当ブログの独自検証記事です。本記事の数値は、外部サービスから取得した株価データ(分割調整後)をもとに、2000年以降に開いた窓を機械的に集計したものです(集計日 2026年10月22日・上場廃止銘柄を含む5,456銘柄)。特定銘柄の売買を推奨するものではありません。
「埋めない窓はない」。株やFXのチャートを見ていると、一度は耳にする相場格言です。株価が飛んで空いた価格帯(窓)は、いずれ必ず値が戻って埋まる、という意味で使われます。
窓を開けて上がった銘柄を見て「窓埋めまで待ってから買おう」と考えたり、保有株が窓を埋めにいく動きを見て「これは弱いサインだ」と身構えたりした経験がある方も多いでしょう。
では、この格言は本当なのでしょうか。そして、売買の判断に使えるのでしょうか。当ブログでは、2000年以降に日本株で開いた窓271万個を調べ、どれくらいの日数で埋まるのか、最後まで埋まらない窓はどれくらいあるのかを数えました。さらに、当ブログのテーマである上場来高値を更新した日の窓に絞って、「窓埋めを待って買う」「窓が埋まったら売る」が有利になるのかも確かめています。
結論を先に書くと、格言はほぼ本当です。ただし、売買の判断にはほとんど使えません。以下、順に見ていきます。
1. 結論:窓はほぼ埋まる。でも窓埋めで売買しても有利にはならない
最初に、検証結果をまとめておきます。
| 問い | 答え | 根拠 |
|---|---|---|
| 窓は埋まるのか | ほぼ埋まる | 上窓の約97%が5年以内に埋まった。半数は3営業日以内 |
| 埋まらない窓はあるか | 数%〜1割強ある | 10年たっても埋まらなかった上窓は3〜13%(窓が大きいほど多い) |
| 上場来高値の窓は埋まりにくいか | 埋まるのが遅いだけ | 20営業日以内に埋まった割合は68%(ほかの上窓は78%)。5年以内ではどちらも96%台 |
| 窓埋めを待って買うと得か | 得にならない | 1年後の中央値は、すぐ買うと−1.9%、待つと−1.7%でほぼ同じ |
| 窓が埋まったら売るべきか | 窓埋め自体は売りの合図にならない | 埋まった後の1年は、ほかの押し戻しとほぼ同じ成績 |
格言そのものは、データで見てもかなり正確でした。一方で、「埋まるか、埋まらないか」は後になってみないと分かりません。窓埋めを先回りして待っても、埋まったのを見て逃げても、成績はほとんど変わらないという結果です。
2. 窓・窓埋めとは:この記事ではヒゲも含めて判定する
窓(まど)とは、前日の値動きの範囲と当日の値動きの範囲が重ならず、その間に一度も値が付かなかった価格帯のことです。英語では「ギャップ(gap)」と呼ばれ、上に空けば「窓を開けて上昇(ギャップアップ)」、下に空けば「窓を開けて下落(ギャップダウン)」といいます。好決算や悪材料など、取引時間外に出たニュースで翌朝の気配が大きく動いたときによく現れます。
窓埋めは、その後の値動きで株価が窓の価格帯まで戻り、空白が埋まることです。
窓の定義には、ローソク足の実体(始値と終値)で判定する方法と、ヒゲ(高値と安値)まで含めて判定する方法があります。この記事ではヒゲまで含めて判定しました。ヒゲが届いている価格帯では実際に売買が成立しており、本当の意味での「空白」ではないからです。
| 窓が開いた条件 | 窓が埋まった条件 | |
|---|---|---|
| 上窓 | 当日の安値 > 前日の高値 | その後の安値が、前日の高値以下まで下がった |
| 下窓 | 当日の高値 < 前日の安値 | その後の高値が、前日の安値以上まで上がった |

埋まったかどうかも、ヒゲで判定しています。終値で窓の下端を割り込まなくても、取引時間中に一度でも届けば「埋まった」と数えます。実体で判定する定義に比べると、窓の数は少なく、埋まるのは早めに出ます。ほかのサイトで紹介されている数字と異なる場合は、この定義の違いが一因です。
3. どう調べたか:上場廃止した銘柄も含めて271万個
使ったのは、上場廃止した1,752銘柄を含む5,456銘柄の日々の株価です。ETFと指数は除きました。
- 対象:2000年1月以降に開いた窓。上窓1,371,583個・下窓1,343,338個、合計2,714,921個
- 除外:前の取引日から14日を超えてあいている窓(売買停止やデータの欠けで生じた見かけの窓)、幅50%以上の窓(データ不良の疑い。479個)
