当ブログの上場来高値観測データベース(上場来高値DB)をもとに、2026年8月に上場来高値(ATH)を更新した銘柄を月次で振り返る定点観測シリーズです。観測期間・集計日は各号に明記します。数値は観測時点のものであり、更新後の値動きはその月の最終営業日の終値で締めています(実現リターンではない)点にご注意ください。
この記事は月次シリーズの第3号です。この号で振り返るのは2026年8月の上場来高値の更新で、更新件数・セクター・昇格銘柄・観測記録はすべて8月単月の集計です。ただし「間近リストからの昇格率」など一部の恒常指標だけは、8月単月ではなく観測開始(2026年1月30日)からの通期の数値である点を、その都度明記します。また、更新後の値動きはすべて「その月の最終営業日(2026年8月31日)の終値」で締めています。記事を書いた日の株価で締めると号ごとに基準がずれて比較できなくなるため、各号は対象月の中で完結させる方針です。
前月分は 【2026年7月号】上場来高値レビュー にまとめています。
2026年8月のサマリー(数字で振り返る)
- 上場来高値の更新(延べ):954件(前月926件)
- 上場来高値を更新したユニーク銘柄数:268銘柄(前月242銘柄)
- 観測営業日数:20日/1営業日あたり平均:47.7件(前月42.1件)
8月は、日経平均も上場来高値の更新もそろって増えた月でした。日経平均は7月末の64,362円から8月末は66,312円で、月間 +3.0%。前月の7月が「日経 −8.1% なのに高値更新は増える」というねじれた月だったので、8月は指数と高値更新の向きが素直にそろったことになります。ユニーク銘柄数も242→268銘柄と、2ヶ月続けて増えました(6月229銘柄→7月242銘柄→8月268銘柄)。
ただし、月の中身は前半と後半で別物です。日経平均は8月17日に終値69,220円(7月末比 +7.5%)まで駆け上がったあと、8月18日 −2.54%、19日 −3.16% と2日続けて崩れ、月内高値から月末までは −4.2% 下げました。月間 +3.0% という数字は、前半の上げが後半の下げを吸収しきった結果です。
日ごとの更新件数は、この山と谷をそのまま映しています。最多は8月14日の104件(日経68,714円)で、月内でただ1日だけ100件を超えました。逆に最少は8月20日の21件、前日の8月19日も22件で、最多だった8月14日(104件)の5分の1まで細りました。
ここで目を引くのが8月20日です。この日の日経平均は前日比 +1.36% と反発しているのに、上場来高値の更新は月内最少の21件でした。指数が戻っても、高値を更新できるところまで戻った銘柄はほとんど無かったということで、指数の反発と物色の広がりは別物だと分かる一例です。なお月末の8月31日には71件まで戻っており、崩れた地合いは月内におおむね回復しています。
上場来高値を「毎日の相場の体温計」として読む意味は 上場来高値を毎日チェックする意味 に、地合いの強弱の判断は 相場の強弱を判断する方法 にまとめています。

2026年8月に上場来高値の更新が多かったセクター TOP10
| 順位 | セクター | 上場来高値の更新件数(延べ) | 更新した銘柄数 |
|---|---|---|---|
| 1 | 銀行業 | 184 | 45社 |
| 2 | 卸売業 | 183 | 46社 |
| 3 | 情報・通信業 | 71 | 22社 |
| 4 | 小売業 | 68 | 18社 |
| 5 | サービス業 | 63 | 14社 |
| 6 | 機械 | 58 | 18社 |
| 7 | 食料品 | 47 | 10社 |
| 8 | 電気機器 | 45 | 15社 |
| 9 | 化学 | 44 | 14社 |
| 10 | 建設業 | 31 | 8社 |
首位は銀行業(184件)ですが、7月の308件からは124件も減っています。代わりに卸売業が89件→183件へ急増し、1件差で並びました。7月は銀行業1セクターで月間の更新の33.3%を占める一極集中でしたが、8月は首位のシェアが19.3%まで下がっています。「銀行だけが高値を更新する相場」から「銀行と卸売、そこに景気敏感が戻ってくる相場」へ変わったのが8月の姿です。

前月からの入れ替わり:銀行一極がほどけ、7月に消えた景気敏感が戻った
7月号では「電気機器(166→24件)から銀行業(90→308件)へ主役が交代した」と書きました。8月はその揺り戻しです。
| セクター | 7月(延べ) | 8月(延べ) | 増減 |
|---|---|---|---|
| 卸売業 | 89 | 183 | +94 |
