本日の相場概況
本日の上場来高値更新銘柄数は72銘柄でした。
東京市場は記録づくめが止まりません。日経平均は前日比1,151円高の71,053円と6営業日続伸し、終値ベースで初めて7万円の大台を超え、一気に7万1,000円台へ駆け上がりました。ザラ場では71,398円まで買われています。TOPIXも前日比54.95ポイント高の4,068.18と連日で最高値を更新しました。一方でグロース250は前日比3.38ポイント高の715.81と小幅高にとどまり、資金が大型・主力に偏る構図は続いています。
特筆すべきは、前日の米国市場が総じて軟調だったにもかかわらず東京市場が力強く上昇した点です。前日のNYダウは-0.98%、S&P500は-1.21%、NASDAQ100は-0.99%とそろって下落していました。それでも買い優勢となったのは、米主要指数が下げるなかで半導体株指数(SOX)だけは上昇し、インテルなどが買われたためです。インテルの先端プロセスを巡る報道を手掛かりにイビデンが連日の高値を付けるなど、東京市場は米国の「半導体だけは強い」という部分にはっきりと反応した格好です。米国とイランの戦闘終結の覚書が正式署名されたことも投資家心理を支え、海外勢の先物買いが相場を押し上げました。前日の総崩れに追随しなかった点で、日本株固有の先高観の強さがにじみ出た一日でした。
物色の中身を本日上場来高値を更新した72銘柄から読み取ると、中心はやはりAI・半導体の設備投資に連なる業種でした。レーザーテック・村田製作所・東京エレクトロン・SCREENホールディングス・フェローテックといった電気機器に、ローツェ・荏原製作所・タツモ・CKD・キッツなど半導体製造装置を含む機械、日産化学・住友ベークライト・四国化成ホールディングスといった化学、日本碍子・フジミインコーポレーテッドのガラス・土石製品が幅広く名を連ねました。半導体パッケージ材ABFを持つ味の素が食料品でありながら上場来高値を更新したのも、この半導体材料テーマの裾野の広さを象徴しています。テクノフレックスやニッカトーなど中小型の一角にもテーマの資金が波及しましたが、グロース250全体は出遅れており、波及はあくまで半導体・材料という筋に沿ったものでした。
注目したいのは、前々日に更新銘柄から姿を消していた金融が本日は明確に戻ってきたことです。三菱UFJフィナンシャル・グループ・三井住友フィナンシャルグループ・横浜フィナンシャルグループの銀行に、SOMPOホールディングスの保険、日本取引所グループ・オリックスのその他金融が加わりました。半導体を軸にしつつ、金融や三越伊勢丹といった内需にも資金が波及した、裾野の広いリスクオンと整理できます。
東証プライムの騰落は値上がり937に対して値下がり579で、値上がりが全体の約6割を占め、指数の方向と中身がそろいました。売買代金は約11.9兆円と前日からむしろ膨らんでおり、様子見ではなく攻めの買いが入っています。もっとも、7万1,000円の節目を超えた達成感から引けにかけては利益確定売りも出て、ザラ場の高値からは上げ幅をいくらか削って終えています。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
味の素(2802)
調味料の最大手が、半導体材料を旗印に上場来高値を駆け上がりました。本日は寄り付きから買いが優勢で、5,843円まで上値を伸ばして上場来高値を更新、終値も高値圏の5,787円で引けています。値上がり率は+8.37%と、時価総額5兆円超の大型株としては異例の急騰です。同社が独占的に供給する半導体パッケージ基板用の絶縁材ABFは、AI向け先端半導体に欠かせない材料として市場の関心を集め続けています。本日は米インテルの先端プロセスを巡る報道を受けて、同社ABFを採用するイビデンが+7%超と急伸しており、半導体材料テーマの中心としてセットで買われた格好です。5月12日に付けた上場来高値からいったん調整を挟みましたが、その押し目を吸収し、本日改めて高値を更新してきました。
ココに注目!:本日の急騰で価格はボリンジャーバンドの+3σ近辺に張り付き、25日線乖離率は+11%超まで拡大しました。±1σ幅は横ばいでしたが、この大陽線を受けて今後は拡張に転じる可能性があります。RSI14は67前後と、70の過熱圏を目前にした水準です。移動平均線はパーフェクトオーダーを維持し、一目均衡表も三役好転で雲の上に位置しており、トレンド構造そのものは強気です。平均値幅率は4%台と、大型株らしく値動きは比較的落ち着いています。押し目を考えるなら、まずは5日線が通る5,300円付近、より健全な調整なら25日線が位置する5,180円付近が意識されます。上昇シナリオを見直すのは、直近のザラ場安値にあたる5,080円処(今年2月に付けた高値であり、5月の上昇の起点となった付近)を終値で明確に割り込んだ場面でしょう。
タツモ(6266)
