本日の相場概況
21日の米国市場は、NYダウが360.22ドル高の52,856.10ドルで+0.69%、S&P500が44.60ポイント高の7,757.17で+0.58%、NASDAQ100が332.24ポイント高の29,822.52で+1.13%と、3指数がそろって上げました。ところが取引終了後に決算を発表した半導体製造装置大手のラムリサーチが時間外取引で下げ、東京市場はこちらの流れを受けています。日経平均は64,539円と小幅安で始まり、朝方は64,866円まで上げてプラスに転じる場面もありましたが、AI・半導体関連株への売りが強まって前場のうちに下げ幅を広げました。後場は円相場が1ドル157円20銭近辺まで円高に振れたことも重なって売りが止まらず、終値は1,713円安の62,907円、-2.65%と安値引けの大幅反落です。終値で63,000円を割り込むのは7月30日以来、およそ3か月ぶりで、アドバンテストと東京エレクトロンの2銘柄だけで約805円を押し下げました。
市場全体の下げは日経平均ほど深くありません。TOPIXは46.23ポイント安の3,997.50、-1.14%と下げ幅は日経平均の半分以下ですが、4,000を割り込んで引けました。東証プライムの値下がりは821銘柄、値上がりは684銘柄です。前場の終わりには値上がり銘柄のほうが多かったものが、後場の下げで逆転しました。売買代金は7兆569億円と、21日の6兆9,265億円から1,300億円あまり増えています。グロース250は13.42ポイント安の753.27、-1.75%で、ザラ場では782.39まで上げたものの安値引けとなりました。33業種のうち下げたのは20業種で、非鉄金属が下落率の首位、ガラス・土石、電気機器、機械、銀行が続きます。上げたのは鉱業を首位とする13業種で、保険業も買われました。半導体・AI関連に売りが集中し、指数ほどには売られなかった銘柄も多い、指数主導の下げでした。
上場来高値を更新したのは29銘柄と、21日の16銘柄からほぼ倍に増えました。最も多いのは情報・通信業の10銘柄で、10銘柄すべてが上げて引けています。セグエグループ(+7.46%)、グローバルセキュリティエキスパート(+4.33%)、ソリトンシステムズ(+4.18%)、テクマトリックス(+2.87%)とセキュリティ関連が並びました。世界のウェブサイトの約7割で使われるとされるプログラム言語PHPに重大な脆弱性が見つかったと21日に伝わり、サイバーセキュリティ関連株に買いが集まっています。JBCCホールディングス(+4.91%)、大塚商会(+3.28%)、オービック(+2.77%)といったシステム開発・販売の銘柄も更新し、卸売業のキヤノンマーケティングジャパン(+4.53%)も加わりました。米IBMの7〜9月期決算が市場予想を上回ったことが情報サービス株の買いにつながったと伝わっています。サービス業は4銘柄で、ベイカレント(+3.76%)が上げた一方、ノースサンド(-3.51%)とムービン・ストラテジック・キャリア(-3.27%)は下げて引けました。時価総額1兆円を超えるのは6銘柄、1,000億円以上は19銘柄で、下げて引けたのは全体で6銘柄です。外食は丸千代山岡家(+3.86%)の1銘柄に減り、半導体関連が一覧に入らない状態は19日から4日続いています。指数を押し下げた銘柄群とは別の場所で、セキュリティと情報サービスへ資金が向かった一日でした。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
セグエグループ(3968)
13日に861円まで上値を伸ばして上場来高値を更新しながら、その日は801円まで押し戻されて引けた株価が、7営業日をかけて戻り、本日877円まで買われて再び上場来高値を更新しました。高値をつけたのは9時半からの30分間で、後場も853〜871円の範囲で高い位置を保ち、終値は60円高の864円、+7.46%です。始値830円から34円上げた陽線で、上ヒゲは短く収まりました。出来高は25日平均の2.3倍です。21日に伝わったPHPの重大な脆弱性を受けてセキュリティ関連株に買いが集まり、海外のセキュリティ製品の輸入販売を手掛ける同社もその一角として買われました。日経平均が1,700円を超えて下げた日の逆行高です。直近1年の上場来高値の更新は本日で9回目になります。