| 化学 | 16 | 44 | +28 |
| 電気機器 | 24 | 45 | +21 |
| 機械 | 38 | 58 | +20 |
| 精密機器 | 4 | 21 | +17 |
| 海運業 | 0 | 16 | +16 |
| パルプ・紙 | 29 | 14 | −15 |
| 倉庫・運輸関連業 | 25 | 3 | −22 |
| その他金融業 | 34 | 8 | −26 |
| 保険業 | 29 | 1 | −28 |
| 銀行業 | 308 | 184 | −124 |

減ったのは銀行業・保険業・その他金融業で、7月に一斉に高値を更新した金融が揃って引いています。増えたのは卸売業・化学・電気機器・機械・精密機器・海運業で、7月に消えていた景気敏感セクターがまとめて戻ってきました。海運業にいたっては7月は0件、8月は16件です。
つまり8月は、7月に起きた「金融へのシフト」が部分的に巻き戻された月でした。2ヶ月続けて観測してみると、高値を更新している場所は1ヶ月単位で大きく動き、しかもその動きは必ずしも一方向に進まないことが分かります。
銀行業の中身:メガバンクが抜け、地銀だけが残った
銀行業は件数が半減したとはいえ、それでも8月の首位です。ただし顔ぶれが変わりました。7月に上場来高値を更新していた三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)・三井住友フィナンシャルグループ(8316)・ゆうちょ銀行(7182)は、8月は1日も上場来高値を更新していません。
8月に銀行業で更新した45社の更新回数の上位は、百五銀行(8回)、めぶきフィナンシャルグループ・群馬銀行(各7回)、おきなわフィナンシャルグループ・CCIグループ・七十七銀行・第四北越フィナンシャルグループ・しずおかフィナンシャルグループ・阿波銀行(各6回)と、すべて地方銀行です。「銀行業が首位」の中身は、8月には地銀だけになっていたことになります。
セクターの偏りは 上場来高値DB の「分析タブ>セクター分析」でいつでも確認できます。
「間近リスト」から上場来高値へ昇格した銘柄
当ブログは上場来高値の手前で張り付いた「間近」銘柄も観測しています。2026年8月に間近リストから上場来高値へ「昇格」したのは 75件、間近入りから上場来高値到達までの暦日は中央値10日でした。
ここも7月との差がはっきり出ています。7月に昇格した分は中央値22日で、観測開始からの通期(中央値8日)の3倍近く足踏みしていました。8月はそれが10日まで縮んでおり、高値の一歩手前で待たされる時間が半分以下になった計算です。指数が上向いた月は、間近リストから上場来高値への距離も詰まりやすい——という当たり前のことが、数字でも確認できます。
間近入りからわずか1日で上場来高値へ到達したのは8月で7件。時価総額の大きい銘柄も並びました(下表は時価総額の大きい順に5件)。
| 銘柄 | コード | 間近入り→上場来高値(暦日) |
|---|---|---|
| ヤマハ発動機 | 7272 | 1日 |
| アルコニックス | 3036 | 1日 |
| 福田組 | 1899 | 1日 |
| 東レ | 3402 | 1日 |
| DIC | 4631 | 1日 |
「間近リストは本当に上場来高値を更新するのか?」——観測開始からの通期の昇格率(71%台・2026年9月18日時点)と昇格日数の分布は、フラッグシップの検証記事 上場来高値”間近”リストは本当に更新するのか にまとめています(数値は観測期間で変動します)。
2026年8月の観測記録:出来高・規模で目立った上場来高値の更新
⚠ 以下は観測記録であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。あくまで「8月にどんな上場来高値更新があったか」の事実の記録です。投資判断はご自身の責任で行ってください。
📅 数値の時点について:下表の「出来高25日平均比」「25日線乖離」(=更新日の終値が25日移動平均線からどれだけ上に離れているか)「時価総額」は、いずれもその銘柄が2026年8月に上場来高値を更新した日時点の値です。いっぽう後半の「更新後の値動き」は、更新日の終値と2026年8月31日(8月の最終営業日)の終値を比べたものです。
出来高が急増していた更新 TOP5(特殊要因〔TOB・株式分割等〕を除く/出来高25日平均比・25日線乖離はいずれも更新日時点。同じ銘柄を何度も載せないため、順位は各銘柄が「8月に初めて上場来高値を更新した日」の値で付けています)
| 銘柄 | コード | セクター | 出来高25日比 | 25日線乖離 | 更新日 |