約2年ぶりの最高値圏到達です。タツモは2024年4月以来更新できずにいた上場来高値を、本日ようやく塗り替えました。寄り付きから窓を開けて買われると4,710円まで上値を伸ばして高値を更新、終値も4,615円と高値圏を保っています。塗布・洗浄装置など半導体製造の前工程を支える装置メーカーで、本日は前日の米SOX高を受けた半導体製造装置物色の流れに乗りました。直近10営業日でも3,500円処から一段、また一段と水準を切り上げており、本日の窓開けで2024年の高値という長らくの上値抵抗を抜けてきた意味は小さくありません。出来高も25日平均比で約2倍に膨らんでいます。
ココに注目!:移動平均線は5日線・25日線・75日線・200日線がすべて上向きに並ぶパーフェクトオーダーで、一目均衡表も三役好転と、トレンドの形は理想的です。一方で25日線乖離率は+20%超、RSI14も73前後と短期的な過熱感は否めません。平均値幅率が6%を超える値動きの荒い銘柄である点には、引き続き注意が必要です。本日空けた窓の下限は4,195円付近にあり、5日線が通る4,170円付近とあわせて、この4,150〜4,200円処を終値で割り込まずに推移できるかが短期トレンド継続の目安になります。より深い押し目は25日線が通る3,800円付近で、ここまでの調整なら健全な範囲ですが、その下の75日線(3,000円処)を割り込むようだと、ここまでの上昇トレンドそのものを見直す必要が出てきます。ただし急騰で薄い価格帯を駆け上がってきただけに、各移動平均線はあくまで下値メドの一つとして捉えておきたいところです。
ニッカトー(5367)
6月1日にストップ高から急反落するジェットコースター相場を演じた工業用セラミックスの中堅が、本日は様相を一変させました。寄り付きの1,521円を安値に終始買いが優勢となり、1,875円まで一本調子で駆け上がって上場来高値を更新、終値も1,850円と高値圏で引けています。値上がり率は+20%超。前回(6月1日)はストップ高を付けた直後に売り叩かれて長い上ヒゲを残しましたが、本日は高値圏を維持して大陽線で引けた点が対照的です。電子部品向けが売上の約6割を占め、AIサーバー向けのMLCC(積層セラミックコンデンサー)需要というテーマの追い風を受けやすい立ち位置にあります。本日は同社固有の新規材料こそ見当たりませんが、村田製作所が+8%超となるなどMLCC・セラミック関連へ資金が向かうなか、関連物色の一角として買われた格好です。
ココに注目!: 何よりも警戒すべきは過熱の度合いです。25日線乖離率は+59%超、RSI14は75前後、平均値幅率に至っては12%超と、いずれも極端な水準にあります。ボリンジャーバンドは+2σと+3σの間にあり、出来高の薄いところを一気に駆け上がっただけに、本日のような急騰の裏返しで急落するリスクは常に意識しておく必要があります。ただ、6月2日以降に5月29日にあけた窓を埋めてから再度上昇してきている点は注目に値します。現実的に検討しうる押し目は、2018年に記録した上場来高値1670円付近や5日線とボリンジャーバンドの+1σが重なる1,450円付近までの調整でしょう。一方で25日線(1,160円処)や75日線(900円処)は現値から3〜5割も下に位置しており、そこまで下げる場合は押し目というより、上昇トレンドそのものが終わる場合の下値メドと捉えるべき水準です。
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気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
日本タングステン(6998)
3月に一度跳ね返された上場来高値に、再び挑みにきました。前回この銘柄を取り上げた際は、2006年に付けた上場来高値2,585円まであと50円に肉薄しながら、地合いの悪化に押されて長い上ヒゲを残す結果でした。本日は地合いが一変するなか、窓を開けて買われると2,578円まで上値を伸ばし、上場来高値2,585円まで終値からあと3%程度、ザラ場では7円差まで肉薄しました。終値も2,507円と前日比+16%超の大陽線で、高値からの押し戻しもわずかにとどめています。タングステン・モリブデン加工を手掛け、超硬合金や電極、ファインセラミックを製造する同社は、半導体・電子部品関連の物色が中小型株にも波及するなかで買いを集めました。出来高は25日平均比で6倍超に急増しています。
ココに注目!:価格はボリンジャーバンドの+3σを超え、帯域も5日前比1.4倍に拡張するなど、短期の過熱は明らかです。RSI14は69前後と70の過熱圏に接近しています。ここで見ておきたいのが移動平均線の並びで、25日線がいまだ75日線を下回ったままの「混在」状態であり、足元の急騰がごく最近始まったばかりで、長期トレンドとしてはまだ確認しきれていないことを示しています。平均値幅率は5%を超え、時価総額120億円台と小型で値動きも荒いため、板の薄さによる急変動には冷静な対応が求められます。本日空けた窓の下限は2,160円付近にあり、5日線が通る2,120円付近とともに、この2,100〜2,160円処は押し目として意識されます。一方で、ここを終値で明確に割り込むようだと、上場来高値挑戦のシナリオはいったん仕切り直しと見るのが妥当でしょう。
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