本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は62銘柄でした。
週明けの東京市場は記録的な上昇を見せました。日経平均は前週末比3,297円高の69,317円で引け、史上最高値を終値ベースでも更新しています。上げ幅は歴代2位の大きさで、ザラ場では一時69,682円まで買われ、初めて69,000円台に乗せました。引き金は、日本時間15日早朝に伝わった米国とイランの戦闘終結合意です。ホルムズ海峡の開放期待から原油先物が下落し、インフレ圧力が和らぐとの見方が、金利上昇に神経質だったAI・半導体関連への買いを一気に呼び込みました。前週末の米国市場はNYダウが+0.70%、S&P500が+0.50%、NASDAQ100が+0.64%とそろって小幅高にとどまっており、本日の急伸は米国株高を引き継いだというより、地政学リスクの後退を受けた日本株独自の買い戻しが前面に出た一日でした。前場に上げ幅を3,600円超へ広げたあと、後場は利益確定や持ち高整理の売りで上昇がいったん一服しています。
注目すべきは、ここ数日続いた指数高・中身安の歪みが少し解消したことです。東証プライムの騰落は値上がり1,090に対して値下がり434と、値上がりが全体の約7割を占め、指数と中身の方向がそろいました。TOPIXも+117.64(+3.03%)の3,999.60と堅調で、ザラ場では一時4,000台に乗せて最高値圏に顔を出しています。一方で新興のグロース250は-11.49(-1.59%)の713.00と逆行安。資金は新興・小型ではなく、大型の値嵩株と景気敏感株へはっきりと偏りました。日経平均の伸びがTOPIXを上回ったことからも、半導体をはじめとする値嵩株が指数を牽引したことがうかがえます。売買代金は東証プライムで約11.46兆円と高水準を保ち、様子見ではなく攻めの買いが入りました。
物色は二つの太い流れが同時に走りました。本日上場来高値を更新した62銘柄を見ると、まず三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、千葉銀行など銀行が20社超、これに第一生命ホールディングスやMS&ADインシュアランスグループ、日本取引所グループといった保険・その他金融が加わり、金融が更新数の半分近くを占めました。今週の日銀会合をにらんだ利上げ観測が、引き続き相場の太い軸になっています。もう一方の流れが、値幅で相場を主導した半導体・素材・機械です。太陽誘電やキオクシアホールディングス、KOKUSAI ELECTRIC、レーザーテックといった電気機器に、東ソー・石原ケミカル・日産化学など半導体周辺の化学、ディスコ・荏原製作所・キッツなどの機械が連なり、いずれも2桁の上昇率が目立ちました。金融が小幅高で更新数を稼ぐ裏で、景気敏感・テーマ株が値幅を稼いだ構図です。原油安を受けて、資材費の高騰が嫌気されていた建設の中電工・大氣社が買い戻され、内需の三越伊勢丹なども顔を出すなど裾野は広く、全体としては大型・景気敏感が主導するリスクオンの全面高だったと整理できます。新興・小型が取り残された点だけが、この強い地合いのなかで唯一の違和感として残りました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
サムコ(6387)
先週末12日に発表した第3四半期決算が、明確な業績の裏付けとなりました。データセンター向けを中心に受注が拡大し、増収増益に加えて通期予想の上方修正と増配を打ち出したことが好感され、12日の急伸に続いて本日は寄り付きから買いが殺到。一度13,670円まで押す場面はありましたが、後場にかけて一段と水準を切り上げ、15,200円まで買われて高値引けで上場来高値を更新しました。3月に取り上げた際は、SiC(炭化ケイ素)などパワー半導体の実需を評価した独歩高でしたが、今回はデータセンター・AI向けという旬のテーマに、業績の数字がはっきり伴ってきた点がこれまでとの違いです。半導体製造装置への資金が集中した本日の地合いも、これに勢いを足しました。
ココに注目!:25日線が横ばいでスクイーズしている中で、寄り後の押しを後場の買いがすべて拾い切り、高値引けとなったところに本日の強さが表れています。一度13,670円(本日空けた窓の上限にあたります)まで下げてから切り返したことで、この水準が当面の検証済みサポートになりました。一方で過熱感は際立ち、25日線乖離率は+27%台、終値はちょうどボリンジャーバンドの+3σに張り付いています。平均値幅率も8%超と荒く、ここからの上値追いは過熱との勝負です。信用買残は出来高1日分程度と軽く(売残はごくわずかで貸借倍率は参考値です)、需給面の重しは小さいのが救いです。短期的な押し目としてはボリンジャーバンドの+2σが位置する14,000円台前半が意識されます。もう一段押すなら窓の下限12,480円や5日線が重なる12,500円前後ですが、ここまでくると25日線(11,900円付近)が意識されやすくなり、そこまで戻すとなると、それは押し目というより上昇の勢いそのものが切り替わる調整入りの水準で、軽い拾い場とは分けて考えたいところです。