ここに注目!:10月9日に取り上げた際は、当時抜いたばかりの旧上場来高値809円を終値で保てるかを、上昇が続く最初の条件に挙げていました。この条件は13日に崩れています。13日から15日、そして20日と21日の終値は809円を下回りました。一方、その下で目先の支えに挙げた760〜780円のゾーンは、15日の安値780円が上端に触れたところで下げ止まり、それより下には入っていません。そこから本日の829円まで、20日に789円へ下げた以外は安値の切り上がりが続き、本日は809円の上へ戻ったうえで上場来高値を更新しました。当時と大きく変わったのは信用面です。前回気になると書いた貸借倍率は49倍台から4倍台へ下がり、買残に大きく偏った形が解消されました。
買残は出来高25日平均の1.3日分です。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+6%台の切り上がりと、前回の+3%台から速度を上げました。±1σ幅の広がりは落ち着き、終値は+1σの810円付近と+2σの880円付近のあいだにあります。RSI14は70前後、25日線乖離率は+18%台と、前回より過熱の数字は下がりました。移動平均線のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転も続いています。注意したいのは平均値幅率が5%台へ上がったことで、本日も安値から高値まで48円動いています。上昇が続くとみられるのは、安値の切り上がりが保たれ、終値で旧上場来高値の809円を上回り続ける場合です。+1σと809円、21日の安値799円が集まる800〜810円のゾーンを終値で割り込めば、本日の更新はいったん仕切り直しです。15日の安値780円まで下げる場合は、10月に入ってからの急伸の流れそのものを見直す水準になります。
グローバルセキュリティエキスパート(4417)
前日終値を750円上回る8,380円で寄り付き、最初の30分のうちに8,630円まで上値を伸ばして、19日につけた8,200円を上回る上場来高値を更新しました。直近10営業日で4度目の更新です。PHPの重大な脆弱性が伝わったことでセキュリティ関連株に朝から買いが集まり、同社もその流れに乗りました。ただし高値のあとは売りに押され、11時台に7,760円まで下げています。後場は14時台に8,620円まで戻す場面がありましたが、同じ時間帯のうちに押し返され、終値は330円高の7,960円、+4.33%です。前日比では上げたものの、始値を420円下回る陰線で引けました。出来高は25日平均の2.4倍と、商いは大きく膨らんでいます。
ここに注目!:10月5日に取り上げた際は、帯の中心線の切り上がりが続くこと、そして当時つけた6,000円を終値で上抜けることを、上昇が続く条件に挙げていました。直近10営業日で確認できる8日以降、終値はすべて6,000円を上回り、ボリンジャーバンドの中心線の切り上がりも5日前比で+4%台から+11%台へと速度を増しています。前回の2つの条件はどちらも保たれ、勢いはそこからさらに強まりました。ストップ高で引けた16日に開けた窓もまだ埋まっていません。安値は15日の6,200円から本日の7,760円まで、20日に7,130円へ下げた以外は切り上がりが続いています。本日は高値から670円押し戻されましたが、終値は+2σの7,910円付近をわずかに上回っており、ザラ場で売られながらも高値圏で持ちこたえた形です。25日線乖離率は+28%台、RSI14は78前後と前回より過熱の数字は上がっていますが、帯の切り上がりと安値の水準の切り上げが続くあいだは、崩れの兆しとは言えません。移動平均線のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転も保たれています。
信用買残は出来高25日平均の0.9日分と軽い一方、本日は大株主の保有割合の低下を示す変更報告書も提出されています。最も注意が要るのは値幅の荒さで、平均値幅率は9%台、1日に720円前後動くのが普段の姿です。本日も安値から高値まで870円動きました。上昇が続くとみられるのは、終値で+2σと5日線の上を保ち、安値の水準の切り上げが続く場合です。5日線の7,590円付近を終値で割り込めば勢いはいったん鈍り、一目均衡表の転換線と21日の安値が重なる7,300円付近まで下げると、19日からの上昇は小休止です。16日に開けた窓の下限は6,550円で、ここまで下げる場合は16日のストップ高から始まった上昇そのものを見直す水準になります。
東京海上ホールディングス(8766)
日経平均が1,713円下げた日に、7月29日につけた564.5円を上回り、およそ3か月ぶりに上場来高値を更新しました。高値は577.8円で、つけたのは後場が始まった直後の時間帯です。終値は12.5円高の571.1円、+2.24%で、始値から10円近く上げた陽線になりました。業種別では保険業が上昇した13業種の一角に入り、MS&ADインシュアランスグループホールディングスも買われています。半導体・AI関連を中心とした売りが広がるなかで、資金が向かった先の1つでした。ただ出来高は25日平均の0.8倍と、更新に商いは伴っていません。直近1年の上場来高値の更新は本日で10回目で、更新を重ねてきた常連が、7月末から3か月近い足踏みを経て再び更新した形です。株価は8月に発表した1株を15株とする株式分割を経た水準です。
