本日の相場概況
前日の米国市場は3指数がそろって下落しました。NYダウは-1.32%の52,759.21ドル、S&P500は-0.87%の7,641.16、NASDAQ100は-0.72%の29,213.16です。一つ前の取引では3指数とも小幅な値動きにとどまっていましたが、この日は下げ幅が大きく、なかでもNYダウはその上げ幅をすべて打ち消して53,000ドルを割り込みました。
東京市場も売りが先行しました。日経平均は前日終値から789円安い65,427円で寄り付き、午前のうちに65,260円まで下押ししています。ところがそこからは戻り歩調に変わり、66,125円まで買い直されて終値は200円安の66,016円、-0.30%です。安値からは756円戻しており、寄り付きで開いた下げ幅のほとんどを取り返しました。
本日の特徴は、指数のあいだで方向が割れたことです。TOPIXは7.56ポイント高の4,067.29で+0.19%と、日経平均とは逆にプラスで引けています。東証プライムの値上がりは883銘柄、値下がりは622銘柄で全体の40.0%にとどまりました。値上がり銘柄のほうが260銘柄あまり多いなかで日経平均だけが下げたのですから、重かったのは指数への寄与度が大きい値嵩株のほうです。一方でグロース250は8.51ポイント安の768.47、-1.10%と反落しました。前日に+4.67%と大きく戻した反動が出ています。
売買代金は7兆9,134億円と前日から7,000億円ほど減り、8兆円を割り込みました。19日には10兆円を超えていましたから、2営業日で2兆2,000億円あまりが細ったことになります。売り込まれた分を買い戻す動きが一巡し、新しい資金が積極的に入っている状態ではなさそうです。
上場来高値を更新したのは32銘柄で、前日の21銘柄から11銘柄増えました。値上がり銘柄数のほうは前日の1,320銘柄から883銘柄へ減っていますから、相場全体の広がりとは逆の動きです。中身は前日からの流れをそのまま引き継いでいます。最も多いのは食料品と卸売業でそれぞれ6銘柄、あわせて全体の4割近くを占めました。昭和産業、日本甜菜製糖、日清オイリオグループ、不二製油と食品が並び、卸売ではTOKAIホールディングス、伊藤忠エネクス、第一実業が顔を出しています。次いでサービス業が4銘柄、小売業が3銘柄と続き、内需寄りの顔ぶれが厚いままです。
規模の面では、時価総額1兆円を超える銘柄が2社ありました。日本郵船の2.87兆円と川崎汽船の2.04兆円で、いずれも海運です。前日は1兆円超が1社もありませんでしたから、大型では海運だけが戻ってきた形になります。川崎汽船は+7.28%、日本郵船は+4.50%と上昇率でも上位に食い込みました。両社そろっての高値更新は14日から19日まで4営業日続き、20日に一度途切れたばかりです。上昇率で最も高かったのは令和アカウンティング・ホールディングスの+16.01%、次いで川崎汽船、日宣の+6.80%と続きました。32銘柄のうち前日比マイナスで引けたのは5銘柄です。前日は21銘柄中2銘柄でしたから、ザラ場の上値を引けまで守れなかった銘柄はやや増えました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
令和アカウンティング・ホールディングス(296A)
前場の商いは閑散としており、9時台から11時台までのあいだに成立したのは2,000株あまり、値幅も927円から937円までの10円幅です。流れを変えたのは昼休みに開示された中期経営計画の策定です。これを受けて後場は987円の買い気配で始まり、最初の30分で1,065円まで駆け上がります。13時台には制限値幅の上限にあたる1,087円をつけ、そのままストップ高で引けました。150円高の+16.01%、出来高は25日平均の3.4倍です。上場来高値の更新は7月22日以来、およそ1か月ぶりになります。会計・税務コンサルティングを手掛けるグロース市場の銘柄で、時価総額は406億円ほど。17日には海外の運用会社が発行済み株式の5%を超えて保有したことを届け出ています。
