本日の相場概況
8月の雇用統計が発表された前週末の米国市場は、指数の方向が割れました。NYダウは271.86ドル安の53,414.25ドルで-0.51%、S&P500は29.11ポイント安の7,718.60で-0.38%、上げたのはNASDAQ100だけで61.83ポイント高の29,544.15、+0.21%です。東京市場はその割れ方のうち、上げたほうだけを大きく引き継ぎます。日経平均は前週末終値を579円上回る65,600円で始まり、この寄り付きの値段がそのまま当日の安値でした。買いは終日途切れず、高値66,668円まで水準を切り上げ、終値は1,378円高の66,399円、+2.12%です。66,000円台の回復は9月1日以来4営業日ぶりで、日中の値幅は1,068円ありました。手掛かりとなったのは、米マイクロン・テクノロジーが先端メモリーを増産すると伝わったことです。人工知能向けの需要が続くとの見方から半導体株に買いが集中し、キオクシアホールディングスをはじめとする値がさ株が指数を押し上げました。雇用統計よりもこの一報のほうが材料視された一日です。
もっとも中身は指数の見た目と大きく違います。TOPIXは22.57ポイント高の4,125.80で+0.55%にとどまり、グロース250は5.21ポイント安の791.61、-0.65%と下落しました。東証プライムの値上がりは633銘柄に対し、値下がりは885銘柄で全体の56.9%を占めます。前日は値上がり788・値下がり712と逆でしたから、日経平均が2%を超えて上げた日に銘柄の過半が下げたことになります。売買代金は8兆377億円で、前日の8兆3,283億円からわずかに減りました。買いが半導体という一点に集中し、指数の上げ幅ほどには資金が広がりませんでした。
その一方で、上場来高値を更新した銘柄は28に増えました。前日は22銘柄です。最も多かったのは銀行業の7銘柄で、全体の4分の1にあたります。プロクレアホールディングス、秋田銀行、岩手銀行、福井銀行、紀陽銀行、宮崎銀行、北日本銀行と、地方銀行が横並びで顔をそろえました。次いで食料品、化学、機械、卸売業が3銘柄ずつです。時価総額1兆円を超えたのは豊田通商の7.20兆円と日本郵船の2.99兆円の2社だけで、更新の主役は中小型に寄りました。上昇率の首位はミナトホールディングスの+12.65%、次いでオンコリスバイオファーマの+7.73%、泉州電業の+6.37%です。
目を引くのは、28銘柄のうち前日比マイナスで引けたのが4銘柄にとどまったことです。前日は22銘柄中10銘柄がマイナスでした。指数を押し上げた半導体株の外側では、地方銀行と内需の中小型株に引けまで買いが続いています。指数の大幅高と銘柄の広がりの乏しさが同居しながら、高値更新の側だけは前日より厚みを増しました。
気になる上場来高値更新銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
オンコリスバイオファーマ(4588)
前週末4日の取引終了後、同社は投資家から寄せられた主な質問への回答を開示しました。そのなかにTOPIXの新規採用要件についての言及があり、取引金融機関から必要な基準を満たしたとの情報を得ている、と会社が答えています。指数への採用が決まれば、それに連動する資金の流入が意識される場面です。週末を挟んで最初の取引となった本日、この回答が買いを呼び込みました。もっとも寄り付きは前日終値を下回る4,525円で、直後には4,480円まで売られています。そこから買いが優勢に転じ、11時台には5,170円まで駆け上がって上場来高値を更新しました。後場は上値が重く、終値は355円高の4,950円と、高値から220円押したところでの引けです。出来高は25日平均の1.51倍でした。8月28日、8月31日に続く更新で、直近1年の3回はすべて8月28日からの7営業日に収まっています。8月21日に始まった食道がん向け治療薬の販売が、この短期間の集中を生んだ起点です。