ここに注目!:本日の更新で目を引くのは、ボリンジャーバンドの広がり方です。±1σ幅は5日前の1.4倍に拡張した一方、中心線の切り上がりは5日前比で+1%台と緩やかで、15日以降の上げに25日線がまだ追いついていません。終値は+2σの568円付近を上回り、+3σの585円付近とのあいだにあります。安値は15日の523.5円から本日の559.2円まで、20日に543.2円へ下げた以外は切り上がりが続き、15日からの5営業日で株価の水準はひと回り上がりました。その15日は日経平均が大きく下げた日でしたが、同社は+2%台と上げており、本日と同じく地合いに逆らう動きを見せていました。それでも25日線乖離率は+6%台、RSI14は64前後と、過熱と呼ぶ水準には届いていません。平均値幅率も2%台で、値動きは落ち着いています。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も三役好転と、上昇の土台は整っています。
需給面では貸借倍率が14倍台と買残に偏って見えますが、買残は出来高25日平均の0.4日分にとどまり、重さを示す水準ではありません。気になるのは商いのほうで、7月29日以来の更新にもかかわらず出来高が25日平均を下回りました。上昇が続くとみられるのは、終値で7月29日の564.5円を保ち、帯の中心線の切り上がりが続く場合で、商いが25日平均を上回ってくるかも見どころです。5日線と+1σ、21日の安値が並ぶ550〜557円のゾーンを終値で割り込めば、本日の更新はいったん仕切り直しです。一目均衡表の基準線と25日線が並ぶ536〜540円のゾーンまで下げる場合は、15日からの上げそのものを見直す水準になります。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
野村総合研究所(4307)
米IBMの7〜9月期決算が市場予想を上回り、年間のソフトウエア売上高の見通しも引き上げられたことを受け、情報サービス株に買いが集まりました。同社は前日の高値を上回る6,091円で寄り付き、6,310円まで上値を伸ばしています。高値をつけたのは寄り付き直後の時間帯で、そのあとは伸び悩み、終値は204円高の6,195円、+3.41%です。高値から115円押し戻された、長い上ヒゲの陽線でした。出来高は25日平均の1.2倍です。日経平均が大幅に下げるなかでの続伸で、指数を押し下げた半導体株とは対照的な動きになりました。2025年11月25日に記録した上場来高値6,476円まで、終値であと4%あまりです。
ここに注目!:直近1年で上場来高値を更新したのは2回で、最後の更新は2025年11月25日です。11か月の空白を経て、株価はその水準を再び視野に入れてきました。勢いはボリンジャーバンドにはっきり出ています。±1σ幅は5日前の1.6倍に広がり、中心線も5日前比で+4%台の切り上がりと、帯ごと価格帯を持ち上げながら上げています。終値は+2σの6,150円付近を上回りました。安値は15日の5,531円から本日の6,091円まで、19日に5,817円へ下げた以外は切り上がりが続き、16日に開けた窓もまだ埋まっていません。RSI14は79前後、25日線乖離率は+15%台と過熱の数字は高めですが、帯の切り上がりと安値の水準の切り上げが続くあいだは、数字だけで崩れとは言えません。移動平均線のパーフェクトオーダーと一目均衡表の三役好転も成立しています。
需給面では、貸借倍率が2倍台、信用買残は出来高25日平均の0.1日分とごくわずかで、上値で買残の重さを気にする状態にはありません。気になるのは本日の上ヒゲです。上場来高値を手前にした6,300円台で売りが出たことは事実で、上場来高値に近づくほど戻り売りとの攻防になりやすいことを示しています。上昇が続くとみられるのは、終値で+2σを保ち、安値の水準の切り上げが続く場合です。そのうえで終値で本日の高値6,310円を上回れば、上ヒゲを残した売りをこなしたことになります。5日線と21日の安値が並ぶ5,910〜6,000円のゾーンを終値で割り込めば、上昇はいったん小休止です。16日に開けた窓の下限は5,754円で、+1σともほぼ同じ水準です。ここまで下げる場合は、16日からの急伸の流れそのものを見直す水準になります。
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