ここに注目!: 7月21日に取り上げたときは、後場のストップ高で勢いこそ強かったものの、一目均衡表の三役好転は未成立、移動平均線の並びも混在で、テクニカル面の裏付けが整っていませんでした。ひと月を経た本日は、移動平均線がパーフェクトオーダーに揃い、三役好転も成立しています。上昇の土台という点では前回より条件が良くなりました。勢いの中身も確かめておきたいところです。ボリンジャーバンドの帯そのものは5日前比で+5%台の切り上がりと着実に位置を上げていますが、±1σ幅のほうは5日前の0.9倍とむしろ狭まっています。株価は1,080円付近の+3σを上回って引けており、帯が広がる前に価格だけが上端の外へ飛び出した形です。上場来高値の更新はこの1年で8回と、まったくの久々ではありません。ただ直前の更新は7月で、そこから約1か月は上値に届かない時間が続いていました。この日の商いが一過性で終わるかどうかは、明日以降に値幅が付いてからの動きで測ることになります。継続を確認する目安は、終値で1,020円付近の+2σを保てるかどうかです。RSI14は81台、25日線乖離率は+21%台と数字は高い水準にありますが、帯の位置が切り上がっているうちはこれだけで腰折れを見込む段階ではありません。信用は貸借倍率が2倍台と買残に傾いているものの、買残は出来高25日平均の1日分にも届かず、上値の重しになる残高ではありません。890円付近の25日線は現値から17%台下の水準で、そこまで戻す展開になれば直近の上げそのものを見直す場面になります。平均値幅率は3%台ですから、本日は普段の4倍を超える値幅が一日で出たことになります。
立川ブラインド工業(7989)
新しい材料が出たわけではないのに、商いが25日平均の3.2倍に膨らみました。2,666円で寄り付いたあとは買いが優勢で、前場のうちに2,730円まで買われて上場来高値を更新しています。後場は2,705円から2,720円までの狭いレンジで動かず、終値は89円高の2,723円、+3.38%です。高値から7円押しただけの引けで、上げた水準をそのまま守り切りました。ブラインドや間仕切りを手掛ける時価総額547億円の銘柄で、8月4日に発表した中間決算が市場の事前予想を上回る増益で着地して以降、目立った急騰を挟まないまま水準を切り上げてきています。上場来高値の更新は7月29日以来、3週間あまりぶりです。
ここに注目!: 25日線乖離率は+4%台、RSI14は67前後にとどまり、過熱を示す数字はどこにも出ていません。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が続いており、この並びが崩れないかぎり上昇の土台は有効です。一方で、上へ行こうとする力そのものは穏やかです。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前とほぼ同じ、帯の中心の切り上がりも+1%台で、帯そのものはゆっくりとしか動いていません。終値2,723円は2,725円付近の+2σにほぼ張り付く位置にあり、本日は株価が帯の上端へ届いた日と言えます。ここから帯が広がりながら中心線が追いついてくるかどうかが、上昇が次の段階へ進めるかの分かれ目です。日々の確認点は、5日線と+1σが2,670円付近で重なる水準を終値で維持できるかどうかになります。25日線と8月20日の安値が重なる2,610円から2,620円のゾーンを終値で割り込むようだと、7月末から続いてきた高値更新の流れは仕切り直しです。留意しておきたいのは商いの実数で、本日の3.2倍でも12万株に届きません。平均値幅率は2%を下回り、値動きが荒い銘柄ではありませんが、板の薄さから何かのきっかけで値が飛びやすい性質はあります。信用買残は出来高25日平均の1日分あまり、貸借倍率は1倍台とほぼ均衡しています。
不二製油(2607)
8月10日に取り上げたときは、株価だけが一日で飛び出し、価格帯の切り上がりはこれから追いつく段階だと書きました。その後の値動きで動いたのは株価ではなく帯のほうです。12日から20日までは4,388円から4,655円のあいだで上下を繰り返し、そのあいだに中心線が下から寄せてきました。本日は4,558円で寄り付くと直後から買われ、9時台のうちに4,698円まで上げて上場来高値を更新しています。ただし上値を伸ばせたのはそこまでで、以降はじりじりと水準を下げ、終値は124円高の4,612円です。高値から86円押しての引けとなり、実体を上回る長さの上ヒゲが残りました。上場来高値の更新は14日以来、5営業日ぶりです。14日には国内証券が投資判断を据え置いたまま目標株価を引き上げるレポートを出しており、その日につけた高値が本日まで上値の壁として残っていました。本日は食料品が6銘柄と最も多く高値を更新しており、業種全体への物色と重なった一日でもあります。