ここに注目!: まず前提として、値動きの荒さを頭に入れておく必要があります。平均値幅率は8%を超え、本日も安値4,480円から高値5,170円まで690円の値幅が出ました。数百円単位の上下が一日のうちに起こる銘柄です。そのうえで本日の引けを見ると、終値4,950円はボリンジャーバンドの+2σにあたる5,040円付近をわずかに下回りました。ザラ場では帯の外へ出たものの、高値で買った参加者は報われず、上放れの確定は先送りされた形です。ただし勢いそのものは途切れていません。帯の位置は5日前比で+11%台の切り上がりで、価格帯ごと1週間で1割以上持ち上がっています。高値更新には25日平均を5割上回る商いが伴い、押し安値も9月3日の3,875円を底に、4日は4,110円、本日は4,480円と切り上がってきました。移動平均線はパーフェクトオーダー、一目均衡表も雲の上で三役好転が続いています。
8月28日に取り上げたときは、5日線の4,160円付近を終値で割り込むかどうかを目安に挙げていました。ここは9月1日から3日にかけて3営業日続けて下回っており、当時の見立ては一度崩れています。4日に4,595円まで戻して立て直したのが直近の流れです。需給の面では、信用買残が出来高25日平均の2.0日分あり、貸借倍率も300倍台と買残に大きく偏っています。急騰の前から買い持ちしている参加者の利益確定は、上値で出やすい状態です。上昇が続いていると読めるのは、終値で+2σの5,040円付近を回復し、帯の位置の切り上がりが途切れないあいだです。反対に、5日線とボリンジャーバンドの+1σが重なる4,340〜4,370円のゾーンを終値で割り込むようだと、4日からの戻りはそこで一服したことになります。25日線は3,640円付近と現値から4分の1以上も下にあり、そこまでの下落は押し目ではなく、8月末からの評価そのものが変わったことを意味します。
ミナトホールディングス(6862)
上に窓を開けた4,250円で始まると、その後は一度も前日終値へ近づくことなく、4,635円まで上値を伸ばして上場来高値を更新しました。終値は520円高の4,630円、+12.65%です。値幅385円のうち380円を実体が占める大陽線で、引け際まで買いが緩みませんでした。一方で出来高は25日平均の1.13倍にとどまっています。1割を超える上昇に対して商いはさほど膨らんでおらず、売り物の少なさが値段を飛ばした面がありそうです。前回の更新は8月18日で、3週間ぶりに4,230円を塗り替えました。直近1年の更新は13回を数え、更新を積み重ねてきた常連にあたります。本日は米マイクロン・テクノロジーの増産報道を受けて半導体関連に買いが集まっており、メモリー価格の上昇を業績の追い風にしてきた同社にも、その流れが向かったとみられます。
ここに注目!: 8月14日に取り上げたときとの違いが、そのまま本日の見どころです。当時は移動平均線の並びが混在で、25日線が75日線を下回ったままでした。本日はパーフェクトオーダーが成立し、一目均衡表の三役好転とあわせて、上昇の土台が形のうえでは整っています。当時下値の目安として挙げた3,450〜3,480円のゾーンは、8月27日の終値3,335円と28日の3,300円で一度下回りました。8月31日に3,520円へ戻して回復すると、そこから本日までの6営業日で4,630円まで水準を上げてきました。
勢いを測る数字では、帯の位置の変化が際立ちます。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比で+15%台の切り上がりで、価格帯そのものが1週間で大きく持ち上がりました。±1σ幅は5日前の0.9倍とわずかに縮んでいますが、中心線が切り上がりを続け、雲の上でパーフェクトオーダーを保ったままの収縮なので、方向感を欠いたもみ合いではなく上昇途中の小休止と読むのが自然です。終値4,630円は+2σの4,640円付近をあとわずかで捉えるところにあり、ここを終値で上抜けられるかが目先の確認点になります。25日線乖離率は+39%台、RSI14は78前後と数字は高いところにありますが、崩れの兆候として挙げられるものは今のところ見当たりません。注意しておきたいのは値動きの荒さのほうで、平均値幅率は6%を超え、14日平均で1日あたり300円あまりの値幅が出ています。信用面では買残が出来高25日平均の2.1日分積み上がっており、伸び悩む場面では上値の重しとして意識されそうです。下値は本日開けた窓の下限4,175円が最初の目安です。ここを終値で割り込むと、本日の窓を開けた上昇は仕切り直しになります。さらに5日線の3,970円付近まで戻す展開になれば、9月に入ってからの上げ足はいったん緩んだと見る場面です。25日線は3,310円付近と現値から3割近く下にあり、そこまで下げる展開は調整の範囲を超えます。