|---|---|---|---|---|---|
| コンバム | 6265 | 機械 | 16.92倍 | 6.4% | 8/13 |
| 日宣 | 6543 | サービス業 | 16.15倍 | 8.8% | 8/21 |
| サンテック | 1960 | 建設業 | 13.35倍 | 10.2% | 8/12 |
| 共和コーポレーション | 6570 | サービス業 | 11.31倍 | 27.4% | 8/10 |
| 東京インキ | 4635 | 化学 | 10.72倍 | 39.9% | 8/6 |
※ 8月は、TOB・MBOによる見かけの出来高急増で上表から除外した銘柄はありませんでした。いっぽう後半の「更新後の値動き」の集計からは、8月下旬に1株→2株の株式分割を行った2社(サガミホールディングス〔9900〕・ギフトホールディングス〔9279〕)を除いています。分割の調整で騰落率が実態とずれるためで、更新そのものは有効な記録として件数には含めています。
5社とも、出来高が跳ねた日の材料がはっきりしています。コンバムは8月12日に中間決算(AI・半導体関連投資を背景に営業利益67.0%増)、東京インキは8月5日に第1四半期決算(営業利益36.2%増/純利益は退職給付制度改定益を含み127.1%増・増配予定)、サンテックは8月10日に第1四半期決算を発表し(8月11日が休場のため、株価の反応は翌12日)、日宣は8月21日に上期の利益予想の上方修正を発表しています。共和コーポレーションは8月10日に第1四半期の大幅増益(営業利益216.9%増)と記念株主優待を同時に発表し、株価が2割超上昇しました。「上場来高値の更新+出来高10倍超」の正体は、ほぼ例外なく開示です。
注目したいのは25日線乖離の差です。コンバム(6.4%)や日宣(8.8%)は出来高が16倍に膨らみながら、株価は25日移動平均線からそれほど離れていません。ベースから素直に抜けた形です。いっぽう東京インキ(39.9%)は、当DBの通期観測で上位10%にあたる27.7%を大きく上回り、共和コーポレーション(27.4%)もほぼその水準でした。更新した時点ですでに短期の過熱ゾーンに入っていたことになります。同じ「出来高10倍超の上場来高値更新」でも、飛びついたときのリスクはまるで違うということです。
出来高を伴うかどうかの読み方は 株の出来高の読み方 と 株のベース・保ち合いからのブレイク を参照してください。25日線乖離が大きい銘柄(当DBの観測では20%超が全体の約19%、上位10%は27.7%)は短期的な過熱の可能性があり、利確タイミングの考え方 が判断材料になります。
時価総額が大きかった上場来高値の更新 TOP5(大型株の高値更新は地合いの強さの目安・時価総額は8月の更新日時点/「更新日」はその銘柄が8月に最初に上場来高値を更新した日)
| 銘柄 | コード | セクター | 時価総額 | 更新日 | 8月中に更新した日数 |
|---|---|---|---|---|---|
| アドバンテスト | 6857 | 電気機器 | 26兆200億円 | 8/13 | 2日 |
| リクルートホールディングス | 6098 | サービス業 | 22兆5,000億円 | 8/10 | 7日 |
| キーエンス | 6861 | 電気機器 | 21兆1,900億円 | 8/5 | 2日 |
| パナソニック ホールディングス | 6752 | 電気機器 | 11兆200億円 | 8/14 | 1日 |
| 豊田通商 | 8015 | 卸売業 | 7兆8,400億円 | 8/7 | 2日 |
7月の時価総額TOP5(三菱UFJフィナンシャル・グループ、東京エレクトロン、ファーストリテイリング、三井住友フィナンシャルグループ、リクルートホールディングス)のうち、8月も上場来高値を更新したのはリクルートホールディングスだけでした。しかもリクルートは8月中に7日も更新しており、2ヶ月続けて大型株のなかでは突出しています。
代わって上位に入ったのが、電気機器のアドバンテスト・キーエンス・パナソニック ホールディングスです。7月に更新件数が24件まで細っていた電気機器から、大型株がまとめて高値を更新し直したことになります。ただし後述するとおり、この3社は更新後の値動きでは揃ってマイナスで8月を終えています。
上場来高値を更新しても、その後は上がるとは限らない
