本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は33銘柄でした。
今日の東京市場は、前場と後場でまるで別の相場でした。前日の米国市場はNYダウが+0.74%、S&P500が+0.89%、NASDAQ100が+1.93%とそろって上昇し、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は5%高。TSMC(台湾積体電路製造)が2027年に半導体の生産受託価格を最大10%引き上げるとの日本経済新聞電子版の報道が21日に伝わり、需要の強さを映すものと受け止められました。この流れを引き継いだ東京市場は寄り付きから買いが先行し、日経平均は一時1,300円あまり上昇、高値67,592円と67,000円台を回復しています。ところが後場に入ると米ハイテク株指数先物の伸び悩みと韓国株の失速に歩調を合わせ、じりじりと上げ幅を削る展開に。今晩の米大手ハイテク企業の決算発表を前にした様子見も重なり、終値は前日比116円安の66,115円と、小幅ながらマイナスで引けました。
もっとも、指数の下落を市場全体の弱さと読むのは早計です。TOPIXは18.18ポイント高の4,033.13で+0.45%、東証プライムの値上がりは840銘柄に対し値下がりは671銘柄。日経平均を押し下げたのは値嵩の半導体株が午後に失速したためで、幅広い銘柄はむしろ買われています。一方でグロース250は7.53ポイント安の696.54と-1.07%、しかも安値引けでした。大型のバリューが買われ、中小型のグロースが売られるという資金の性格の違いが鮮明です。売買高が前日より減るなかで売買代金は10兆4,377億円と膨らんだことも、単価の高い大型株に商いが集中した一日だったことを示しています。
その軸になったのが金利と為替でした。円相場は1ドル=163円台と39年7カ月ぶりの円安水準に進み、新発10年物国債利回りは2.745%まで上昇。中東情勢の悪化による原油高と円安が国内の物価上昇圧力を意識させ、業種別では非鉄金属、銀行業、卸売業、石油・石炭製品が上昇した反面、コスト増を警戒された小売業やサービス業、空運業が下げています。
この構図は上場来高値を更新した33銘柄の顔ぶれにそのまま表れました。銀行業が13行を占め、三井住友フィナンシャルグループやゆうちょ銀行といった時価総額10兆円超の巨艦までが高値を更新。オリックス、日本証券金融、リコーリースのその他金融業、MS&ADインシュアランスグループホールディングスの保険業を合わせると、金融関連だけで17銘柄と全体の半分を超えます。ここにサービス業に分類される日本郵政も加わりました。7月17日には金利低下で売られ、避難先の座を内需消費に譲っていた銀行が、わずか3営業日で完全に主役へ戻った格好です。指数は小幅安でも、中身では金利上昇を軸にした資金の付け替えが淡々と進んでいます。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
KPPグループホールディングス(9274)
株主還元と資本効率の強化を一度にまとめて打ち出したことが、そのまま買いを呼び込みました。21日の取引終了後、同社は自己株式の取得枠を拡大し、取得期間も来年3月末まで延長すると発表しています。あわせて政策保有株式の売却目標の引き上げと、図書カードを贈る株主優待の年2回への拡充も明らかにしました。自社株買いは6月18日に決議した枠をわずか1カ月あまりで積み増した形で、資本政策への踏み込み方が一段深まった内容です。
これを受けて株価は30円ほど窓を開けて寄り付き、いったん1,087円まで押される場面はあったものの、そこから切り返して1,116円まで上値を伸ばし、7月16日以来3営業日ぶりの上場来高値更新となりました。押した1,087円は7月17日の高値とほぼ重なる水準で、直前まで上値を抑えていた価格帯が今度は下支えに回っています。終値も1,109円と高値圏を保ち、戻り売りに押し戻されない一日でした。出来高は25日平均の2.6倍程度に膨らんでいます。前週末の急落で1,040円まで売り込まれた株価が、わずか3営業日で高値を取り返した形です。
ココに注目!:ボリンジャーバンドは±1σ幅がほぼ横ばいのまま、帯そのものが5日前から2%台の切り上がりとなっています。ボラティリティの拡大で一気に吹き上がったのではなく、帯ごと水準を持ち上げていく型の上昇です。終値は+2σをわずかに上回る位置にあり、上方には1,130円台の+3σが控えます。25日線乖離率は+7%台で、上場来高値を更新した銘柄としては過熱感が突出しているわけではありません。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転が成立しており、トレンドの土台は整った状態です。信用買残は出来高25日平均の0.8日分と軽く、上値に滞留した買いが重石になりにくい状態です。そこへ来年3月末までの自己株式取得が重なるため、需給面の下支えは当面続きやすいと考えられます。過熱の解消待ちというより、トレンド継続を素直に見ていける段階でしょう。エントリーを考えるなら、5日線と本日の安値、そして7月17日の高値が重なる1,080〜1,090円処まで押した場面が一つの目安になります。本日はこの水準で下げ止まって切り返しており、今後も支えが効くかどうかが目先の見極めどころです。逆にこの帯を終値で明確に割り込むようだと短期の勢いは仕切り直しとなり、さらに25日線の1,030円付近を下回る展開になれば、7月からの上昇の流れそのものを見直す必要が出てきます。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
かんぽ生命保険(7181)
2営業日続けての高値引けです。本日は前日終値をわずかに下回る水準で寄り付いたものの、その後は戻り売りに押される場面がほとんどないまま水準を切り上げ、後場に一段高となって1,728円の高値でそのまま取引を終えました。42円高で引け、上場来高値1,772円まであと2%台に迫っています。前日も1,686円の高値引けで、7月中旬まで上値を抑えていた1,680円処のもみ合い上限を2日がかりで明確に上抜けた形です。
本日の東京市場では新発10年物国債利回りが2.745%まで上昇し、円相場も1ドル=163円台と39年7カ月ぶりの円安水準に進みました。金利上昇は生命保険会社の運用環境にとって追い風と受け止められやすく、同じ日本郵政グループのゆうちょ銀行と日本郵政がそろって上場来高値を更新したことからも、金融セクター全体へ資金が向かった一日だったことがうかがえます。
ココに注目!:ボリンジャーバンドの±1σ幅は5日前の120円弱から150円近くへ広がり、帯の中心線も切り上がっています。上昇にボラティリティの拡大が伴っており、平均値幅率も2%台へ切り上がってきました。終値は+2σが位置する1,730円台にほぼ届く水準で、この帯の上限を押し上げながら進めるかが当面の焦点になります。一方で出来高は25日平均の1.3倍程度にとどまり、値動きの派手さに比べれば商いの膨らみは限定的です。需給面では信用買残が出来高25日平均の0.9日分と1日分に満たない規模で、日々の商いの厚みからすれば上値の重石として効きにくい水準にあります。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転で、トレンドの形は整っています。上値のめどが上場来高値に絞られる一方、下値では直近のもみ合い上限だった1,680円処から、5日線・転換線・ボリンジャーバンドの+1σが重なる1,660円台にかけてが最初の支持帯です。押し目を考えるならこのゾーンへ接近した場面が現実的で、逆に終値で1,660円処を明確に割り込むようなら短期の見立ては仕切り直しになります。25日線が位置する1,590円付近まで下げる展開は、押し目ではなく上昇の流れ自体を見直すべき水準として区別しておきたいところです。
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