%、ハイテク色の濃いNASDAQ100が-1.98%と、ここ数日の調整がさらに一段深まった地合いです。日経平均は寄り付きから大きく売られ、ザラ場では一時62,335円まで下落しました。前日終値からの下げ幅は1,800円を超え、節目の63,000円を約3週間ぶりに割り込む場面もありました。
ところが午後にかけて様相が変わります。半導体・値嵩株への押し目買いが入り、日経平均は下げ幅をほぼ取り戻して終値は前日比38円高の64,217円とかろうじてプラスへ浮上しました。東京エレクトロンやキオクシア、イビデンといった一部の半導体・電子部品が指数を強く押し上げた一方、TOPIXは前日比-17.25の3,830.35(-0.45%)と続落、新興のグロース250は+0.50の722.99(+0.07%)とほぼ横ばいでした。
指数の下げ渋りと中身の方向はそろっていません。東証プライムの騰落は値上がり538に対して値下がり987と、全体の6割超(値下がり率63.1%)が下落しました。トヨタなど輸出関連、三菱UFJなど銀行、商社の一角も売られています。6月9日・10日に相場を主導した金融株が本日は逆に値を消し、上場来高値を更新した銘柄に銀行・保険が一つも顔を出さなかった点は、来週の日銀会合を控えた金融物色の小休止を映しています。指数を支えたのはごく一部の半導体であり、広い銘柄はむしろ売りに傾いた、指数主導の戻りでした。
その裏で本日上場来高値を更新したのはわずか10銘柄。日本甜菜製糖(食料品)、ハードオフコーポレーション(小売)、沖縄セルラー電話(通信)、日本郵政やユー・エス・エス(サービス)など、景気に左右されにくい内需・ディフェンシブと中小型に資金が逃げ込んだ構図です。売買代金は東証プライムで約11.3兆円と高水準を保っており、リスク回避一色というより、半導体の急反発を眺めつつ守りの効く銘柄へ資金を退避させる、選別色の濃い一日だったと整理できます。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
ハードオフコーポレーション(2674)
リユース大手の本日の動きは、後場に入ってからの一段高が主役でした。前場は2,480円どまりだった上値が、午後にかけて買いを集めて2,575円まで切り上がり、そのまま高値引け。+5%を超える上昇で上場来高値を更新しました。午前中に発表された5月度売上高で、国内直営店の既存店売上高が前年同月比12.7%増となり、11カ月連続で前年実績を上回ったことが好感されたようで、出来高を伴って節目をすっきり抜けてきた点は素直に評価できます。
ココに注目!:最も効いているのはボリンジャーバンドの収縮からの放れです。直近は±1σ幅が5日前比で縮小しており、値動きが煮詰まったところへ本日の急伸が出た格好で、エネルギーが溜まった後の上放れと読みとれます。25日線乖離率はまだ+8%台、RSI14も68前後と、過熱というより上昇の初動に近い水準で、上値追いの余地を残しています。信用買残は出来高1日分にも満たず、戻り売りの重さも感じられません。押し目を考えるなら、これまで上値を抑えていた2,550円前後の旧高値がサポートに転じるかが短期的な焦点でとなるでしょう。逆に勢いが続くかは終値で高値圏を維持できるかが目安で、25日線が位置する2,370円台まで沈む場面があれば、上放れそのものを見直すことになります。
タスキホールディングス(166A)
6月8日にグロースからプライムに市場区分を変更すると発表されたことを手掛かりに、翌9日から3営業日続けて陽線を重ね、本日は高値1,076円まで買われて上場来高値を更新、終値1,061円と高値圏で引けました。市場区分変更に対する好感が続いているとみられ、需給とモメンタムが前面に出た上昇です。貸借倍率は15倍を超え、信用買残は出来高25日平均の3日分まで積み上がっており、信用買い主導で値を飛ばしてきた構図がうかがえます。
ココに注目!:3営業日で10%を超える上昇の反動で、RSI14は78前後、25日線乖離率も+17%超と短期的な過熱感が前面に出てきました。ボリンジャーバンドの帯域は+2σ〜+3σに張り付き、現値は上限近くに位置しています。あわせて気がかりなのが需給で、二桁の貸借倍率と積み上がった信用買残は、上値での戻り売り圧力として蓄積されつつあります。平均値幅率も3%台とグロース小型らしく値動きが荒く、押し目の深さは読みにくい状態です。現実的に検討しうる押し目は、5日線とボリンジャーバンドの+1σが重なる970〜985円付近です。この水準まで素直に押して下げ止まれば拾い場として意識されますが、終値で明確に割り込んで戻せないようなら短期の強さは失われたと見て仕切り直しとなるでしょう。さらに900円台前半の25日線まで沈むようであれば、ここまでの上昇の流れ自体を点検する段階と捉えるのが妥当です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
寿スピリッツ(2222)
6月諸島からレンジ相場を上放れし、右肩上がりの歩みを続けてきた菓子メーカーですが、本日はその勢いがいったん緩まりました。寄り付き後に2,468円まで買われて上値を試したものの、午後は徐々に水準を切り下げ、終値は2,392.5円と前日をわずかに下回って引けています。上ヒゲの目立つ陰線で、高値を買った参加者が報われなかった、いわゆる前高後安の一日でした。とはいえ上場来高値2,591円までは8%程度に迫っており、上昇基調そのものが崩れたわけではありません。早い時期に過去最高益の決算が好感され、6月初旬には証券会社の目標株価引き上げ報道も伝わるなど、足元の上昇を支えてきた地合いは続いています。
ココに注目!:今この株で最も目を引くのは、上昇に伴うボリンジャーバンドの急拡張です。±1σ幅は5日前の倍以上に広がり、帯域は+3σに近い過熱圏。RSI14も77前後と上限に張り付いており、本日の上ヒゲ陰線はその過熱を冷ます最初の売りと読めます。あわせて見ておきたいのは、安値2,361円が6月10日に開けた上げ窓やボリンジャーバンドの+2σより上で下げ止まった点で、過熱のなかでも下値は崩れていません。仮に調整が深まる場合は、6月10日の上げ窓が位置する2,290〜2,320円どころが最初の支えとなり、そこを終値で割り込むようだと短期の過熱整理が本格化します。+1σの2,200円付近や25日線まで戻すようなら、いったん上昇のピッチを落とす展開も想定しておきたいところです。
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