上場来高値の更新は「強さ」のサインですが、更新したからといって、その後も上がり続けるとは限りません。8月に上場来高値を更新した銘柄について、更新した日の終値と8月31日(8月の最終営業日)の終値を比べると、266銘柄のうち91銘柄(34.2%)が更新日の終値を下回って8月を終えました(騰落の中央値 +1.6%)。同じ基準で7月分を測ると53.7%(中央値 −0.4%)、6月分は44.5%(中央値 +0.3%)なので、この3ヶ月では8月がいちばん「更新した後も持ちこたえた月」でした。

もっとも、これは8月が地合いに恵まれた月だったという以上のことは意味しません。同じ月に更新していても、セクターで結末は大きく分かれています。
| セクター | 更新した銘柄数 | 更新日→8/31の騰落(中央値) | プラスで終えた割合 |
|---|---|---|---|
| サービス業 | 14 | +7.3% | 79% |
| 銀行業 | 45 | +4.3% | 91% |
| 食料品 | 10 | +2.6% | 80% |
| 情報・通信業 | 22 | +2.0% | 68% |
| 卸売業 | 46 | +1.9% | 67% |
| 小売業 | 16 | −0.1% | 50% |
| 電気機器 | 15 | −1.5% | 40% |
| 機械 | 18 | −2.5% | 44% |
| 精密機器 | 7 | −3.1% | 43% |
※ 小売業は前掲のTOP10表では18社ですが、ここでは株式分割の2社(サガミホールディングス・ギフトホールディングスはいずれも小売業)を除いた16社で集計しています。※ 精密機器は7銘柄と母数が小さく、中央値は参考値です。
ここが8月のいちばんの読みどころです。件数の上では「7月に消えた電気機器・機械・精密機器が戻ってきた」月でしたが、戻ってきたこれらのセクターは、更新後の成績では最下位グループのままでした。電気機器で上場来高値を更新した15銘柄のうち、月末にプラスで終えたのは6銘柄(40%)だけです。いっぽう件数が半減した銀行業は、更新した45銘柄の91%がプラスで8月を終えています(中央値 +4.3%)。
これが「更新したタイミングがたまたま良かった/悪かった」だけの話ではないことも確かめました。各セクターが8月に初めて上場来高値を更新した日の中央値を取ると、電気機器は8月6日(そこから月末まで日経は +1.0%)、銀行業は8月13日(同 −2.9%)で、指数の動きが不利だったのはむしろ銀行のほうです。中央値 +7.3% で最上位だったサービス業にいたっては、中央値の更新日が8月17日=月内の天井の日(そこから月末まで −4.2%)でした。地合いの差を補正すると、この順位関係はむしろ広がります。
7月号では「電気機器16銘柄の中央値 −17.8% に対し、銀行業50銘柄は ±0.0%」という差を記録しました。マイナスの幅こそ縮んだものの、順位関係は8月も変わっていません。2ヶ月続けて、高値更新の件数が増えたセクターと、更新後に報われたセクターは一致していないという向きが出たことになります。
大型株でも明暗は分かれました。下表は、8月に上場来高値を更新した時価総額上位10社のうち、更新日の終値からの騰落が±1.5%以上だったものです(残る3社は豊田通商 +0.7%、バンダイナムコホールディングス +1.1%、ブリヂストン −1.3% と、ほぼ横ばいで8月を終えました)。
| 銘柄 | コード | セクター | 更新日終値→8/31 |
|---|---|---|---|
| リクルートホールディングス | 6098 | サービス業 | +12.7% |
| MS&ADインシュアランスグループホールディングス | 8725 | 保険業 | +3.7% |
| 大塚ホールディングス | 4578 | 医薬品 | +2.0% |
| キーエンス | 6861 | 電気機器 | −4.3% |
| パナソニック ホールディングス | 6752 | 電気機器 | −4.7% |
| アドバンテスト | 6857 | 電気機器 | −6.3% |
| アシックス | 7936 | その他製品 | −14.8% |
時価総額で8月の上位3社に入ったアドバンテスト・キーエンス・パナソニック ホールディングスは、いずれも更新日の終値を下回って月を終えています。「大型株が上場来高値を更新した=その後も安心」ではないことは、7月の東京エレクトロン(更新日から −29.6%)ほど極端でなくても、8月にも繰り返されました。
だからこそ、上場来高値を更新した銘柄をそのまま持ち続けるのではなく、利確タイミングの考え方 や損切りルールをあらかじめ決めておくことが重要になります。当ブログの通期観測(2026年1月30日〜9月18日)でも、初回の上場来高値更新時の終値から見た現在値は中央値 +0.4%/マイナス率 48.5%で、更新した銘柄のほぼ半数は、その後の株価が更新日の終値を下回ったままです。高値を更新した銘柄がその後どうなったかを長期で追った実例は、大化け株カルテ:SUBARU(7270) のような個別の検証記事にまとめています。