泉州電業(9824)
本日の安値は7,570円でした。この値段は9月1日につけた上場来高値とちょうど同じで、寄り付き直後に一度そこまで売られたあと、買いが入って切り返しています。以降は前場のうちに上値を伸ばし、後場に入っていったん押し戻される場面もありましたが、14時台にあらためて7,930円をつけて上場来高値を更新しました。終値は470円高の7,850円、+6.37%です。出来高は25日平均の2.23倍と、更新にはしっかりと商いが伴いました。買いの起点は4日の午後2時に開示された第3四半期決算です。通期業績予想の上方修正と期末配当の増額があわせて発表され、開示を受けて7,530円まで買われたものの、そこからは上げ幅を縮め、その日の終値は7,380円でした。週明けの本日、あらためて評価し直された形です。直近1年の上場来高値更新は14回を数え、更新のテンポは落ちていません。
ここに注目!: 6月5日に取り上げたときは、一目均衡表が雲の上にありながら三役好転は成立しておらず、上昇基調が確認しきれていない点を課題として挙げていました。本日は三役好転が成立し、移動平均線もパーフェクトオーダーです。当時挙げた6,500〜6,600円という下値の目安については、8月25日からの10営業日で最も安い日でも6,970円ですから、少なくともこの期間に試された形跡はありません。土台の面では、あの時点から一段進んだ状態にあります。
現在の株価はボリンジャーバンドの+2σと+3σのあいだにあり、終値7,850円は+2σの7,680円付近を上回っています。帯の位置は5日前比で+4%台の切り上がり、±1σ幅は0.8倍とやや縮んでいますが、中心線が切り上がりながらの収縮なので、上昇の途中で足並みをそろえ直している状態と見るのが自然です。25日線乖離率は+12%台、RSI14は71前後、平均値幅率も3%程度で、数値の面ではまだ余裕があります。需給では、貸借倍率が1倍を割り込み、売残が買残を上回る売り長の形です。信用残の基準日は8月28日で、4日の上方修正より前の状態を映しています。売り建てを残したまま決算をまたいだ参加者がいる計算になり、その解消が上値を押し上げる場面も考えられます。買残は出来高25日平均の0.3日分しかなく、上値の重しになる買い建てはほとんど積み上がっていません。終値で+2σの7,680円付近を保ち、帯の位置の切り上がりが途切れないかぎり、上昇の勢いは維持されていると読めます。下値では、本日下げ止まった7,570円から、5日線とボリンジャーバンドの+1σが重なる7,330〜7,460円までが当面の支持帯になります。この帯を終値で明確に割り込むようだと、4日の上方修正への反応は一巡したと見る場面です。25日線の6,980円付近まで戻る展開になれば、上昇の流れそのものを見直すことになります。
信用取引は格安手数料の楽天証券
松井証券の魅力、まずはお試しください。
![]()
気になる上場来高値間近銘柄
今日のリストから、個人的に気になった銘柄をピックアップしました。
※あくまで個人の所感です。売買を推奨するものではありませんので、投資は自己責任でお願いします。
小松製作所(6301)
同社が最後に上場来高値を更新したのは2月13日です。その時記録した7,840円という上場来高値はそれ以来7か月近く上値の節目として残ってきました。本日はその高値へ向けて7,633円まで買われる場面があり、終値ベースでは3%台の距離まで詰めています。ただ高値をつけたのは寄り付きから1時間ほどの時間帯で、後場に入ると7,500円台での推移が続きました。終値は83円高の7,576円で、上ヒゲの長さが実体を上回る足を残しています。出来高は25日平均の0.72倍と平均を下回りました。日経平均が2%を超えて上げた日に+1.11%という上げ幅ですから、指数の勢いには乗り切れていません。
ここに注目!: 7月29日に取り上げたときは、決算での上方修正に反応した急伸の直後で、25日線が75日線を下回ったままである点と、転換線と基準線が同値のため三役好転が成立していない点を課題に挙げていました。本日はどちらも解消しています。移動平均線はパーフェクトオーダーとなり、一目均衡表も雲の上で三役好転が成立しました。当時、下値の目安として挙げた6,800〜6,980円の帯については、8月25日からの10営業日で最も安い日でも7,305円ですから、この期間に試されてはいません。1か月あまりを費やして、線のほうが株価に追いついてきた形です。