- 「◯日以内に埋まった割合」の数え方:最近開いた窓は、まだ埋まる時間が経っていません。そこで、埋まらないまま観測期間がその日数に届いていない窓は、分母から外して計算しています
- 上場廃止した銘柄の窓:廃止によって結果は確定しています。廃止までに埋まらなかった窓は、何日以内の集計でも「埋まらなかった」として数えています
上場廃止した銘柄を含めたのは、「埋まる前に消えた窓」を数えるためです。現在上場している銘柄だけで調べると、途中で上場廃止になった銘柄の窓が抜け落ち、格言が実際より正しく見えてしまいます。廃止銘柄の窓を「観測が途切れた」として分母から外す数え方でも、5年以内に埋まった割合は上窓で97.2%と、0.6ポイント高く出るだけでした。ただし、後で見るように大きな窓ではこの差が大きくなります。
4. 窓は何日で埋まるか:半数は3営業日、9割は1年以内
窓が開いてから何営業日以内に埋まったかを、上窓と下窓に分けて示したのが次の図です。

| 期間 | 上窓 | 下窓 |
|---|---|---|
| 翌営業日 | 28.5% | 29.1% |
| 5営業日以内 | 58.5% | 58.8% |
| 20営業日以内(約1か月) | 77.2% | 77.9% |
| 60営業日以内(約3か月) | 86.3% | 87.0% |
| 250営業日以内(約1年) | 92.7% | 93.8% |
| 1,250営業日以内(約5年) | 96.6% | 97.5% |
埋まるまでの日数の中央値は、上窓も下窓も3営業日でした。窓の3割近くは翌日のうちに埋まり、半数は1週間もたたずに埋まっています。上窓と下窓で、埋まり方にほとんど差はありません。
ただし、窓の大きさによって埋まり方は大きく変わります。
| 窓の幅 | 件数(上窓) | 20営業日以内 | 1年以内 | 埋まるまでの日数(中央値) |
|---|---|---|---|---|
| 1%未満 | 825,535 | 80.9% | 94.1% | 3日 |
| 1〜3% | 382,493 | 75.5% | 92.3% | 4日 |
| 3〜10% | 136,908 | 65.5% | 88.3% | 7日 |
| 10%以上 | 26,647 | 47.7% | 77.0% | 15日 |
窓の6割は幅1%未満の小さなものです。幅10%以上の大きな窓になると、1か月以内に埋まるのは半分を切り、4個に1個近くは1年たっても埋まりません。「埋めない窓はない」がよく当てはまるのは、主に小さな窓のほうです。
5. 埋まらない窓はどれくらいあるか:10年待っても数%は残る
では、最後まで埋まらない窓はどれくらいあるのでしょうか。ここでは、開いてから10年以上(2,500営業日以上)の値動きを確認できる窓だけに絞って数えました。最近開いた窓を含めると、まだ時間が足りずに「埋まっていない」窓が混ざり、割合が大きく出てしまうためです。上場廃止した銘柄の窓は、廃止で結果が確定しているので、開いた時期にかかわらず含めています。

| 窓の幅 | 上窓 | 下窓 |
|---|---|---|
| 3%未満 | 2.9% | 1.0% |
| 3〜10% | 4.9% | 1.8% |
| 10%以上 | 13.0% | 7.4% |
幅10%未満の窓なら、10年のうちに95〜99%が埋まっていました。格言は、少なくとも「長い目で見れば」ほぼ正しいといえます。
例外は幅10%以上の大きな窓で、上窓の13%、下窓の7%は最後まで埋まりませんでした。大きな窓が開いた銘柄は、窓が埋まる前に上場廃止になる例も多く、それが割合を押し上げています。大きな窓ほど、格言は当てはまりにくくなります。
埋まらなかった窓が上窓に多いのは、株価が長い目で見れば上がってきたからだと考えられます。上窓を開けたあと上がり続けた銘柄は、窓の価格帯まで戻ってきません。反対に、下窓を開けた銘柄は、その後の上昇でいずれ窓の上まで戻りやすくなります。
ただし、「最後には埋まる」の「最後」は、長いときは何年も先です。1年以内に埋まらなかった上窓は全体の7%ありましたが、そのうち半分ほどは、その後の4年のあいだに埋まっています。窓埋めを待っている間、資金はずっと寝かせたままになります。
6. 上場来高値の窓は埋まりにくいのか:遅いだけで、最後には埋まる