この観測記録の読み方(毎月共通)
- 上場来高値の更新件数は「相場の体温計」。件数が膨らむ日は地合いが強く、しぼむ日は物色が細っています(8月は8/14=104件、8/19〜20=22件・21件がその好例)。
- ただし指数の反発と更新件数の回復はズレる。8月20日は日経平均が前日比 +1.36% と戻したのに、上場来高値の更新は月内最少の21件でした。指数が戻る=物色が戻る、ではありません。
- 「間近→上場来高値」の昇格率は通期で71%台(2026年9月18日時点・観測期間で変動)。昇格までの日数は地合いで伸び縮みします(通期の中央値8日に対し、7月に昇格した分は中央値22日、8月は中央値10日)。
- 上場来高値の更新時の25日線乖離は中央値10.7%(2026年9月18日時点・観測期間で変動)。上位10%は27.7%で、この水準は短期の過熱ゾーンの目安です。
- 件数が増えたセクター=報われたセクター、ではない。8月は電気機器・機械(+母数の小さい精密機器)の更新件数が戻った一方、更新後の騰落は中央値でマイナス(−1.5%/−2.5%/−3.1%)。件数が半減した銀行業が +4.3% で最上位グループでした。どこが更新しているかと、そこで買ったらどうだったかは、分けて見る必要があります。
- 更新=天井づかみを避ける仕組みが要る。8月の更新266銘柄のうち34.2%が、その月の最終営業日には更新日の終値を下回っていました(7月分は53.7%、6月分は44.5%)。地合いの良い月でも3分の1は押し戻されます。
- 更新後の値動きは「その月の最終営業日の終値」で締めます。記事を書いた日の株価で締めると号ごとに基準がずれるためで、各号は対象月の中で完結させています。したがって数字はその銘柄を月末まで持っていた場合の値動きであり、実現リターンでも、月末以降の値動きを示すものでもありません。
上場来高値を自分で追うには
8月の更新銘柄は 上場来高値DB の「一覧タブ」で、出来高比・ベース乖離・PER/PBRなど多軸で絞り込めます。スクリーニングの手順は 上場来高値スクリーニング方法 に、証券会社ごとの操作は SBI証券で新高値をスクリーニングする方法 と 松井証券のスクリーニング機能 の解説にまとめました。
新高値投資をこれから始める方は、まず全体像を 新高値投資とは?初心者向け入門 と 新高値投資の5ステップロードマップ で押さえてください。証券会社・ツール選びは 新高値投資におすすめの証券会社 が参考になります。
まとめ
2026年8月は上場来高値の更新が延べ954件(ユニーク268銘柄)で、日経平均も月間 +3.0% と、指数と高値更新の向きがそろった月でした。ただし月内では8月17日の高値から月末まで −4.2% 下げており、急落した8月19〜20日には更新件数が22件・21件まで細っています。8月20日は指数が +1.36% 戻したのに更新は月内最少で、指数の反発と物色の回復はズレることが分かりました。
セクターでは、7月に33.3%を占めた銀行業の一極集中がほどけ(308→184件)、卸売業が89→183件でほぼ並びました。銀行業の中身もメガバンクが抜けて地銀だけになっています。7月に消えた電気機器(24→45件)・機械・精密機器・海運業も戻りましたが、戻ったこれらのセクターは更新後の騰落では中央値マイナスのままで、件数が半減した銀行業(更新45銘柄の91%がプラス・中央値 +4.3%)と対照的でした。上場来高値の更新が増えた場所と、そこで買って報われた場所は別——2ヶ月続けて同じ向きが出ました。まだ2ヶ月分にすぎませんが、来月以降も同じ形が出るかは追う価値があります。来月号も同じ視点で振り返ります。
過去の月次レビューと検証記事もあわせてどうぞ:
- 上場来高値レビュー バックナンバー一覧(最新号+過去の号)
- 【2026年7月号】上場来高値レビュー(前月分)
- 上場来高値”間近”リストは本当に更新するのか(昇格率の検証)
- 年間上場来高値ベストパフォーマンス銘柄分析(年間の大化け)
- 利確タイミングはいつ?(過熱ラインの目安)
本記事は当ブログの観測データにもとづく情報提供であり、特定銘柄の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願いします。株価データは外部サービスから取得した公開データを用いています。