一方で、上へ行こうとする力はいま強いとは言えません。ボリンジャーバンドの中心線は5日前比でわずかな切り上がりにとどまり、±1σ幅も0.9倍と横ばい圏です。25日線乖離率は+3%台、RSI14は61前後、平均値幅率は2%台と、いずれも過熱とはほど遠い数字が並びます。指標の上では上値を追う余地が残っている一方、価格帯を押し上げる推進力もまた乏しい状態です。何より高値接近に商いが伴っていない点が、本日の足の弱さと重なります。位置関係で言えば、上場来高値7,840円はボリンジャーバンドの+2σにあたる7,770円付近よりさらに上にあり、そこへ届くには帯の上側へ抜けたうえでもう一段の買いが要る計算です。需給の面では、信用買残が出来高25日平均の0.3日分と極めて軽く、時価総額6兆円を超える規模を考えれば上値の重しにはなりません。終値で5日線と+1σが重なる7,500〜7,540円のゾーンを保ち、パーフェクトオーダーと三役好転が崩れないかぎり、高値への接近は生きています。本日の安値7,509円もこのゾーンの内側で止まっており、後場の値動きはこの帯の上下で収まりました。ここを終値で割り込む場合は、25日線と9月2日の安値が並ぶ7,310〜7,360円が次の下値の目安になります。そこまで戻る展開になれば、8月末から積み上げてきた上げ幅は失われます。
コクヨ(7984)
10時過ぎに936.2円まで買われました。2月13日につけた上場来高値975円まで、ザラ場では4%弱の距離です。ただ上値の追随はそこで途切れ、以降は株価がじりじりと水準を下げ続けました。終値は1.1円安の925.2円です。始値との差はわずか0.8円で、上ヒゲが値幅全体の3分の2を占める足になりました。朝に入った買いが引けまで残らなかったことが、そのまま形に出ています。出来高は25日平均とほぼ同じで、普段と変わらない商いのなかでの上下でした。もっとも8月25日からの10営業日で株価は893.8円から本日の925.2円まで水準を上げてきており、本日の小幅な下落はその流れのなかの一日です。
ここに注目!: ボリンジャーバンドの形が、この銘柄の現在地をよく表しています。±1σ幅は5日前の1.4倍まで広がった拡張中である一方、中心線の位置は5日前からほとんど動いていません。帯が上下へ開いただけで、価格帯そのものは持ち上がっていない状態です。値動きの振れは大きくなったものの、上昇の速度という点では物足りません。本日の高値936.2円が+2σとほぼ同じ値段だったことも、この読みと重なります。帯の上端で上値を抑えられ、そこから引けにかけて押し戻されました。25日線乖離率は+4%台、RSI14は66前後、平均値幅率は1%台と、数値はいずれも落ち着いています。過熱を気にする段階ではなく、伸びしろのほうが残っています。
長期の並びには、まだ整い切っていないところがあります。移動平均線は混在で、75日線が200日線を下回ったままです。株価だけが両線の上へ出ている形で、長期のトレンド転換が確認しきれたとは言えません。一目均衡表は雲の上で三役好転が成立しており、中期の形は整っています。需給の面では、貸借倍率が1倍を割り込み、売残が買残を上回る売り長の状態です。買残は出来高25日平均の0.1日分しかなく、上値で重しになる買い建てはほとんどありません。加えて同社は自己株式の取得を続けており、8月分の取得状況が4日の取引終了後に開示されています。株数が減る方向の動きが続いていることは、需給を考えるうえでの材料の一つです。上昇が続いていると読めるのは、押し安値の切り上がりが途切れないあいだです。8月31日の904.5円を起点に、安値は本日の921.1円まで水準を切り上げてきました。終値の面では、5日線とボリンジャーバンドの+1σが並ぶ913〜925円のゾーンを保てるかどうかが確認点になります。本日の終値925.2円は5日線とほぼ同じ値段で、この帯の上端にちょうど乗っている位置です。ここを終値で割り込み、25日線の890円付近まで戻す展開になれば、8月末からの水準の切り上げはいったん仕切り直しとなります。
個別投資をプロに任せる!投資信託で資産形成 ひふみ投信【PR】
![]()
預金でも株でもない、安定資産という新しい選択肢 安心の三井物産グループ運営【PR】
![]()