「上場来高値を抜けるときに開いた窓は埋まらない」という見方もあります。上場来高値の上にはそれまでに買った人がいないため、戻り売りが出にくく、窓まで押し戻されにくいという理屈です(上場来高値とは)。
そこで、上窓を「その日に上場来高値を更新した窓」と「それ以外の窓」に分けました。上場直後は上場来高値を更新しやすいため、株価データの開始から250営業日以上たった窓だけを「上場来高値を更新した窓」として数えています。なお、ここでの上場来高値は、データでさかのぼれる範囲(概ね2000年以降)での最高値です。2000年より前のバブル期の高値は含みません。
| 件数 | 20営業日以内 | 60営業日以内 | 5年以内 | 日数(中央値) | |
|---|---|---|---|---|---|
| 上場来高値を更新した上窓 | 36,646 | 68.1% | 79.9% | 96.2% | 6日 |
| それ以外の上窓 | 1,334,937 | 77.5% | 86.5% | 96.6% | 3日 |
第4節の図のオレンジの破線が、上場来高値を更新した窓です。上場来高値の窓は、たしかに埋まるのが遅くなっています。窓の大きさをそろえても差は残り、幅3〜10%の窓では、20営業日以内に埋まった割合が50.4%(それ以外は66.0%)でした。
ところが、5年以内でみると、どちらも96%台で並びます。上場来高値の窓も、最後にはほとんど埋まるのです。「高値ブレイクの窓は埋まらない」は言い過ぎで、正しくは「埋まるまでに時間がかかる」でした。
7. 窓埋めを待って買うと得か:典型的な結果は、すぐ買っても同じ
ここからが投資への活かし方です。上場来高値を窓を開けて抜けた銘柄があったとき、すぐ買うのと、窓埋めを待って買うのとでは、どちらが有利なのでしょうか。
上場来高値を更新した幅1%以上の上窓14,214件について、次の2つの買い方を比べました。売るのはどちらも、窓が開いた日から250営業日(約1年)後の終値です。
- すぐ買う:窓が開いた日の終値で買う
- 窓埋めを待つ:60営業日以内に窓が埋まれば、窓の下端(前日の高値)で買う。埋まらなければ、あきらめて60営業日目の終値で買う

| 平均 | 中央値 | 勝率(1年後にプラス) | |
|---|---|---|---|
| すぐ買う | +20.8% | −1.9% | 47.8% |
| 窓埋めを待つ | +14.7% | −1.7% | 47.9% |
中央値と勝率は、ほぼ同じです。典型的な銘柄にとっては、すぐ買っても、待って買っても結果は変わりません。
差が出たのは平均だけで、すぐ買う方が6ポイント高くなっています。これは、一部の大きく上がった銘柄によるものです。60営業日以内に窓が埋まった銘柄は73.8%で、残りの26%は埋まりませんでした。この埋まらなかった銘柄を窓の日にすぐ買っていれば、1年後の平均は+52.6%(中央値+17.8%)です。窓埋めを待っていると、こうした銘柄を高い値段で買い直すことになります。
一方、窓が埋まった銘柄は、待って窓の下端で買えれば有利です。ただ、窓が埋まる銘柄はもともと勢いの弱い銘柄で、窓の日にすぐ買っていた場合の1年後は中央値−8.0%でした。待って安く買えても、銘柄自体の弱さは変わりません。
待つべきかは、相場の局面で入れ替わる
年ごとに比べると、もう一つの特徴が見えてきます。ここでは「すぐ買う」と「窓埋めを待ち、埋まらなければ見送る(0%として数える)」を、窓が開いた年ごとに比べました。すぐ買う方が上回ったのは、平均で26年中13年、中央値では26年中9年でした。
- すぐ買う方が勝った年:2004〜2005年、2012年、2016年、2023年、2025年など。窓が開いてからの1年に、相場が強く上がった年です
- 待つ方が損が小さかった年:2000〜2001年、2006〜2008年、2018年、2021年など。窓が開いてからの1年に、相場が崩れた年です
例外もあり、大相場の始まった2003年は、待つ方がわずかに上回りました。
上げ相場では窓が埋まらずに置いていかれ、下げ相場では窓を埋めたうえでさらに下がる、という形です。つまり、窓埋めを待つのは「買うタイミングの工夫」というより、「相場が下がる方に賭けること」に近いといえます。相場の先行きが読めないなら、窓埋めを待つ理由はあまりありません。高値更新の場面で飛びつくか待つかの判断基準は、高値更新で飛びつかないための判断基準でも整理しています。