ここに注目!: 終値4,612円は4,710円付近の+2σに届かず、4,430円付近の+1σとの中間に着地しました。ザラ場でつけた上値を買った参加者が報われなかった日であり、上放れの確定は先送りされた状態です。もっとも、上昇そのものが途切れたわけではありません。ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の1.3倍へ広がり、帯の中心も+2%台の切り上がりです。出来高も25日平均の1.7倍で、更新に商いが伴っています。RSI14は71前後と、前回取り上げた10日とほとんど同じ水準です。同じ数字のまま株価も25日線も切り上がってきたわけで、この数字が上昇を止めてきたわけではありません。需給面では貸借倍率が1倍を割り込み、売残が買残を上回る売り長の形が続いています。買残は出来高25日平均の0.2日分と軽く、株価が上値を追う場面では買い戻しが上げ足を速める要因になりえます。上放れが確定したと判断できるのは、本日の高値4,698円を終値で上抜けたときです。それまでのあいだは、終値で+1σを維持できているかが継続の目安になります。下値では17日から20日にかけての安値と+1σが4,420円から4,460円のゾーンに集まっており、ここを終値で割り込むと8月中旬の保ち合いへ逆戻りする形です。4,150円付近の25日線まで戻る展開になれば、8月7日の決算を評価した買いそのものが巻き戻される場面になります。平均値幅率は3%台で、本日の高値から終値までの押しはその範囲に収まっています。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
キリンホールディングス(2503)
時価総額2.42兆円の大型銘柄が、出来高を25日平均の0.8倍に落としたまま、2018年4月18日に記録した上場来高値3,199円まで5%あまりの距離に入ってきました。本日は3,041円で寄り付き、寄り付き直後の3,062円を高値に売られて、11時台に3,021円まで押しています。後場は買い直され、大引けにかけて3,050円まで戻して終値は6円高の3,038円、+0.20%です。一日を通して値幅は40円あまりで、静かな一日でした。株価が動いたのは今月の上旬です。8月7日に発表した中間決算で通期の最終利益予想を上方修正し、同じ日に海外の健康関連企業を完全子会社化する契約の締結も明らかにしています。その後12日から14日にかけて3,132円まで買われましたが、そこからは3,000円前後まで押し、本日は戻す途中に位置しています。
ここに注目!: 安値は18日の2,974円から19日の2,983円、20日の3,004円、本日の3,021円と4営業日続けて切り上がっています。8月上旬に買われたあとの押しは、底の水準を一段ずつ上げながら吸収されてきました。この切り上がりが途切れないかぎり、8月上旬の上げは崩れていないと見てよさそうです。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が続いており、土台そのものは整っています。ただし上へ押し上げる力は、まだ強いとは言えません。出来高は25日平均を下回り、ボリンジャーバンドの±1σ幅も5日前の0.9倍と狭まっています。帯の中心の切り上がりも+1%台で、価格帯が急いで上がっている状態ではありません。RSI14は56前後、25日線乖離率は+2%台と、数字のうえでは無理をしていない代わりに、上昇の速度そのものが控えめだということです。上値では3,055円付近の+1σが目先の関門で、ここを終値で上抜けて定着できるかどうかが最初の確認点になります。その先は14日の高値3,132円を終値で上回れるかです。需給は極めて軽く、信用買残は出来高25日平均の0.1日分、貸借倍率も1倍台とほぼ均衡しており、上値の重しになる残高はありません。25日線と18日の安値が重なる2,970円から2,980円の水準を終値で割り込むようだと、4営業日続いた安値の切り上がりが止まり、決算を評価した買いは仕切り直しとなります。平均値幅率は3%弱で、大型らしく日々の値幅は落ち着いています。
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