HUMAN MADE(456A)
6月1日に取り上げた際は、株式分割とロックアップ解除という需給の節目を越えた直後の高値更新を評価しつつ、本格的な右肩上がりの再開には高値圏を維持したまま移動平均線の傾きが上向くのを待ちたい、と述べていました。その想定どおり高値圏を保ったまま移動平均線が上を向き、本日は全面高の追い風に乗って8%を超える上昇。寄り付きで大きく窓を空けて1,804円まで駆け上がり、6月3日の上場来高値1,759円を明確に塗り替えました。直後に1,709円まで押す場面もありましたが、安値からはしっかり買い戻され、陰線とはなったものの長い下ヒゲを残して1,781円で引けています。グロース市場全体が逆行安となるなかで、高値圏でも押し目買いが控えていることを示した一日でした。
ココに注目!:寄り直後に上場来高値を付けたあと深押しし、安値から買い戻された長い下ヒゲは、需給の底堅さの表れです。ただし25日線乖離率は+22%台、ボリンジャーバンドは+2σと+3σの間に位置する過熱圏で、平均値幅率も7%超と新興株らしい荒さが残ります。そして最大の変数は、本日が決算発表予定日にあたることです。内容次第では窓を空けた値動きになりやすく、結果を確認するまでは持ち高を傾けにくい点は意識しておきたいところです。テクニカル上の支えは、本日空けた窓の下限1,669円や5日線が重なる1,640円前後がまず意識され、より深ければ+1σの1,600円付近。25日線(1,460円付近)は現値から2割近く下にあり、ここまで下げる場合は急騰の過熱を解消する本格調整と捉えるべき水準で、浅い押し目と同列の拾い場ではありません。信用買残はやや優勢(貸借倍率9倍台)で、上値では戻り待ちの売りも頭に入れておきたいところです。
山善(8051)
全面高に沸いた一日にあって、この銘柄の+2.09%という上げ幅はむしろ控えめです。派手さはありませんが、工作機械販売に強みを持つ機械専門商社として設備投資の追い風を背に着実に水準を切り上げ、本日も1,866円まで買われて上場来高値を更新しました。日々の値動きの荒さを示す平均値幅率は2%台と低く、相場が大きく振れた日でも淡々と上値を伸ばす、低ボラティリティの優等生といった値運びです。寄り付き後に高値を付けたあとは伸び悩み、上ヒゲを残して終値1,809円となりましたが、それでも最高値圏での引けに変わりはありません。
ココに注目!:移動平均線は5日線・25日線・75日線・200日線がきれいな上向きの並びとなったパーフェクトオーダーで、上昇トレンドの土台は強固です。むしろ目を引くのはボリンジャーバンドがスクイーズしていることで、低ボラティリティのまま高値を更新してきた現状は、近く大きな方向感が出る予兆ともみえます。今日の新高値がその放れの初動になるかどうかは、上ヒゲを残した1,866円を終値で明確に上抜けてくるかが試金石になります。25日線乖離率は+6%台と過熱はなく、RSI14が68前後とやや高い程度。押し目は5日線が位置する1,740円前後や、過熱のない今であれば25日線(1,700円付近)まで引きつけても拾いやすい水準です。信用買残は出来高1日分にも満たず、貸借倍率も2倍弱と需給は軽く、上値の重しは小さい状態です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
AIメカテック(6227)
寄り付きから一気に9,190円まで駆け上がり、ザラ場では4月15日に付けた上場来高値8,420円をあっさり上回りました。ところが買いはそこで続かず、後場にかけて8,030円まで失速。終値は8,340円と高値から大きく水準を切り下げ、長い上ヒゲを残す結果となりました。終値ベースでは上場来高値まであと1%弱に迫りながら、上放れを終値では固めきれなかった一日です。AI向け先端半導体を手掛ける装置メーカーとして、半導体製造装置への資金流入を素直に映して買われた格好ですが、平均値幅率が9%超と極めて荒く、本日の上下動の大きさそのものが、この銘柄の値動きの軽さと危うさを物語っています。
ココに注目!:本日の長い上ヒゲと、平均値幅率9%超という荒さが何より警戒材料です。ボリンジャーバンドは+2σと+3σの間まで帯域が拡張中で、25日線乖離率は+26%台と過熱は明白。ザラ場で上場来高値を上回りながら終値で押し戻されたことは、高値圏での利益確定の圧力が相応に強いことを示しています。さらに気になるのが急騰の若さで、25日線がなお75日線をわずかに下回ったままであり、中期トレンドの転換は数字のうえではまだ確認しきれていません。信用買残が積み上がって貸借倍率は11倍近く、上値では戻り待ちの売りも控えます。終値で8,420円(終値ベースでの最高値)をしっかり上抜き、上ヒゲをこなして定着できるかが、上場来高値更新を本物にする条件です。崩れを見極めるなら、本日空けた窓の下限7,850円や5日線(7,520円付近)を終値で割り込むかどうかが目安となり、板の薄さゆえの想定外の振れには十分な注意が必要です。
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