8. 窓が埋まったら売るべきか:窓埋めそのものは売りの合図にならない
逆の使い方も考えられます。保有している銘柄が上場来高値で窓を開けたあと、その窓が埋まったら「ブレイク失敗」とみて売る、という考え方です。
窓が埋まった銘柄は、窓が開いた日から測ると、1年後のTOPIX比が平均−8.3%と冴えませんでした(埋まらなかった銘柄は+30.8%)。しかしこの数字には、窓が埋まるまでの下げが含まれています。窓が埋まったと分かるのは、埋まった日の引けです。そこで、窓が埋まった日の終値から先の成績を測り直しました。
比べる相手は、次の3つです。
- 窓を開けずに上場来高値を抜けた銘柄が、元の高値(ブレイクした水準)まで押し戻された日:窓の有無だけが違う、よく似た場面です
- 窓が60営業日たっても埋まらなかった銘柄の、60営業日目
- 無作為に選んだ銘柄・日

| 起点となる日 | 件数 | 60営業日後 | 1年後 | 1年後の勝率 |
|---|---|---|---|---|
| 上場来高値の窓が埋まった日 | 9,050 | −2.6% | −9.5% | 38.4% |
| 窓なしでブレイクし、元の高値まで押し戻された日 | 57,280 | −2.0% | −7.1% | 40.2% |
| 窓が60日埋まらなかった銘柄の60日目 | 3,133 | −2.9% | −10.2% | 38.2% |
| 無作為に選んだ銘柄・日 | 446,229 | −1.6% | −4.5% | 43.1% |
※数値はTOPIX比の超過リターンの中央値。TOPIXの日次データがそろう2004年以降の集計です。上場来高値の窓は、幅1%以上で終値でも上場来高値を更新し、60営業日以内に埋まったものに限っています。
窓が埋まった後の成績は、窓なしのブレイクが押し戻された場合とほぼ同じでした。窓が埋まったことに、特別に悪い意味はないということです。同じ銘柄の重複を除いて数え直しても(各銘柄・各年の最初の1件だけを使う)、1年後の順番は変わりませんでした。年ごとに見ても、窓が埋まった後が無作為の銘柄より悪かったのは22年中11年で、半々です。
意外なのは、窓が埋まらなかった銘柄も、60営業日目から先は伸びていないことです。前の節で見た「埋まらなかった銘柄は平均+52.6%」の上昇は、ほとんどが最初の60営業日のうちに出ていたと考えられます。埋まらなかったと分かった時点では、もう上昇の多くは終わっています。
なお、上場来高値に関わる場面はどれも、無作為の銘柄・日より1年後の成績が3〜6ポイント悪くなっています。新高値をつけたこと自体は、単独では将来の上昇を約束しないということです。新高値投資で銘柄の選び方や売り方のルールが重視されるのは、このためでもあります(新高値投資とは)。
ちなみに、無作為の銘柄・日でも中央値がマイナスになっているのは異常ではありません。個別株の値動きは「少数の大きな上昇」が平均を押し上げる形をしているため、真ん中の銘柄はTOPIXに少し負けるのがふつうです。
例外に見えた「大きな窓」の正体は、窓ではなく急騰だった
一つだけ、窓が埋まった後の成績がはっきり悪いグループがありました。幅10%以上の大きな窓が埋まった場合です。1年後のTOPIX比は中央値−20.9%、勝率は28%で、無作為の銘柄より悪かった年は16年中15年にのぼりました。
これだけを見ると「大きな窓が埋まったら逃げろ」と言えそうです。ところが、比べる相手を合わせると話が変わります。
| 起点となる日 | 件数 | 1年後(中央値) | 勝率 |
|---|---|---|---|
| 幅10%以上の窓が埋まった日 | 744 | −20.9% | 28.2% |
| 1日で+10%以上上がって上場来高値を抜け(窓なし)、元の高値まで押し戻された日 | 2,269 | −26.0% | 28.5% |
| 幅10%以上の窓が60日埋まらなかった銘柄の60日目 | 530 | −19.1% | 31.1% |
| 無作為に選んだ銘柄・日 | 408,431 | −4.5% | 43.1% |
窓を開けずに1日で+10%以上跳ねた銘柄も、窓が埋まらなかった銘柄も、同じように悪い成績でした。悪いのは「大きな窓が埋まったこと」ではなく、1日で大きく跳ねて上場来高値を抜けた銘柄そのものだったのです。材料で一気に買われた銘柄は、その後1年かけて値を戻しやすい傾向があると読めます。
9. 投資にどう活かすか
ここまでの結果を、新高値投資の目線で整理します。
窓埋めを買いの条件にしない
上場来高値を窓で抜けた銘柄を、窓埋めまで待ってから買っても、典型的な成績は変わりません。待っている間に大きく上がる銘柄を逃すぶん、平均ではむしろ不利でした。窓埋めを待つのは、相場が下がる方に賭けるのとほぼ同じです。
窓埋めを売りの条件にしない。損切りは値幅で決める
窓が埋まっても、それだけで成績が悪くなるわけではありません。窓の下端は、損切りラインの候補の一つにはなりますが、「窓が埋まったから売る」という判断に特別な根拠はありませんでした。ブレイク後のダマシにどう備えるかは、新高値更新の「ダマシ」を克服する損切りの極意も参考にしてください。損切りは、窓の有無に関係なく、あらかじめ決めた値幅で機械的に行うほうが一貫します(当ブログでは目安をATR×2としています。ATRとは・資金管理とポジションサイズの決め方)。
窓の大きさより、跳ね方の大きさに注意する
注意したいのは、1日で+10%を超えるような急騰で上場来高値を抜けた銘柄です。窓が埋まっても埋まらなくても、その後1年の成績は弱い傾向がありました。こうした銘柄は、上がった勢いに飛びつく前に、出来高が続いているか(出来高の読み方)、25日線からどれだけ離れているか(利確・過熱ラインの目安)も確認しておくとよいでしょう。
上場来高値を更新した銘柄の25日線乖離や出来高の倍率は、上場来高値DBで毎日確認できます。
10. この検証の限界
- 窓はヒゲを含めて判定しています。ローソク足の実体(始値・終値)で判定すると、窓の数や埋まるまでの日数は変わります。
- 株価は分割調整後の値で、配当は考慮していません。
- 上場来高値は、データでさかのぼれる範囲(概ね2000年以降)での最高値です。それより前に上場していた銘柄では、バブル期などの高値を判定に含んでいません。
- 上場廃止した銘柄の窓は、廃止までに埋まらなければ「埋まらなかった」と数えています。廃止を「観測の途切れ」とみなす数え方に比べ、埋まった割合は低め(格言に厳しめ)に出ます。
- TOPIXとの比較(超過リターン)は、TOPIXの日次データがそろう2004年以降に限られます。窓の数と埋まった割合は2000年以降が対象です。
- 「窓埋めを待つ」の比較は、窓の下端ちょうどで買えたと仮定しています。実際には、窓を埋めた日の値動きによって買値はずれます。
- 多くの銘柄で同じ日に窓が開く場面(大きな材料が出た日など)があり、窓どうしは完全には独立していません。銘柄ごと・年ごとに1件に絞った集計でも結論は変わりませんでしたが、件数ほどの精度はありません。
まとめ
- 「埋めない窓はない」はほぼ本当です。 上窓の約97%は5年以内に埋まり、半数は3営業日以内に埋まりました。10年たっても埋まらなかった上窓は、幅10%未満なら3〜5%です。
- 窓が大きいほど、埋まりにくくなります。 幅10%以上の上窓は、1か月以内に埋まるのが半分以下で、13%は10年たっても埋まりませんでした。
- 上場来高値の窓は、埋まるのが遅いだけです。 1か月以内に埋まる割合は68%(ほかは78%)ですが、5年以内ではどちらも96%台でした。
- 窓埋めを待って買っても有利になりません。 1年後の中央値はすぐ買う−1.9%、待つ−1.7%でほぼ同じ。平均では、埋まらずに上がる銘柄を逃すぶん不利でした。
- 窓が埋まったことは売りの合図になりません。 埋まった後の成績は、窓なしのブレイクが押し戻された場合とほぼ同じです。成績が悪いのは、1日で大きく跳ねて高値を抜けた銘柄全般でした。
格言は「当たる」けれど、「使える」わけではない。窓埋めの有無に頼るより、自分で決めた損切りと利確のルールを守るほうが、再現性のある判断につながると考えます。
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本記事は情報提供を目的としており、特定の銘柄・金融商品の売買を推奨するものではありません。掲載した数値は、外部サービスから取得した分割調整後の株価をもとに当ブログが機械的に集計した概算で、データの更新により変動します。過去の傾向は将来の結果を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任において行ってください。


